- 2024/11/24
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今のところ自転車でなんとかやりくりしつつ 踏ん張りながら だましだまし 時には励まし合い時には喧嘩もしながら一人で世界を旅行中です。よかったらpart2 現地情報ややってほしいこと、知りたいことなどありましたらコメントかメールにて受付中!
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他の旅人っていうのは、自分にルールを課したりしているのだろうか。
自分はそういうのが全然ない。
ルートやその日の目的地は直前まで決めないことも多いし、いつまでにどこに行くなどの時間の制約も設けていない。
すべての国に入国するだとか、各地の世界遺産をめぐるだとか、そういう取り決めも皆無だ。
自転車はただの交通手段のひとつであり、絶対に自転車以外使わないというわけでもない。
朝起きるのもその日によってまちまちだ。
ホテルに泊まったときなんかは、チェックアウトギリギリに(たまに数分オーバーして)出て行く、なんてことはざらだ。
この日もゆっくり起き、チェックアウトの9時ギリギリに出られるように支度をしている最中だった。
部屋の電話が鳴り響く。
出てみると、電話の向こうの男性がスペイン語でなにかまくしたてている。
聞き取れる単語を総合して推測するに、
「そろそろチェックアウトであり、それ以降は追加料金がかかる」という話だったのだろう。
もう出ます、
と言いたいが通じない。
9時に出る、
と言うと
夜の9時か
と言い返される。
5分経過。
時間がかかるので、日本語で
今準備しているから切りますね
と言って電話を置いた。
この電話のせいでチェックアウトが5分遅れてしまった。
なにか請求されたら嫌なので、さっさとホテルを出て行く。
ここ、ティピタパの町から大きな道路に入ることができる。
家は少ないが、人がたくさんいるので強盗などの脅威はそんなに心配することもなさそうだった。
その先San Benitoに辿り着き、安食堂で朝食とドリンク屋でプロテインオレンジドリンクを頼んだ。
そしてドリンク屋を右に曲がる。
ここからは山道だ。
腹は満ちたが、足取りは重い。
1週間強のブランクがたたって体に疲れが溜まっている。
自転車ごと後ろに引っ張られている感覚がある。
そしてこの小説風の書き方も久しぶりなので、少し違和感を覚える。
ボロボロの元簡易食堂のような小屋があったので、そこのベンチで一休み。
すると草原のほうから人が2人来た。
同じ場所に座る。
一人は水をのみ、もう一人は必要以上にでかい鉈でココナッツのような実を割っていた。
話しかけられたので友好的に返事しかえす。
この辺は危険だからバスを使ったほうがいい
と男は言う。
地図を取り出し、
リバスのほうは?
と聞くと、そっちもまあ危険らしい。
行ったことのあるチナンデガとレオンも指差してみた。
するとそっちは特に危険だと言う。
じゃあどこが危険じゃないの?
と聞いてみると
ニカラグアは全部危険だ
と答えた。
あー、こりゃあてにならんわ。
危険でもどこか選んで進まなくてはいけない。
200コルドバ払ったら車でSan Carlos(サンカルロス、国境付近の町)まで連れて行ってやる
と言われたが断った。
これが狙いだったのかもしれない。
この人たちが強盗をやっている可能性も高いので、仲の良い振りをして別れて去った。
その先すぐにLas Banderas(ラスバンデーラス)という村にぶつかった。
商店で飲み物を買ったついでに、この道は危険かどうか、店員の女性に聞いてみる。
すると
全然。夜も平気よ。あーでもバイクはちょっと危ないかもね
ということだった。
村の出口付近で小雨が降ってきたので、ちょうど目の前にあった店にお邪魔して、そこに隣接されている屋根のある空間で雨宿りさせてもらう。
これぞまさしくスコール、という感じの、
その名に恥じない勢いのそれはまさにスコール。
スコールの中のスコール。
雨宿りしておいてよかった。
酔っぱらいにからまれながら雨がやむのを待つ。
店の前に警官がたむろっていたので、話を聞いてみた。
サンカルロスまで行くが危険か、と聞いてみると、警察もパトロールしているしやはりそんなに危険ではないということだった。
しかし夜は気をつけたほうがいいとのこと。
次の町にはホテルがあるということで、今日はそこを目指すことにしようかと考える。
しばらく待っていても雨は降り止まない。
さっきの酔っぱらいが こっちへこい と言うのでついていくと、
彼はこの店の主だったらしく、
今日はここに泊まっていけ
と言ってくれた。
なんとなく信用できそうな気がしたのでここに泊まることに決定。
そして早速、グラナダで半額まで値下げして買ったハンモックが役に立つときがきた。
店と外の間には玄関フードのような隙間がある。
警察官と店番をしている奥さんがそこにハンモックをくくり付けてくれた。
これでノミにくわれることもない。
そのあとちょっとそこで昼寝をして、それからずっと酔っぱらいの男の話に延々付き合わされた。
彼は自分の知らない単語ばかりを使うので、彼の言うことの95%が理解できなかった。
しかし彼は知識があるようで、
日本と中国の違いは理解していないようだったが、核のことや中国映画のこと、戦争のことやナチスドイツの挨拶がどうとかという豊富な話題を語っていた。
もしかしたらTVが好きなのかもしれない。
そう聞こうかと思ったが、TVをスペイン語でなんと言うかわからなかったので通じなかった。
突然ジェスチャーゲームみたいなのが始まり、
こちらがジャッキーチェンとかブルースリーとか言うと「当たり!」と言ってすごく喜んでくれる。
酔いが強くなると父親がアメリカとの戦争で死んだことを嘆き、泣きながら
明日はいつ俺んちから行っちまうんだい
と聞かれ、小さな聖書を手渡された。
ジミーと名乗った45歳の酔っぱらいはいつの間にか床で寝てしまった。
でもこの人、懐中電灯盗もうとしてたけどね。
ここでは寝床のほかに夕食と水もくれ、しかもおかわりまでさせてくれた。
じゃがいもの天ぷらのようなキャッサバのフライがとてもおいしかったのを覚えている。