- 2024/11/24
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今のところ自転車でなんとかやりくりしつつ 踏ん張りながら だましだまし 時には励まし合い時には喧嘩もしながら一人で世界を旅行中です。よかったらpart2 現地情報ややってほしいこと、知りたいことなどありましたらコメントかメールにて受付中!
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↑窓から見える海賊旗
ここからは多少音楽の話が増えると思います。
環境が環境だけに、出来事の多くが音楽関係になってしまうのです。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
このミアミホステルに新しい人が入ってきた。
スウェーデン人のロアさん。
年若くイケメンの看護学生だ。
素朴な顔立ちで、顎には短いひげが生えているが皮膚と同じようなブロンズの毛色をしているためあまり目立たない。
人と抵抗無く積極的に話しができ、人柄がよい好青年だ。
彼はギターができると言っていたが、弾いてほしいと頼むと また今度 と断られてしまった。
毎朝クラリネットを練習しているジローラモ似のオクタビオさんから、基本的なコード進行と数ジャンルの一般的なコードを教えてもらった。
これができれば自己流で音楽が奏でられるという。
彼もオリジナルの曲をいつも弾いているようだった。
ずっと思いとどまっていたが、今日こそは人のいるところでオカリナを吹いてみようと意を決し、夕方に街中へと繰り出した。
5 de Mayoという人通りが多いところの小さな広場にやってきた。
↑そのすぐそばの通りの光景
まわりにはベンチで休んでいる人や立ち話をしている人で一杯だった。
とりあえずここで吹いてみようと、メキシコで買ったカウボーイハットを目の前に置き地面に腰掛ける。
オカリナ一吹きで目の前にいた数人が逃げ出した。
……えぇ!!
そんなにか!?
正直もうやめたかったが、他の人たちは特になんのリアクションも見せなかったため吹き続ける。
吹ける曲をあらかた吹いてみた。
帽子の中身は・・・・・・・・・・・・・・・・・カラッポ!
肘を虫に刺されただけで終わった。
短い時間だったが、やはりこんなもんだろう。
オクタビオさんに言わせるとパナマシティは場所が悪いということだった。
でもやっぱりまだ演奏がヘタだというのが一番の原因だろう。
それと今回吹いてみてわかったことがある。
まず、吹ける曲一つ一つが短すぎた。
ある程度の長さがないと通りすがりの人が聞き始める前に終わってしまうので、引きつけることが難しいらしい。
それからマイナーな曲しか吹けないのもよくなかった。
もっと皆が知っているようなもので、かつノリの良いものも混ぜていかないとダメなのかもしれない。
つまり全体的に選曲がダメだったということだ。
それと、オカリナだけでは音が少なすぎると思う。
プロ並みにうまければ単音でもいいだろうけど、一般人の演奏ではさびしすぎるし盛り上がりに欠ける。
誰か他の演奏者をつれて一緒にやるなり、パソコンとアンプを繋いで音源を入れるなり、なにか工夫が必要なようだ。
メキシコのトルーカの町で見たパンフルート奏者もコンピュータで伴奏を流していた。
そこで考えたのが、まわりの音を利用するというものだ。
ラテンアメリカでは音楽がそこら中で流れている。
現に今日吹いた場所でもどこかの店で流していた大音量の音楽が漏れ聞こえていた。
とっさの閃きで、響くドラムの重低音なリズムに合わせてアドリブで吹こうとしたが、そううまくはいかなかった。
これができればかなりいいところまでいくのではないだろうか。
慣れと練習が必要だ。
今回は大変勉強になったが、ただ、大勢人がいるところで吹くのはあまり楽しいものではなかった。
お金が入っていたら楽しいと思えたのかもしれないが、それもただの”成功した喜び”だけであって演奏自体が楽しいわけではない。
なんというか、吹いていてなんだか独りよがりな気になってしまった。
やっぱり一人で吹くのが性に合っているのかもしれないな。
そう思いながら、正直かなりへこんだ。
オクタビオさんはどんな風にパフォーマンスしているのだろうか。
今度連れて行ってもらうことにしよう。
その話はまた次回。
朝起きると、隣の部屋からギターの音色と歌声が聞こえてきた。
ロアさんが歌っているようだ。
ギターもなかなかうまいが、特にその歌声が素晴らしかった。
よく通る声で声量も出ていて、テクニカルな歌い方をしていた。
歌っていた曲はthe tallest man on earthというスウェーデンのアーティスト。
ロアさんはこのアーティストの大ファンだという。
伸びやかな表情で歌うロアさんはとても楽しそうだった。
同日、久しぶりにハーモニカの練習をしようと、キッチンの隣のスペースで軽く吹いてみた。
するとロアさんが「いいね」とかなんとか言いながら、その音を聞きつけてやってきた。
サッと取り上げられ華麗にハーモニカを吹くロアさん。
ベンドという音を下げる技法も完璧に身につけている。
ロアさんもハーモニカを持っているがあまり質のいいものではないらしく、そのハーモニカではベンドができないらしい。
かなり羨ましげにしていたのであげようかとも思ったが、自分も吹きたいのでさすがにそれはできなかった。
ロアさんにベンドの仕方を少し学ぶ。
たった数分間の講義で吹けるようになるほど簡単ではないのだけど、生で音を聞いていたら少しだけ吹けるようになった気になった。