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となりの国

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「ルミ子 ってどういう意味?」

サカテカスを出て南、グアダラハラに到達する広い道路に沿って走った。

途中にあった露店でココジュースを頼み、サカテカスで買った量り売りのチョコを食べていたら、隣の露天商達が話しかけてきた。

「どこから来た」「どこへ行く」から始まる、いつもの質問だ。

ここらでちょっくら情報を仕入れようと、こちらも「次の町までどのくらいだ」「太平洋側のゲレーロ州は危ないのか」という質問をぶつけてみた。

次の町まで車で30分ほどらしい。

自転車ではだいたい2、3時間といったところだろう。

ゲレーロ州はちょっと危険、それほどでもないけど、ちょっと、自転車で走るならわからん、という回答だった。

サカテカスで仲良くなった人に聞いたときは かなり危ない、銃をバンバン撃ってる ということだった。

もっと前に他で聞いた時にも ちょっとだけ危ないかも と言っていたので、太平洋側を走る計画は考え直した方がいいのかもしれない。

日本人旅行者は 全然そんなことない、平和でゆったりしていた と言ってたが、バスで来て少しいただけなのであまり信用はできないだろう。

次の町、Villanueva(ビジャヌエバ)で150ペソのホテルを見つけ泊まる。

自転車のギアチェンジが壊れたので町の自転車屋で交換してもらった。

この日もタイヤがパンクしたので、今回は新しいチューブに交換してみた。

外で花火がバンバン鳴っているので何事かと聞いたところ、

ここ数日はミサがあるとかなんとかで色々あるらしい。

スペイン語だったのでわからないが、なるほどそれっぽいカレンダーが至る所に張ってあった。

12月7日

方角を少し変え、荒野の山の中を走った。

ずっと上りで汗だくになり、かと思えば急な下りになって帽子が飛ばされそうになる。
途中の山道にて車が故障かなにかで止まっていたが、こちらはどうすることもできない。

    ↑森と荒野の境界線

あと数十キロで次の町というところで夕闇がきてしまい、しかもタイヤもパンクしたので、ちょうどあったガソリンスタンドの裏手にキャンプさせてもらうことになった。

そのガソリンスタンドを経営している家族と少し話ができてなかなか楽しかった。

お母さんに、「ルミ子」ってどういう意味があるの? と聞かれたが、ちょっとわからない。

留璃子だったらまだわかるのだが。

というか、なぜルミ子なのだろう。

他の日本人にそういう名前をつけられたのだろうか。

たしかにそのお母さんは見た目「ルミ子」という印象の顔立ちであった。

海外に出ると、よく名前の由来や意味を聞かれるのだが、かなりの難題だ。

占いで決めた、と言いたくてもその「占い」という単語がわからず、調べて見せても相手はピンと来ない様子だ。

こちらには画数なんてないから当然わからないだろう。

占い自体もあまり浸透していないのだろうか。

星座占いなんてのも、今のところ見たことがない。

ルミ子の由来はわからない
と伝えると、

あなた本当は日本人じゃないでしょww

とジョークを飛ばされた。
たしかに、よく中国人に勘違いされる。
なぜか日本人からもたまに間違われるくらいだ。
なんでだろ?
自分としては何人でもいいんですけどね。

久しぶりのテントを張って横になった。

ガソリンスタンドのため、夜中でも度々車が来て人が降りてくる。

周りには犬がいて、うろつき回っている。

結果、襲われるのが心配であまり眠ることができなかった。




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