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となりの国

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龍の道

あらすじ

田舎のキャビンホテルに泊まりました in パナマ。

食事処までは少し遠かったので、ホテルについているレストランで夕食。

ここのシェフの質問に「日本から来た」と答えると、

こんにちは と日本語の単語が返ってきた。

そして、ホテルのスタッフ相手に厨房で日本語講座が始まる。

ドウモアリガトウ、は間をあけずに急いでドウモアリガトウと言わないといけないんだよ

などという声がうっすら聞こえてくる。

料理を運んでくれたシェフがたどたどしい英語で

どこの国の人でも(どの言語を話す人でも?)いいけど、あなたの母国語が少しだけわかる人を見つけた方がいいんじゃないかな。

そうしたらイディオムがわかって少しずつでも言葉が話せるようになるから。

と言ってくれた。

そこの料理は本当においしかった。

値段も高いが、それに見合っている。


    ↑注文したメニューのうちの一つ、スパゲッティ。めっちゃうまい



次の日。

朝10時。

体が動かない。

そして非常に眠い。全然寝たりない。

風邪でずっと休んでいたせいで体が鈍っていた。

見ただけで衰えているのがわかるほどだったので覚悟はしていたが、これほどとは。

さすがにこの状態で先へ行くことは考えられず、もう一泊することにした。

いやー、まいっちゃうよねぇ。うふふふ。


ラスラハス、サンフェリと2つの村をまわったりしているうちに時間は過ぎた。



    ↑ラスラハスの中心部はこんな感じ。なんにもない



    ↑ラスラハスのカフェで食事。どこも水は無料なのが嬉しい

そうそう、ここでは2夜ともとても懐かしい人の夢を見た。

最初はメキシコシティで会ったバックパッカーの人だ。

一緒にルチャを見に行ったりした。

後日(このブログを書いている日)のことだが、その人のことがニカラグアで会ったチャリダーの小笠原さんのブログに載っていて、とても驚いた。

驚きすぎて夢に出てきた本人にメールを送ってしまったほどだ。
ちなみに小笠原さんのブログには自分のパソコンからはかき込めなかった。残念だ。

2回目は日本で空手を習っていたときの師匠、というか、何人かいた先生の中の一人だ。

とても尊敬していて、正直この人を目標にしている部分もあったりする。

人生のモデルとなる人に出会えるのはかなり幸運なことだと思う。

夢の中ではこの師匠がなぜか学校の先生をしていて、自分は他の組から見学と雑用をしにきたという設定だった。
すべて給食時間内でのできごとだ。

何か(この「何か」がなんなのかは謎)が上手くできると階級が書かれた勲章が与えられるなど、
先生の自衛隊の経験を生かしたクラス作りをしていたのが楽しそうで、自分も今のクラスではなくこのクラスになりたいと羨ましく思った。

が、夢の中なので自分のクラスなどというものは存在していない。

それを理解しつつ、なぜかこれが夢だと考えられなかった。

それどころか、先生はどうやって自衛隊と先生の両方をやっているんだろう、とさえ思っていた。

生徒達はみんな仲良くしてくれ、かわいい女子もいたりして、楽しい夢だった。

そういえばダビッドでは辛い夢ばかり見ていた。

誰かに追いかけられる夢や殺されそうになる夢。

これは泊まっていた宿に関係しているのだろうか。

そのときの宿は暗くて高い割にそこまできれいではなく、水漏れしていたりしていて不満があった。

それが夢として出てきたのだろうか。


3日目の朝。

空は明るく青空も少し見えているが、イワシ雲が広がっている。

天気予報士が見たら、今日は曇りだと言うだろう。

このあと雨が降るでしょう、とも言うかもしれない。

そんな天気だった。

が、青空が見えているので出発した。

ここにいつまでもいるわけにもいかない。

ここ最近は珍しく朝が早い。

2時間走った朝10:30には、前回のアメリカンチャリダー(ブログを確認したらアメリカ人だった)の二人が教えてくれたグアバラに着いた。

検問所を通って右に曲がる。


    ↑検問所をコッソリ撮ってみた。結果、コッソリすぎてよく見えない



    ↑TOLEのちょい左のところからSONAに向かい、SANTIAGOへと抜けるルート


ここからが本当にキツかった!

ちょっと今回は正直に書きますね。

いや、いつも正直なんですけど、今回はもっともっと。

心と気持ちに正直に書きます。


この道、確かにきれいなんですよ。

でもね、アップダウンがありすぎ!!

しかも最初は地味な道が続くし、店もなにもないし、こっちを選んだことを悔やんだ。

やっと出てきた湖と島も、天気が悪くて悪魔が出てきそうな見た目になってた。

通り雨に何度も降られた。

自転車も軽くパンクしてる。

本当に後悔した。


でね、Nata de tole(ナタデトレ)という町から、町といっても売店とバーが6軒ほどあるくらいなんですが、

ここら辺からやっと店とか家とかが増え出しまして。

もうね、一安心ですよ。


    ↑なんとか昼食にもありつけた

水もなくなってきた時分、これで人心地がつきました。

ってか水汲んどけよって話なんですけどね。



    ↑天気がよくなってきたので撮った川と島






    ↑途中で出てくる家はこんな野性味あふれるものが多い



    ↑まわりは山だらけなのに、どこに船がつくのだろう

人は増えたけどね、でも道は全然変わらないの。

のぼったと思ったらおりて、おりたと思ったらそれ以上にまたのぼらされんの。





なにこれ地獄!!



変わったことといえばですね、景色がめっちゃくちゃきれいだったということです。














すごい。

天気が良くなったせいかもしれませんが、本当にきれいだった。

教えてくれたチャリダーの二人、

「こんな道よく教える気になったな!」

とか思ってて本当にごめん。

こっちきて良かった。






・・・良かった

のか?




道はいまだに龍の背のように上下を続けている。

Jorones(ホロネス)という村に着いてからまた家がなくなり、

体はボロボロ、時間も日暮れに近づいてきた。

だんだんこの道に腹が立ってくる。

どうしてこんなに辛い思いをさせらにゃいかんのだ。

ハイウェイより海に近いんだから、もっとなだらかにしろよ。


くだりの道が来てもイライラする。

どうせおりた分またのぼらされんだろ。

だったら下がるなや。

いっそ平均とってまっすぐにしろ!

怒りで脚を動かす。

しかしそれも長くはもたなかった。 



もうくたくただった。

右手は変に痛いし脚も疲れてよれよれ。

肩も重くて腰がなんだかちくちくする。

「ちくちく」はなんなのかわからないが、とにかくもう限界だ。

いや、限界は超えていた。

限界を引きずったままずっと走っていた。

ここまで来ると怒りは湧かない。

なにも考えられない。

ただ足を一歩一歩進めるだけだった。




Sona(ソナ)という大きな街まで一気に行くのはさすがに無謀だった。

最初から届かないだろうとは思っていたので、適当な村でキャンプしようと思っていた。

しかしその”適当な村”がない。

辿り着けない。
ゆっくりでも足を進めるしかない。




    ↑顔を出した太陽の光が山の輪郭を浮かし出す



    ↑疲れているが眺めは非常にいい




やっとの思いで辿り着いたEl Maria(エルマリア)という小さな小さな村。

よかった。

これで夕食もありつける。



と、売店に行きました。

食べ物はない、と言われました。



いやいやいや、あるでしょうに。

なにかさぁ。

・・・なにもないそうで、ソナに行かないと食べられないらしいです。








絶望。

の一言だよね。



でもなんとかパン一個は売っていたので、それを買ってボケテで買っておいたピーナッツバターとイチゴジャムを付けて食べました。

ジャムがあるならパンも買っておけよ、と言われるかもしれません。

ごもっとも。

でもね、どこにも入らないの。

鞄がもうパンパンなの。

なんとか空腹、もとい飢餓状態を脱したのち、売店のおじさんにキャンプの許可をもらってテントを張りました。

寝床が見つかってよかった。

寝心地は良かったのですが、なぜか体中が虫にさされていました。

テントの中にダニでもいるのかな。




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