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となりの国

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隠れた観光地、バラ・デ・ナビダッドより

そんなこんなで噂のBarra de Navidad(バラデナビダッド)に到着しました。



とりあえず目についたホテルの部屋をとり、もう手持ちの金が全くと言っていいほどなかったのでATMへ直行。
しかし機械に拒否される。

次の日に行ってみても拒否される。


どうやら機械内に金がなくなっていたそうです。

女性から見た男性の理想像であるらしいATMさんの懐がすっからかんだなんて、そんなのATMじゃない!


金をおろすには隣町のMelaque(メラケ)まで行かなくてはならないらしいです。

しょうがないからホテルの主人には少し待ってもらって自転車で行きましたよ、メラケ。
本当に隣町。20分くらいですぐに着いちゃいました。

ちなみにバスだと10ペソかかるらしいです。


金をおろして町を軽く見て回ったのですが、バラよりこっちのほうが見るところあったかもしれない。
土産屋もあったし、向こうより大きいから過ごしやすそう。

ホテルもここら辺で探したほうが安い所見つかるかもしれませんね。

海もこちらのほうが穏やかに見えました。

ここに来る人はメラケでの宿泊をオススメしておきます。



バラデナビダッドはちょうどイベントをやっていたようで、カレーのコンクールをソカロ(中心部の広場)でやっていました。

ステージではアメリカンな歌やタップみたいなメキシカンダンスを披露。




そうそう、ここはアメリカ人観光客がすごく多いんですよ。

道を歩いていると通り過ぎてったアメリカ人が、

 ハワイみたいだね

と言っていたのです。

そのとおり、観光客の多くはアロハシャツを着用していました。



海に入って遊んでみましたが、
ここね、すごく波が高いんです。

海岸が急斜面のせいなのか、1mくらいの波がガンガン来ますからね。

泳いでいると一瞬ヒヤッとするくらいの波の吸引力。

サーフィンが好きな人にはうってつけの場所かもしれません。






という感じであっという間に時間は過ぎ、重い腰を上げて高速道路のあるManzanilloへとむかうのでした。





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旅人にたくさん会う道

長い旅の休暇が終わり、自転車に荷物を載せてホテルを出る。

ホテルの従業員に話を聞くと、

 ミチョアカン州とゲレーロ州は今は行かないほうがいい

 Manzanillo(マンサニージョ)のAutopista(アウトピスタ ー 高速道路)からなら自転車でも比較的楽にグアダラハラに戻れる

という情報をもらい、とりあえず太平洋の海岸線に沿って南下する。

海岸沿いに走るからにはさぞかし平坦な道が続くのだろう、と思っていたのだが、

いきなりの難所、半島越えにぶち当たった。

プエルトバジャルタは入り江の一番内陸側に位置しているため、そこを出ると海ではなく両面山に面しているのだった。

ひーひー言いながら心臓破りともいえる坂を押し通し、その先にポツンとあった店で休憩。

そこのオーナーらしきフランス系の男性からも、

 この先の州は危ないから絶対夜は出歩いちゃいけないよ!

と釘を刺された。

やはり危険なんだなぁ、
こういうところは行かないに限る。

グアダラハラからもう一度メキシコシティ方面へ戻り、反対側のカリブ海へ行くことにしよう。

脚がなまっていたのか筋肉痛になっていたので、次の町で2日泊まった。




    ↑おおきな屋台に駄菓子が並んでいる

    ↑ホテルの前から見える丘の上の十字架


 

地図とコンパスで確認しつつ進んでいると、バイクに乗った男性が目の前で止まった。

後ろの荷台に大きなバックパックを乗っけているところを見ると、おそらく旅行者なのだろう。

 やあ、調子はどうだい

 barra de Navidadに昨日泊まったけどすごく良いところだったよ

とアメリカ調の英語で教えてくれた。
かなりのハイテンションだった。




    ↑トマトランという名前の町に近づいた時の看板。ちゃんとトマトマークがついてる

そうそう、

メキシコで好きなジュースで「サングリア」というぶどうの炭酸飲料があるんだけど、それが2種類あることに気がついた。

   ~

senorialとcaseraという種類があり、caseraのほうが癖が少なく好きだ。


 
   ↑瓶タイプもある。caseraの瓶のラベルはだいたい色あせている

地図にも載っていない小さな町に着いた時、水を飲み過ぎたのか少し具合が悪くなった。

しょうがないから今日はここで休もうと思い、宿泊地を探す前に休んでいると、隣の店でチャリダー(自転車旅行者)らしき人物2人を見つけた。

どうやら自転車を直してもらっているらしい。

近づいてみると、向こうから話しかけてくれた。

彼らはアメリカ人で、数週間の間海岸線をずっと南へ辿ってきたらしい。

そのままメキシコ南部のChiapasへ行く計画のようだ。

チアパスというと、前にTalaという街でメキシコ全域地図をくれたおじさんが進めてくれたところだ。(1/12"雨のち山、時々ミカヅキ"の投稿より)
バイクの人よりは落ち着いた雰囲気で、

 チャリダーはほとんどあったことがないからびっくりしたよ

 この先は危険らしいけど、時間もないしそのまま行くしかないよね

 そういえば小さな女の子が一人で自転車に乗って旅していたよ。見た?

 今自転車を直してもらっているんだ。もうすぐ終わるよ。ほら、これ日本製のやつ

と、自転車の銘柄を見せてくれた。



    ↑途中で見つけたトカゲ。たくさんいる

次の日自転車がパンクしていたので、ホテルをチェックイン後修理していると、そこで働いている女性が水を持ってきてくれた。

小さな穴で探すのが大変だったのでとても助かった。




    ↑昼に食べた料理。名前は聞き取れなかった。なかに鶏肉が入っている


    ↑途中で見つけた大きいトカゲ。ここまで大きいのは初めて見た



夕方、「道路を右に逸れるとLa Fortunaという幸運になれそうな名前の村がある」と看板に書いてあるのを発見。

しかしそこへ向かうためにはガタガタ道を突っ切らなければならないようだ。

どうするか悩んでいると車に乗った中年男性が現れ、ビーチはどこかと聞いてきた。

わからないと答えると色々質問され、彼もBarra de Navidadがよかったと行ってきた。


よし! そんなにいいなら行こうではないか。

目的地がまたひとつ増えた。

この日はガタガタ道を越え、村で海を見てから眠りについた。




朝。

ドアのところにいた大きなゴキブリに見送られて出発。

この日は快調に進むことができたが、それでも疲れ果ててもう動きたくないところまできた。



またまた2人組のチャリダーとすれ違ったが、相手はスペイン語を話していたために会話は成り立たなかった。


どうやらこの道はチャリダーが多いようだ。
こんなに長期旅行者と道端で会えたのは初めてのことだった。



もう少し先の小さな村、Aguacalienteにて、道路沿いの店のところにキャンプをしてもいいという許可をもらい、椅子に休ませてもらう。



    ↑↓村直前の景色


もう現金がほとんどなく、近くのピザ屋へ行ったがちょっと予算が足りないから別の場所はないか聞いてみるとスクーターで小さな食堂へ連れて行ってくれた。

そこで料理を頼み、その店の人たちとカタコトの会話を楽しんだあと、キャンプを許可してくれた店の主人がわざわざ車で向かいにきてくれた。

なんていいところなんだと思いながらテントを設置。

しかし目の前は道路が走っている。

大丈夫だろうか。

暑かったので外へ出ると変なゲイに絡まれ、金はあるかとか欲しくはないかとかとてもしつこく付きまとわれ、しかもこちらのパンツの色を聞かれたりして気持ち悪いし本当に迷惑だった。

なんだか興味のない男性に迫られる女性の気持ちが少しわかったような気がした。

本当に嫌だった。

いいところだと思っていたがやはりメキシコは治安が悪いことには変わりないのだ。



次の日にはきっと噂のBarra de Navidadに着けるだろう。

この日はさっさと寝てしまおう。




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観光都市プエルトバジャルタで いい旅休暇気分

ということで、到着しました!

こちら



プエルトバジャルタ!!!



ここはメキシコ在住の人たちから

ここはいいよーここはきれいだよー

と言われ続けた場所です。


なんと言っても、




    う   み   が   !   !


だってこの旅を始めて一度も海を見ていない。

ずっっっっっと山道だったんですもん。

一度太平洋を見たいと思っていたんですよ。うれしい。




    ↑川の横の公園でくつろいでいるネコ



やはり観光地化されているだけあり物価は高めなのですが、

やっぱね、なんでもあるっていいね。


おいしいものも
すてきなものも
ぜんぶそろってる。








おかげでいろいろ買ってしまったり、髪を切ってみたりしました。



    ↑メキシコのモーレ料理。辛みが少ないチョコレートカレーという印象の味で、カレーの嫌いな俺でもおいしい


そうそう、ちゃんと自転車も修理しましたよ。

というかね、自転車のギアが壊れたと言いましたが、壊れてなかった。
ちょっと針金がずれてただけで、数秒で直せるものだったみたいです。


自転車屋の主人が

これだけ?

って言ってて、なんだか気恥ずかしくなりました。







客引きに「180ペソの宿がダウンタウンにあるよ」と声をかけられたんですが、少し怪しい雰囲気が漂っていたのでやめました。

そしてErendira だったかな? という名前のホテルに泊まりました。

場所はといいますと、
街の中心部あたりにありますクアレ川、こちらの南側を山のほうにつたってもらってですね、
川と中州をつなぐちいさな吊り橋があるんですがその先2つ奥の交差点を右折すると左手に見えます。たしか。
アステカという『世界の歩き方』に載っているホテルのもうちょい先にあるところです。

250ペソと値段もまあまあで、wi-fiが使えるのもよいですね。
なによりスタッフ達がみんなにこやかでやさしいのがすばらしかった。
部屋はとてもきれいという感じではないので、気にする方は一回中を見せてもらったほうがいいと思います。というか多分見せてくれるはず。




観光目的であれもこれもという感じではなく、休暇気分で街巡りしたらすごくリフレッシュできました。



    ↑街並はこんなかんじ



浜辺にはサンドアートが。

クリスマスツリーとプレゼントボックス



これはなにかのキャラクターなんでしょうか。
よくできています。




これに負けじと自分でもサンドアートを作ってみました。








日本風の城を作ろうとしたらこんなことに。






えっと回転寿し 、です…





調子が悪くなったりもしましたが、この環境を盛大に味わいましたとも。

結局6泊くらいしてしまいました。

いやー楽しかったぁ。
もっといたかったくらいです。









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聖火ランナーとのデットヒートと、有り金持ってかれる話

Mascotaを抜け出し自転車に乗って地面を蹴る。

天気はまだ不安定だが、これ以上のんびりもしていられない。

町から出てもしばらく平地が続く。
こんなに平らな道が出てくるのは久しぶりだ。

前に直してもらったギアが壊れているのに気がついた。

これでは一番軽いギアしか使えない。

せっかく走りやすいのに、スピードが出ずにノロノロと進むことに。

    ↑道路から見えた養鶏所


道沿いにあった食堂で、おばさんにポソーレを注文する。

始めは不機嫌で面倒そうにしているそのおばさんを嫌な人だと思っていたが、店を出る頃には手を降り合って別れをつけた。

道路を走っていると、松明をもって走っている集団を発見。

オリンピックの聖火隊だろうか。それとも国か州でイベントごとをやっているのだろうか。


    ↑おわかりいただけるだろうか。松明を持った人が後ろの車から少しはみ出して見えている。

オリンピックとかそういうのはよくわからない。

あまり興味がないから。

聖火をもった人は時折火の上でなにか液体を絞り出している。

きっと消えないようにアルコールかなにかを断続的にかけているのだろう。

夜はどうしているのか気になった。

平地から突然急斜面に変わり、自転車を押し上げていく作業が始まった。

汗だくになっていると、さっきの聖火隊が追いついてきて、わざわざ止まってビニールパックの水を差し出してくれた。

ありがたい。

ただこれ、飲めるの?

それとも冷やす為に使うのかな。

内容量が書いてあるところを見るとおそらく飲めるのだが、調べがつくまで取っておくことにしよう。

しかしこの山道をよくもまあランニングで行けるものだ。

交代交代で走っているとはいえ、この傾斜はきついだろう。



感心する。

この山の頂点を極め、それから急な下りになった。

隣は崖で、かなり怖い。

それとブレーキが心配だ。

削れて効かなくなるかもしれない。



だいぶくだってLa Estanciaという小さな村に到着。

ずっと上りだと思っていたのでここには明日着く予定だった。

予想外に早く進んでいて驚いた。



そこら辺にいたおじさんに話を聞いてみると、


海まであとはずっと下り坂、ホテルはないけどキャンプならどこでもしたらいいよ


ということだったので、村はずれにあったガソリンスタンドに目星をつけ、カフェで少し時間を潰した。



夕暮れになりレストランへ。

高かったので出て行こうと思ったが、小さくすれば25ペソだと言われ、それ+レモネードを注文。



しかしそれがまずかった。
素直に出て行けばよかったと後悔した。

25ペソと言っていたものは実は45ペソで、しかもレモネードも25ペソとめちゃくちゃ高い。

なんだこれは。

もうそんなに金は残っていなかった。

「この人が25ペソと言った」

と言っても通じていないのか聞く耳を持っていないのか、

従業員はにこやかな顔で「残りを出せ」としか言わない。

決着がつかず、財布を見せてこれしか入っていないと言うと

じゃあこれでいいよ、とあっさり料金をまけてくれた。

一応お礼を言って去ったが、怒りは収まらない。

礼なんて言わなきゃよかった、とイライラしながらガソリンスタンドに向かう。

財布はもう空っぽだった。



断られそうになりながらなんとかキャンプの許可が出て、スタンドの陰でテントを張る。

キャンプは楽しさと恐怖が両方味わえるのが、良いのか悪いのか。

ストレスはたまるし体の疲れも抜けにくいが、満点の星空はきれいに輝いているし、見下ろす村の灯りもあたたかく見えた。




    ↑目的のプエルトバジャルタまでもう少し


    ↑よくわからない動物だったので激写。1週間後に道路を横切るコイツの姿を見たが、猿のような犬のような、やっぱりよくわからなかった。




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