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となりの国

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南米の山脈のホンキ





朝起きると体中が痛かった。
筋肉痛ではなく、やはりベッドがかたすぎたようだ。



もう一度景色をじっくり眺めてから、山のうえを目指して進む。




↓つづきはこちら



すぐにレストランが現れたので朝食を注文。



深めのスープ椀に黒いものが出てきた。
なんだろうと思ったら、ココアだった。


時々ほかのレストランでも「コーヒーにしますか、それともココア？」と聞かれていたので、コロンビアといえばコーヒーという思考だったが、ココアも名産品なのかもしれない。

いつもコーヒーを頼んでいたので、この国入って初めてのココアだった。
飲んだ感想は、サラッとしていて豆の香りが強かった。





さて、ここを境に、店や食堂が全然見当たらなくなった。
そして斜面の角度が一気に上がる。
　　　　※店が見当たらなくなったのは下に出てくる次の町からだったかも。記憶がごちゃごちゃになってしまっています。


なんとかこらえてペダルを回し続けるが、しだいに足に負担がかかり息が上がる。
ついには自転車から降りて押すことになってしまった。

軽量ギア やぶれたり。

こうなってはスピードも落ちるうえに、バックパック分の体重を脚で運ばないといけないため、体力の消耗も激しくなる。




　　　　↑自然を利用したプール。使用料は1000ペソか2000ペソ（50〜100円）だったはず。更衣室も備えつき



　　　　↑必死すぎて感覚がないが順調に高さを稼いだのだろう、見渡せる世界がぐんぐん広がる




　　　　↑同じような写真で申し訳ない。だって本当にきれいだったんだもん




　　　　↑雲がいい感じに山にかかっています。すでに同じくらいの高さにいるんだなぁ




　　　　　　↑
前方の峰に町が見えた。
宮殿のような教会が目立っている。



ホテルもいっぱいあり、ここで泊まろうか迷ったが、まだまだ進むことにした。
時間も早いし、体も十分動く。
それにこの辺は下りだったので足を止めたくなかった。



山坂はしだいに勾配を増していき、体力もキツくなってきた。
自転車に乗らずに押し歩く時間も増える。


 



すぐ前方の坂の上に雲がかかっているのが見える。
この先あの雲の中に入らなければいけないらしい。

それまで青空だったのに、一気に天気は雲のなか。



疲れたので前に買った、すでに痛んできている果物（おそらくパパイヤ）を食べる。
食べ終わる頃には雨がふりだす直前まできていた。


早く進まなくては、と自転車を押した瞬間、

オーイ

と後ろから呼ぶ声がした。


振り返ると民家の入口に座っていた女の子達が手招きしている。
雨が降るから雨宿りしていきなさい、と誘ってくれたので言う通りにおじゃますることにした。

それからほどなく、軒の外は大雨に変化。




自転車を物置の中に入れ、家の中で食事をいただく。
ごはんと卵と豆を混ぜた焼き飯は塩加減とうまみがちょうどよく、おいしい。
コロンビアのトルティージャともいうべきアレパArepaもつけてくれた。

飲み物に、とこれまたコロンビアでよく見る茶色のレモネードを、やっぱりスープのお椀で出してくれる。
コップじゃないのね。
たくさん飲めるからむしろいいけど。



　　　　↑ちょうど昼頃だったので助かった。おいしいものを食べると元気が出る




　　　　↑ここではなくもっと前に撮ったものだが、これがレモネード。
スペイン語だと”リモナーダ”になるが、他にも”グアラポ”とか”ラモラード”とか色々な呼び名があるみたいだ。
場所によって味や色が違う。



自転車で山を登っていると言うと、

トラックの後ろに捕まらないの？　なんで？

と聞かれた。


そういえば数日前にトラックの荷台に捕まって自転車に乗っている少年を見かけた。
なるほど、こっちではそれが一般的な自転車での坂の登り方なのか。

この道、交通量が少なそうに見えて実はトラックが非常に多い。
しかしながらなかなか後ろに捕まるチャンスがない。
チャンスがあれば今度やってみようか。




雨が止んだので、これはチャンスとすぐに出発。
しかし視界は真っ白。
ただ今、まさに雲のなかにいる。



道も曲がりくねり、急坂は終わることがない。
いくつか峰を越えたころには脚は限界に近づいていた。

両足がつりそうだ。

メキシコでグアダラハラからプエルトバジャルタに向かったときの道くらい辛い（このときも足がつりそうになった）。
エルバジェに行くときの山道くらい辛い（このときは実際に両足つった）。


休憩をはさみながら少しずつ距離を伸ばしていく。




しだいに天気もよくなりつつあった。




霧が晴れていく。
その眺めと疲れが相成り、夢のようなぼんやりした感覚で野景を見ていた。




やっと村らしいところに到達。
ちょうど見張りの兵士が立っていたので、ホテルの場所を聞きにいく。


ここからちょっと行ったところに小さな宿泊施設（スペイン語でなんというか忘れてしまった）がある。
そこまでは下り道だから楽だよ。
大きなホテルはYarumal（ヤルマル）まで行かないとないけど、そこまではまた坂を行かないといけないね。




　　　　↑ヤルマルまではまだ21kmも登らないといけないらしい。ゲンナリ



一気に坂を駆け下りると店とレストランが数軒ならぶ崖についた。
そのなんとかというスペイン語が書かれたところを訪れてみる。
ここはレストランとホテルと商店が繋がっているようだ。

レストランを営んでいるおばさんに聞いてもムスッとした顔で「わからない」というので、商店のおじさんに部屋をとってもらった。


一晩20000ペソ（約1000円）。
一応値段を下げられないか聞いてみたがだめだった。


狭いがここにはホットシャワーがついている。

コスタリカでもそうだったのだが、高山地帯になるといつでも寒いため、どこもシャワーがホットになるのだ。
久しぶりに温かいシャワーを浴びられそうだ。




さっきの商店で買い出し。
やはり山の上はものの値段が高い。

無表情だがなんだかんだでやさしく応対してくれるおじさん。
親子だろうか、カウンターの中にいるおじいさんがウインクしながら親指を突き出してみせた。



同じところのレストランで食事をとろうとしたが、さっきのおばさんがまたムスッとしながら「値段がわからない」などと言うので面倒になり、別のレストランへ。


今度は威勢のいいおじさんが話をガンガン進めてくれる。
が、料理の値段が高すぎる。
9000ペソのものしかないらしい。


ないの？

うん。

スープは？

ああ、4000ペソだね。



あるんじゃん！


しかし出てきたスープは量が少ない。
テーブルにそれを置いた瞬間、

これとさっきのセットで10000ペソだ！

としつこく売りつけようとするおじさんと料理番の女性。
金がないというと手のひらを返したように去ってしまい、こちらのことを何か言って笑っている。


やっぱりさっきのところにすればよかった、と後悔した。



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