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となりの国

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スラム街の中で暮らすよ! その9〜賭け事とわたし




謎のイミグレーションからトボトボと帰っている途中、道の端っこに人だかりができているのを見つけた。



    ↑ちなみに謎イミグレの地図はこれ


チャルメラをもっと大きくしたような固定式の店の裏手でなにかやっている。
他からは少し見えずらいところだ。

きれいなところではないが、スラムスラムしているわけでもない。
裕福地区ランクがもしあったとしたら、下から3番目、という感じだ。

金網越しの公園内に設置した台やテーブルを囲って賭博をやっているようだった。



ひとつはサイコロを振るゲーム、もうひとつはブラックジャックをしていた。

人が特に集まっているサイコロのゲームを覗いてみる。
しかしルールが全然わからない。
他の国でも同じゲームをしているのを見かけたので少しだけ見知っていたが、それでも具体的な部分はわからなかった。


とりあえずわかったことは、

・小さな2つのサイを振り、6,6/5,6/3,3の目が出れば勝ち。
・1,1/1,2/4,4が出たら負け。
・他の目が出たら隣の人に交代。
・基本は2人で振り合うのだが、1人でもいいらしい。

これくらいだ。


だが、たとえば

・勝ったときの配当はいくらなのか。掛け金の2倍になってるようなときもあるし、・かと思えば1.5〜1.8倍しかもらってないようにも見える。
・始める前に関係ない人に金を渡しているときもあるが、テーブル代を払う必要があるのか。
・親がいるのか、それとも対戦形式なのか。
・勝つと台に乗せた掛け金をどんどん増やしているが、それは強制なのか。


やってみたいとは思ったが、ルールがわからない上に掛け金5$〜のスタートだと言うのでやめた。
もしも勝ったとしても、理解していないので配当金をちょろまかされるかもしれない。

あと高い


そこで、別のテーブルでやっているブラックジャックを試しにやってみることにした。
ルールは知っているルールと大体同じだった。

掛け金は50セント。
21を目指してカードをめくるゲームで、最初に2枚カードが配られる。
親は2枚のうち1枚をプレイヤーに見せ、17以上になるまでひかなくてはならない。
絵札はすべて10としてカウントし、Aは1か11の好きなほうを選べる。


ギリギリ25セントコインが2つ、財布のなかに残っていた。
小銭はこれっきりなので一発勝負だ。
それをテーブルに出してゲームスタート。



最初に配られた手札をみると、なんと21でブラックジャック!


賭け事運やクジ運はめっきりない自分だが、ときどきたまーにこういうビギナーズラックが発生する。


カードオープン時、親にブラックジャックを指し示すと1$札をくれた。
掛け金は50セントなので多いと言うと、ブラックジャックのときは2倍もらえるらしい。

これはついてると思い、もう一回。

手札は2と4。
親のカードは6の数字が見えている。
なぜか悔しがる親の人。

とりあえず1枚カードをもらうと、10だった。
16だとまだ微妙かと思い、もう一枚引く。


出た数は


・・・


・・・・・



10


バーストしてしまった。

このときは知らなかったのだが、親が6の数字のときはカードを無理に引かずステイするのが一般的らしい。
ブラックジャックの知識があまりなかったので、勝てそうなところを外してしまった。


勝ち逃げしたいので「これ以上しない」とジェスチャーで伝える。
するとまわりの人たちもその動きにのってきて、

「ノーモァ!ノーモァ!」

とオーバーに言ってきて面白い。


彼らに近い服装をしているからだろうか、みんな愉快に話しかけてくれる。




ブラックジャックの勉強を少しして別日にもう一度行ってみると、この日は替わりにドミノをやっていた。

がっかり。


ドミノを端から見学する。

ドミノと花札と百人一首は祖父母の家で昔からよくやっていたのである程度やり方はわかっていたのだが、彼らがやっているのはそれとは少し違うようだ。
もっと単純化したものだった。

簡単に言うと、

____________
知っているルールは、

ドミノに書かれた数字を合わせていく。
出せるものがないと、出せるまで場からドミノを引く。
ゾロ目ドミノは横置きと縦置きができる。横置きは上下左右全部に置けるようになる。
最初にゾロ目を出すと、2つ先の人まで強制的に同じものを出さなくてはならない。
端の目の合計が5の倍数になったとき、その数ぶんだけコインをもらえる。
誰かの手札が無くなったら、他の人はその人に現在持っている手札の合計の5の倍数分のコインを渡す。

しかしここのルールでは、

ゾロ目は横置きのみ。しかし効果は縦置きと同じ。場所を取らないように横に置いているのだろうか。
合計数は関係なし。
出せないとパスになり、前に置いた人に50セント渡す。
終了時にどうなっているのかは早すぎてわからなかった。


知っているやり方では、数字を5の倍数にするよう計算しながら始めに上がりやすい親をいかに邪魔するかのゲームなのだが、
ここではとにかく場に出せる数字の可能性をできるだけ少なくしつつ自分が出せる数字を残しておくという場の支配が重要なようだ。
_____________


「1試合やってみるか?」
と聞いてくれたが、ルールが違うしスピードもかなり早いので見るだけにしておいた。

ドミノをテーブルに強く叩き付ける時の「カーン」という甲高い音が耳に痛い。
そそくさとその場を後にした。



結局ちょっとしか賭けなかったが、次もしチャンスがあればもう少し長くやってみたいと思っている。
これでほんの少しでも資金が楽になったらいいが、そううまくはいかないだろう。

それくらい自分は賭け事が下手なのだ。

まあ、楽しみくらいの気持ちでやるのはいいよね。



帰りに勝ったお金で勝利の美ソフトクリームを堪能する。

儲けた50セントはこうして一瞬で解けてなくなったのである。
ソフトだけにね!




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