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となりの国

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太陽がつきさす夏の気だるい午後は・・・

朝起きるとおばあさんが外で作業していた。

この庭に今度なにか作るらしい。

テントを張らせてもらったところに肥料があったので、畑を作るつもりなのかもしれない。

荷物は手を付けられていないようだ。

テントを片付けて出て行こうとしたところ、朝食を作るから待っててと呼び止められた。

昨晩テントの中で両腕を30ヶ所以上虫に刺され痒かった。

両腕に小さな赤いポツポツが広がっている。

それを見たおばあさんは葉っぱを数枚むしり取り、水で揉みほぐして腕にこすりつけてくれた。

サルディア という名前の植物らしい。



芋料理と油で揚げた小さな肉の塊、それからココアを作ってくれた。

以前にもアルゼンチンのチャリダーがここへ泊まったことがあり、そのときもこのように料理をふるまって写真を撮られたという話を聞き、

それじゃあその習慣にならいましょう、ということでおばあさんの写真を撮らせてもらった。

 

別れ際に

もう一泊しておいでよ、出発は明日でもいいじゃない

と引き止められた。

しかしそうも言っていられない。

少しでも先へ進まなければならない。

お別れを言う。

神様に祈りを捧げられて。

さびしそうな顔でたたずむ姿が尻目に映った。



昨日とは反対に上りがずっと続く。

途中でコーラなぞを買って飲みつつ自転車を押して歩いた。




5kmほど先にいったところでホテルと店とレストランをいっしょにやっている小さな店を見つけた。

そこで休憩。

水を補給していると、椅子に座っていた若い男性が話しかけてきた。

話が理解できていないと分かるたびに大げさな笑い声を上げる。

なぜか気に入られ、

近くにプールがあるから泳ぎにいこう

ということになり、荷物共々そちらへ向かった。

そこは天然のプールになっていて、若い男女が泳いだり談笑したりして遊んでいた。

荷物はみているからそこへ置いて着替えておいでよ。

心配ではあったが、せっかくだし泳いでいくことにした。



水は緑であまりきれいではない。

非常に冷たく、ずっと浸かっていると体が冷える。

そこで陸に上がると、今度は太陽がギンギンに照っていて体を焦がす。

中に入ると寒く外に出ると暑い。

どこかのなぞなぞか!という話だ。

中はヒエヒエ、外はアツアツ、これなーんだ。

水中でバシャバシャしたり水際でみんなと写真を撮ったりしゃべったりしながら過ごす。

ここにいる全員が友達だからな

と言ってくれた。













    ↑この人が最初にプールに誘ってくれた人

いい時間になり、泳ぎ疲れてダルさを感じていたので、さっき水を補給したレストランに泊まることにした。

あそこはホテルも兼任していると書いてあったのだ。



1泊12000ペソ(600円)ととても安い。

だがすごく悪い部屋ということでもなかった。

狭く窓も全解放するか閉めるかの二択を迫られる構造で、扇風機がなかったので暑かったが、それでもこの値段にしては上出来だ。


  ↑中はきれいにされている


    ↑窓からの景色もよかった

料理もそれほど高くなく、しかもすごくおいしかった。




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