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となりの国

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いなかの商店街と山中のコテージ

 


水を買い込み先へ進む。

昨日は久しぶりのネットで夜更かししてしまった。

チェックアウトぎりぎりまで部屋にこもっていたとはいえ、さすがに睡眠が足りていない。

最近は早寝早起きが習慣化されてきたところだったのでなおさら体にこたえている。


次の町であるSampues(サンプエス)という町に着いた。

ここもサン・ハシントと同じように土産屋が並んでいる。

巨大な麦わら帽子のソンブレロの像が町の入口に立っていた。

ホテルが数軒あったので値段を聞いてみる。

1軒目は28000ペソ(1400円)。

2軒目は20000ペソ(1000円)。


2軒目はなかなかいいんじゃないか。

しかもネットも使えるし部屋の内装も悪くない。

10kmほどしか走っていないが、ここに泊まることにした。




そして、1泊のつもりで入ったこのホテルに、これから3泊することになる・・・



次の日。

スーパーを探そうと町を出てみる。

ホテルの隣にある商店の人達に呼び止められた。

ホテルを出てから声をかけられるまで、ざっと30秒の出来事である。

どこにいくんだ。

どっからきた。

マリファナやらないか。

などなど


ジュースをタダでくれると言ってくれたが断り、彼らが教えてくれた道を歩く。

少したって、後ろからトラックが通り抜け、止まった。

さっきの人が運転席に乗っている。


乗れよ、という手の動き。

どうやら中心部まで乗せていってくれるようだ。

せっかくわざわざ追いかけてくれたので、遠慮なくトラックに乗り込んだ。

最初は怪しく思っていたが、いい人だ。


中心部には教会が建ち、薬屋や小さな食料雑貨店が立ち並んでいた。

しかしスーパーは見つからない。


教会の隣に大きな揚げ物を売っている人がいたので行ってみる。(写真・中央右側)

このときかなり腹が減ってヘロヘロだったのだ。


調理風景を見てみると、マッシュポテトに人参かなにかを入れたものを白い板状のなにかに挟んで油で揚げている。

白いなにかはなにかわからなかったが、ピタパンのパン生地のような感じでかすかにモチっとしていた。

味はまさにコロッケ。

堅く揚げたコロッケだった。

薄味だがおいしい。


ほかに食べている人の様子を伺うと、ボールに入った白いソースをかけて食べるようだ。

コリアンダーのようなものが混ざっている。

こちらも味が薄かったが、クリーミーでおいしい。

これが500ペソ(25円)というのだから驚きだ。

5、6個食べたら腹がいっぱいになることだろう。

しかしその前に飽きが来そうだ。

中心部の道路を歩いてみる。

決して大きくはないが、活気がある。

人がたくさんいて、店のなかにも客が楽しそうに買い物をしている。

雰囲気が明るい。

昔の商店街を連想させる街並だ。

こういうところは好きだ。


自転車がパンクしていたので修理。

しかし次の日にはまたパンクしていた。

タイヤのチューブが裂けてしまっているようだ。

気温が高いせいか、それとも新しいタイヤがチューブを挟んでしまったのだろうか。


再度修理をしていると、そこのホテルの従業員や土産屋の男女が集まってきた。

色々話をするうちに打ち解け、お土産をもらった。

初めはコロンビアを象徴しているソンブレロをくれようとしていたみたいだが、さすがに高価すぎたのだろう、代わりに小さな毛糸のバッグのキーホルダーと葦のような素材でできた腕輪をくれた。

親切な心遣いに感謝。

そのままこの町を出た。






その先にもまた立派な町があり、ホテルもあったのだがここは我慢。

今日こそはキャンプするのだ。

少し町の中を見てみようと方向を変えて公園方面へと足を向ける。

途中でスイカのジュースを売っている人がいたので、1杯もらった。

ここのジュースはコロコロとした果肉入りでおいしい。

スイカの甘さが口に広がるが、それに反して喉の渇きを潤してくれる。

すべて飲んでしまうと、ジュース売りがこちらを呼ぶ。

そしてもう一杯ついでくれたのだ。

なんていい人だろう。

暑くてすぐに喉が渇くため、2杯目もおいしくいただいた。


ここからしばらくはサイクリングロードがあったので助かった。
車を気にすることがないので非常に走りやすい。

時刻は夕方にさしかかろうとしている。

遠くに雨雲が見え、その上はきれいな青空。

地平線と雨雲の隙間にだけ広がるオレンジ色の空が、まるで夕焼けがそこに落っこちているようだった。

そして写真を撮りまくる。








町のラストのホテルを通り過ぎる。

かなり後ろめたい気分になった。

ここに泊まっておけばいいのに。

そう本能が言っている。


しかし今日はもっと先へ進もう。

うっすら感じる嫌な予感を振り切り、先へ先へと進んだ。


そしてその予感は的中するのである。


晴天から突然スコールが降ってきた。

真上は青空で日差しも差し込んでいるのに。


    ↑よく見て!大雨降ってるから!!

木の陰に隠れる。

隠れたところで濡れてしまうのだが、多少マシにはなるだろう。

ザックからブルーのザックカバーを取り出し、自転車の荷台に干していた靴下をその中へ入れる。

いそげいそげ。


なかなか止まないスコール。


止んだ後はもちろん道路は水浸しの泥だらけ。

いやーこれじゃあキャンプできないよねー。

そういう甘いことを考えながら自転車を走らせる。

ここでブレーキは厳禁。

なぜならブレーキの板が一気に削れて利かなくなるからだ。

直してもらうのも手間だし、自分で直すとおかしなことになってしまうので、できるだけ長持ちさせたい。


ひどい下り道もなく順調に進み、気持ち程度の高原が広がった名もわからぬ山道にポツンとたたずむレストラン兼ホテルを発見。

そこは15000ペソ(750円)と安く、しかもコテージ状になっている。


これは止まるっきゃないでしょう。

だってコテージだよ?

それにこのお値段。

中は狭いとはいえ部屋が一軒になってるっておもしろいし冷房がついてるし、その入口にここの店番が使っているバーベルが置いてある。

こっそり使わしてもらおうではないか。

そんなわけで、このコテージに1泊泊まったのであった。

キャンプはまたそのうちに。




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