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となりの国

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ネットゲームと艱難辛苦





昨夜ネットゲームにはまってしまい寝不足だ。

しかもそこで嫌なことがあって、精神的にも参っている。

自分でもバカだと思う。
なぜ出発前夜にそんなことをしたのか。

負けず嫌いがネットゲーをするべきではないということを学んだ。


そんな調子なのでもう1泊しようかとも思ったが、
しかし考えてみると、いや考えずともこれまで悠長に構えすぎている。

これ以上のんびりしていたらコロンビア出国が間に合わなくなってしまうので、ここは気合いを入れて出て行くことにした。



今日行く道はおそらく山の中。


しかしほぼ直線的にハイウェイへと戻るので、グルッと後退しながらマリニージャへ引き返す道よりは早いはずだ。

地図を見るかぎりではそういう風に見える。

距離にして15kmくらいだろうか。


そして進むべき方向を尋ねながら走り出したのだが、この道は未舗装で砂利道だった。

しかも傾斜が思っていたよりずいぶんキツい。
これは自転車にとっては過酷である。


 
    ↑見晴らしだけはとてもよい

戻ろうか。
しかしここまできて戻るのも心が折れる。
先へ行ったほうがいいのでは・・・



そんなことを考えている間にアップダウンを繰り返し、すでに戻れないところまで来てしまった。


やはり、さっき道を聞いたときに「戻ってマリニージャから行ったほうがいい」と言っていたシスターの話をよく聞くべきだった。


彼女の
神はあなたを見守っていますよ
と繰り返し唱えられた言葉をフラッシュバックする。

そういえば、もうすぐクリスマスだなぁ。


 
    ↑グアタペの岩山も小さく見えた

しかも悪いことに、この道、いくつも枝分かれしていて非常に分かりにくい。
看板なんて気のきいたものなぞ立っているわけもない。


稀にいる住民に聞いたりわずかな交通量をたよりにそれらしき方向へと進んでいく。




    ↑シンプルかつ質素な味のあるバス停。こんなところでもバスは走っているのだ


今のところ寝不足はそこまで体に影響していない。

精神的にかなり不安定にはなっていたが、それが悪路と時間経過の心配を忘れさせてくれた。



地図で見るとわずかな距離だったが昼過ぎにはすでにクタクタのヨレヨレになり、
それでもなんとかSantuario(サントゥアリオ)の町に着くことができた。

これならマリニージャへ戻ってちゃんとした道を走ったほうが早かったかもしれない。



町の入口にあった商店で食べ物を買おうと入る。

するとこちらのクタクタさ加減を見た客がパンとジュースをおごってくれた。

コロンビアに入ってから、多くの人にたくさんのものをごちそうしてもらっている。

それはエルサルバドルの西側とは比にならないほどの量だ。


サントゥアリオのセントロ(中心部)に入ると、その大きさに驚いた。

セントロには大抵広場があるのだが、それがかなり広い。


地図を見た感じ小さな村を予想していた。

しかし実際はオシャレな喫茶店やブティックが並び、高そうなアイス屋が数軒、文房具屋にペットショップなど、多くの店に囲われた広場がそこにあった。


商店街に沿って進んだ先のホテルは22000ペソ(1100円)とあまり安くない。

しかもwifiが繋がらないという。


すでに疲れていたので他を探す気もなく、この一角で一番安いこの宿に決めた。

寝不足のせいか目が充血していて痛い。

まるで出血しているかのように赤い筋が走っていた。


次の日はクリスマスイブ。

体も疲れていることもありクリスマスということもあって、もう1泊することにした。



昨日、自分へのクリスマスプレゼントとして腕時計を買おうか迷ったが、いいと思った日本製のその腕時計は文字盤をおおう部分がガラス製であり、すぐに割ってしまいそうだったのであきらめた。

そこの貴金属店ではこの日もこちらのことを覚えてくれて手を振ってくれるし、ホテルの隣の溶接屋をやっている主人も挨拶してくれる。


 
    ↑トップに使っている写真の教会内部




”町の服”と”自転車で走るときの服”は違う。
町では見た目貧乏そうであり、かつまわりにとけ込める服装というのがベストだと思う。
それに沿えているかわからないが、このときは

E. タンクトップ
E. 長袖シャツ(この辺は曇ると寒いため)
E. ズタボロシーンズ

という出でたち。
ジーンズはそろそろ買い替えたいのだが、なかなか安くていい物が見つからない。



    ↑4階建ての建物が並んでいるところが都会っぽい。まあそこまで大きいわけでもないのだが




この町は芸術家が多いのか、絵を売っている店がいくつか見受けられた。

橋の上でもこのとおり。
見ていて楽しくなる光景である。




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