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となりの国

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スープをおごってくれる国





この日でカルタヘナも最後。

「もう一泊したい」という欲求が心の底から湧いて出てきたが、そこは我慢。

同じくここで長居していた男女3人組も今日帰るそうだ。

彼らは紐を編んでネックレスやミサンガ、ヘアバンドなどを作って売っていた。

一週間以上いたため、泊まり客たちとほどほどに仲良くなり、言葉が通じないなりにも会話するようになっていた。

自転車に荷物をつける。

荷物を軽くするため、旅の最初のほうから持っていたカナダ~アラスカの重い地図をついに手放す時が来た。

ホステルの本棚にそっと閉まった。

誰かに売ってあげようと思っていたが、ここまできたら誰もほしがらないだろう。

ついでにメキシコの地図と地球の歩き方2冊も置いていった。

これらも売れるのなら売りたかったのだが、自分には商売の才能はないらしい。

ザックが軽くなったところでみんなにお別れを言い、出発。



と、いきなり自転車の調子が悪い。

荷物のくくりつけ方が悪かったようだが、それだけではない予感がする。

この子も年なのかもしれない。

引退を考える時期だとしても、新しい自転車を買う金はすでに持ち合わせていない。



南米にやってきて切実に感じていることだが、中米とは比べ物にならないほど暑い。

40℃近くあるのではなかろうか。

外へ出てまだ10分ほどなのにもう全身汗だくで、急速に体力を奪われる。

高い建物がたくさん建っている賑やかな通りを通る。

どうやらカルタヘナの中心地は海沿いのところではなく、もっと内陸側のほうにあったようだ。

車も人も多くてとても走りにくい。



天気雨が降ったりやんだり、空のご機嫌を伺いながら進む。



混雑した街の中を抜けると、今度は上り坂。

かれこれ1ヶ月以上のブランクがあるため、体がすでに悲鳴を上げている。

特に肩と腰。




    ↑遠くにカルタヘナのビルが見える...



結局あまり進めず、次のTurbaco(トゥルバコ)という町でギブアップ。

今日はここに泊まることにした。

通りがけの安そうなレストランに立ち寄る。

なにがあるのかわからないので


「ケ ティエネス コミーダ」
(料理はなにがある?)
と聞くと


「スープでいい?」
と店員が聞いてきた。



値段を確認すると、大振りの”いらない”というジェスチャーで返してくれる。

まさか、タダで食事ができるとは思わなかった。

無償で食事を振る舞ってくれるのはエルサルバドルの西側以来だ。



コロンビア通貨のレートがまだ身に付いていなくて間違って70$のホテルに泊まりかけながら、

安い宿を聞き回って部屋をとる。

安宿と言っても30000ペソ(1500円)もしていた。

そろそろテント泊中心にしようと思っていたが、今日は疲れたし南米走った初日だしゆっくり休みたいし、今日くらいはまあいいか。




    ↑すごい体勢で水を飲むパン屋のネコ



    ↑水配給機。5ℓ800ペソ(40円)らしいので汲もうと思ったら、専用の容器を買わなくてはならないらしい



次の日は昼前に出発。

このトゥルバコは意外にも大きな町だった。

というよりも、今まで通ってきた中米が小さい村だらけだったという可能性のほうが高いかもしれない。

ここからは道もなだらかだ。

アラスカのREIというアウトドアショップで買ったドリンクホルダーは落として割れて捨てなければならなくなったが、それ以外は順調だ。




    ↑途中湿地帯のようなものがあった。空が写りきれいな眺め



通りがけにあったレストランで食事を摂ろうとしたところ、いかつい店員に睨まれながら何か聞かれる。

…全然聞き取れない。

コロンビアに入って訛り、というか方言が変わったらしく、今まで以上に人の言葉が聞き取れなくなってしまった。

たとえば店に寄った時にパナマから「用はなに?」と言われるようになったのだが(スペイン語でなんと言っていたかは覚えていない)、こちらではおそらく同じ意味で使っている a la orden という言葉が飛び出てくる。

ほかにも店を出るときやお礼を言った後などにかけてくれる言葉も変わってしまった(なんと言っているかは覚えていない)。

話を戻すが、

コワモテのウェイターは何も言わずにテーブルに案内してくれる。

そして緑色のスープを持ってきてくれた。

コロンビアでどこでも見ることのできる一般的な牛肉スープだ。

値段を聞くと、昨日の食堂のおばさんと同じく”いらない”のポーズ。

からの、拳をぶつけ合う挨拶。

これには「オレタチトモダチ! アミーゴ!」という意味が込められている気がする。

そして今回はなんとライスと芋付き!!

さらに冷たい水まで出してくれた。

本当に無料なのか心配になったので、コワモテのウェイターにお礼を言ったところ、普通に頑張ってねとねぎらってくれた。

え! ホントにタダなの!?

この国はなんていいところなんだろう。



さらにさらに!

道路の料金所手前にあるトラック審査所(?)では、コーラのペットボトルに入ったピンクのジュースはくれるし(飲むのはちょっと怖かったが、普通のPOSTOBONというジュースだった)、

ガソリンスタンドで水を買おうとすると、ビニールパックの水を1つ差し出してくれた。

チャリダーにやさしい国なのだろうか。

それともアジア人が珍しいからとか、そういうこと?

このように、コロンビアン達にとても歓迎されながら旅は進む。



とある小さな村に到着。


ちょうど分かれ道の境にある村で、そのせいか田舎とは思えないほど車通りが多い。

もうちょっと走る予定だったのだが、気まぐれにホテル(正確に言うと「ホスペダーへ…宿泊施設」と書かれている)の料金を聞いてみた。

12000ペソです。



な、なにぃ!!!

600円で泊まれるなんて、しかも個室で。

これは泊まるっきゃない! と予定を早めて、というか予定という予定もないのだけど、ついついそこに泊まってしまったのだった。



部屋に荷物を入れて一息つくと、ちょうど土砂降りの雨が降ってきた。


よし、運もまだ味方してくれているな。



それにしてもよく雨が降る。
こちらの乾季はいつからなのだろうか。

メキシコは10月からだったのでこっちもそれくらいかと思っていたが、未だに毎日雨が降り続いている。



この場所の名前を聞くと、La Baja(ラ・バハ)と言っていた。

地図がないのでどの辺りなのか検討もつかない。

今はどの程度進んでいるのだろう。




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