- 2024/11/23
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今のところ自転車でなんとかやりくりしつつ 踏ん張りながら だましだまし 時には励まし合い時には喧嘩もしながら一人で世界を旅行中です。よかったらpart2 現地情報ややってほしいこと、知りたいことなどありましたらコメントかメールにて受付中!
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商店の朝は早い。
朝5時ごろから飲み物を大量に詰んだトラックが店の前に止まる。
6時すぎにはお客さんがまばらに入ってくる。
店の前を掃除しているので、邪魔になるかと思いテントを片付ける。
寝ぼけまなこで店の人にお礼を言い、7時に自転車をこぎ始めた。
少し行くとトラックが道路に数台止まっており、彼らが立ちよっているところは小さなスタンドスナック屋。
朝食を食べていないのでそこでエンパナーダ(三角形で皮があるコロッケ)とコーヒーをとることにした。
ムッとした顔のおっさんが隣でコーヒーをすすっている。
気にせずに食べていると、軽食休憩を終えたそのおっさんは支払いをすませてトラックに乗り込んでいった。
そして彼が去ってすぐに「あの人があなたの支払いをすませてくれたよ」とエンパナーダを揚げているおばさん。
ええ!
と大声を上げた。
おごってもらったのにまったく気づかなかった。
教えてくれたらよかったのに。
なんだかちょっと罪悪感。
ここのエンパナーダは米が入っておらず黄色いジャガイモとちょっとした牛肉の筋が入っているのだが、これがめちゃくちゃうまい。
これまでで一番うまいエンパナーダではないだろうか。
おいしいので1つ追加してもらった。
その料金はちゃんと自分で払いました。
そして
ここから地獄が始まることを、
ことのときはまだ知らない。
このあとの道はとにかくのぼっては降り、のぼっては降りの繰り返し。
いくつ山を越えればいいんだよ! と叫びたい気持ちでいっぱいだ。
景色は完全に荒野。
乾燥していて黄色く短い草が生え、サボテンまで出てきた。
この雰囲気、そして風の匂いもなんだかカナダの南部を感じる。
そういえば小学校の授業で南米に2つか3つ草原地帯があると習った覚えがある。
覚えてるのはパンパとプレーリーという名前だが、プレーリーは確かアメリカのほうだったはずだし、パンパはブラジル南部のほうだった気がする。
この地域の気候はなんという名前がつけられているのだろうか。
※今調べてみたら2、3個どころではなく、パンパ以外にもリャノ・カンポ・セルバ・セラード・グランチャコと出るわ出るわ。
そういうのあったなーと懐かしがりながら、でもここら辺の地域にはなにも名称がなかった。
荒野というとても好きな景色なうえ、この日は天気がみごとな快晴。
青空が広がり光が溢れている。
あたりを撮ると写真写りがめちゃくちゃいい。
しかし自転車乗りにとってこの天気はいいとも言えない。
直射日光は体力をずんずん奪うし、飲料水もたくさん必要とするからだ。
そして飲み水が完全になくなってしまった。
数日前にボトルの片方にペプシの残りを入れていたため、ベタベタなので洗うまで使わない様にしていたのがよくなかった。
だって昨日まであんなに村や店が散らばっていたのに、なんでここに来ていきなりこんなさびれてんの!?
水無しで我慢して走り続けるが、一向に町は見えてこない。
汗が止まり、体は体温を下げられずに熱がどんどん上がってきているのを感じる。
これはちょっとまずいかもしれない。
日陰で休憩をはさみながら、ゆっくり進んでいく。
道端で道路脇を掃除しているオレンジの服を着た人を見つけた。
これはチャンス。
とりあえず次の町までどのくらいか聞いてみた。
12kmあるそうだ。
自転車でこの距離だと、自分の足では1時間はかかる。
しかもここはのぼりも多いのでおそらくもっとたくさんかかるだろう。
そこで作戦実行。
水を持っていないか聞いてみた。
と言っても、これは建前。
だってこんなところで長時間働くとしたら、絶対飲み水を持ち歩いているはずだもの。
そう確信しながらのこの質問なのだ。
ちょっとズルい。
向こうにあるよ、と作業員さん。
こうして水をもらうことに成功した。
アクアボトル一個を水で満たしてくれ、それを飲んでいるとまた水をおかわりさせてくれた。
嬉しい。
やさしい。
その上パネーラ(黒糖)ももらってしまった。
それをかじりながら、休憩がてらに彼らとたわいのない話をする。
危機を乗り切り、リフレッシュして走行を再会することができた。
↑あーあサボテンサボテン
急斜面をのぼっては急斜面を降りるを繰り返して、ようやく小さな村に到着。
↑この位置に町はあった。この数値はおそらくパストまでの距離だろう。
そこのレストランで食事をする。
4000円と安い。
↑クレクレと言い寄るネコ。二本足で立ち上がり、太ももをポンと前足で軽く叩く仕草がかわいかった
食後に水を買おうとすると、600mlの袋一個が1000ペソ(45円)もするという。
他だと500~800ペソくらいなのに。
普通だと900~1500ペソくらいのペットボトルのジュースは2000ペソ。
…高すぎない?これ。
町が遠いぶんの送料がかかってしまっているのだろうか。
しょうがないので水だけ買って、また椅子に座って休む。
さっき水分補給せずに無理して進んだのが体にきているようだ。
休憩しても疲れが取れない。
体の元気が出てこないのでコーヒーを注文。
それはおばちゃんがおまけしてくれた。
1時間くらいたっただろうか、重い腰を上げ、自転車を押し出した。
走行しながら村の人と軽く挨拶や会話をかわす。
そのときの話ではすぐにまた町があるという。
よかった、無人ゾーンはこれ以上続いてないみたいだ。
そこまで一気に行ってしまおう。
平地からくだり、ガソリンスタンドを越えて川を越え、そしてのぼり。
そうして一山越えてのぼった先に町を発見。
↑山が見守る町、El Remolino(エルレモリーノ)という名前らしい
次の目的地Pasto(パスト)までの石の距離標を見ると88kmと書かれている。
水をもらった地点がたしかちょうど100kmだったので、本当にジャスト12kmだったということになる。
さすが道路の清掃員さん、道路の清掃をしているだけある。
15000ペソ(680円)の安宿を見つけ、やっと一安心だ。
ここは物価が若干高いがレストランは安めのところも多い。
そこでは食べなかったが、どうやら3500円で料理を提供してくれるところもあるらしい。
道を外れて少し中に入ると若干安めの大型商店もあるみたいだし、なにより嬉しかったのが・・・
最近、といってもボゴタからなので結構前だが、はまっていてたまに買うお菓子があるのだ。
TicTacというミンティアのようなタブレットなのだが、外側が分厚い糖衣でコーティングされており、それがおいしい。
硬いので少し舐めてから噛むと、そこからミントの強い刺激がある。
他にも色々な味があり、ミント以外ならラムネといった感じに近いかもしれない。
他では安いところでも1500ペソ前後しているのだが、ここではなんと1000ペソで買えてしまった。
こんなどれもこれも高いところでまさかこんな掘り出し物があるなんで。
↑個人的にはチェリーとイチゴが好き。
ミントは喉の乾きや腹の減りを少しだけごまかせるし、疲れたときにはスッとした香りで癒してくれて便利
しかしもう持ち金が底をつきそうなので、あまり無駄遣いはできない。
財布が心もとないこんな状態ではたして無事にパストまで着くことができるのだろうか。
まあ大丈夫だと思うけど。
町を一歩外れるとこんな景色が見られる。
この先もっと行くとプールとか火山とかあるらしいよ。
「自然が助けを求めて泣き叫んでいるなんて信じられないことだが、
もっとすごいのはそれを誰も聞こうとしていないことだ」
翻訳するとこんな感じかな。