- 2024/11/22
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今のところ自転車でなんとかやりくりしつつ 踏ん張りながら だましだまし 時には励まし合い時には喧嘩もしながら一人で世界を旅行中です。よかったらpart2 現地情報ややってほしいこと、知りたいことなどありましたらコメントかメールにて受付中!
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↑窓から見える海賊旗
ここからは多少音楽の話が増えると思います。
環境が環境だけに、出来事の多くが音楽関係になってしまうのです。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
このミアミホステルに新しい人が入ってきた。
スウェーデン人のロアさん。
年若くイケメンの看護学生だ。
素朴な顔立ちで、顎には短いひげが生えているが皮膚と同じようなブロンズの毛色をしているためあまり目立たない。
人と抵抗無く積極的に話しができ、人柄がよい好青年だ。
彼はギターができると言っていたが、弾いてほしいと頼むと また今度 と断られてしまった。
毎朝クラリネットを練習しているジローラモ似のオクタビオさんから、基本的なコード進行と数ジャンルの一般的なコードを教えてもらった。
これができれば自己流で音楽が奏でられるという。
彼もオリジナルの曲をいつも弾いているようだった。
ずっと思いとどまっていたが、今日こそは人のいるところでオカリナを吹いてみようと意を決し、夕方に街中へと繰り出した。
5 de Mayoという人通りが多いところの小さな広場にやってきた。
↑そのすぐそばの通りの光景
まわりにはベンチで休んでいる人や立ち話をしている人で一杯だった。
とりあえずここで吹いてみようと、メキシコで買ったカウボーイハットを目の前に置き地面に腰掛ける。
オカリナ一吹きで目の前にいた数人が逃げ出した。
……えぇ!!
そんなにか!?
正直もうやめたかったが、他の人たちは特になんのリアクションも見せなかったため吹き続ける。
吹ける曲をあらかた吹いてみた。
帽子の中身は・・・・・・・・・・・・・・・・・カラッポ!
肘を虫に刺されただけで終わった。
短い時間だったが、やはりこんなもんだろう。
オクタビオさんに言わせるとパナマシティは場所が悪いということだった。
でもやっぱりまだ演奏がヘタだというのが一番の原因だろう。
それと今回吹いてみてわかったことがある。
まず、吹ける曲一つ一つが短すぎた。
ある程度の長さがないと通りすがりの人が聞き始める前に終わってしまうので、引きつけることが難しいらしい。
それからマイナーな曲しか吹けないのもよくなかった。
もっと皆が知っているようなもので、かつノリの良いものも混ぜていかないとダメなのかもしれない。
つまり全体的に選曲がダメだったということだ。
それと、オカリナだけでは音が少なすぎると思う。
プロ並みにうまければ単音でもいいだろうけど、一般人の演奏ではさびしすぎるし盛り上がりに欠ける。
誰か他の演奏者をつれて一緒にやるなり、パソコンとアンプを繋いで音源を入れるなり、なにか工夫が必要なようだ。
メキシコのトルーカの町で見たパンフルート奏者もコンピュータで伴奏を流していた。
そこで考えたのが、まわりの音を利用するというものだ。
ラテンアメリカでは音楽がそこら中で流れている。
現に今日吹いた場所でもどこかの店で流していた大音量の音楽が漏れ聞こえていた。
とっさの閃きで、響くドラムの重低音なリズムに合わせてアドリブで吹こうとしたが、そううまくはいかなかった。
これができればかなりいいところまでいくのではないだろうか。
慣れと練習が必要だ。
今回は大変勉強になったが、ただ、大勢人がいるところで吹くのはあまり楽しいものではなかった。
お金が入っていたら楽しいと思えたのかもしれないが、それもただの”成功した喜び”だけであって演奏自体が楽しいわけではない。
なんというか、吹いていてなんだか独りよがりな気になってしまった。
やっぱり一人で吹くのが性に合っているのかもしれないな。
そう思いながら、正直かなりへこんだ。
オクタビオさんはどんな風にパフォーマンスしているのだろうか。
今度連れて行ってもらうことにしよう。
その話はまた次回。
朝起きると、隣の部屋からギターの音色と歌声が聞こえてきた。
ロアさんが歌っているようだ。
ギターもなかなかうまいが、特にその歌声が素晴らしかった。
よく通る声で声量も出ていて、テクニカルな歌い方をしていた。
歌っていた曲はthe tallest man on earthというスウェーデンのアーティスト。
ロアさんはこのアーティストの大ファンだという。
伸びやかな表情で歌うロアさんはとても楽しそうだった。
同日、久しぶりにハーモニカの練習をしようと、キッチンの隣のスペースで軽く吹いてみた。
するとロアさんが「いいね」とかなんとか言いながら、その音を聞きつけてやってきた。
サッと取り上げられ華麗にハーモニカを吹くロアさん。
ベンドという音を下げる技法も完璧に身につけている。
ロアさんもハーモニカを持っているがあまり質のいいものではないらしく、そのハーモニカではベンドができないらしい。
かなり羨ましげにしていたのであげようかとも思ったが、自分も吹きたいのでさすがにそれはできなかった。
ロアさんにベンドの仕方を少し学ぶ。
たった数分間の講義で吹けるようになるほど簡単ではないのだけど、生で音を聞いていたら少しだけ吹けるようになった気になった。
路上でオカリナを吹いてきた話とか、メキシコ人のオクタビオさんの後についてアコーディオンの路上パフォーマンスを見に行ったりとか、
色々面白い話があるのだけど、
今日はそれらを書く前に、ここから南米へと向かうルートについて情報が入ったのでそれを書いてしまいたいと思います。
聞いた話によると、サンブラス諸島をまわるボートは安くても370$くらいらしい。
自転車を載せる場合はおそらくもっとかかるだろう。
実際乗ったチャリダーの話では500$〜600$かかったという。
コロンに行けばもっと安い所が見つかるかもしれないがわからないということだ。
たぶん交渉しだいという形になるだろうから、スペイン語を話せない自分はかなり不利だ。
それから、コロン発のフェリーは10/27からスタートらしい。
あと22日くらい待たなくてはいけない。
それとは別に、太平洋側から行くボートもあるらしい。
受付はこのホステルの近くにあるらしく、3回ほど乗りかえて合計100$ちょっとで行けるそうだ。
行き先は都市カリの近くのBuenaventura(ブエナベントゥーラ)。
国境はJaque(ハケ)というところを通る。
この場合、南への近道となるが、カルタヘナなどの町は戻らないと行けなくなる。
その辺はかなりきれいだと聞いているので、できれば行ってみたいところだ。
飛行機を使う場合は、そのまま直接都市部へ行くよりも国境付近のパナマ側の空港で
一度降りて、そこからボートでコロンビア入りするのが一番安いらしい。
値段は120$。
自転車持ちの自分はできるだけ飛行機は使いたくない。
ということで、道は3つ。
・格安フェリーが出航し始めるまでここで待つ
・さっさとパナマを出て、サンブラス諸島をめぐりつつ南米入り
・太平洋を渡ってさらに南へ
フェリーを頼る場合は少なくともあと22日ほど待たないといけない。
宿代だけでも220$。
さらに食費が、頑張って抑えても1日10$かかるとして計330$。
おそらくもっとかかるだろう。
これはかなりの出費だ。
心配していた滞在期間はどうやら杞憂だったようだ。
メキシコ人のオクタビオさんが、
「入国時に2週間と言われたけど、期限を延ばそうとしたら確認もせずに半年有効だと言われた」
と言っていた。
「メキシコでそうなら日本だったら絶対大丈夫でしょう」
とのこと。
さて、どうしたものか。
このまま滞在してもいい。
やることはたくさんあるから。
動画を作らないといけないし、ここは宿内で楽器を演奏できるので、パソコンを見ながら聞きながらの練習も可能だ。
これはかなり好都合。
ただ、金がもう無くなってきているので、そこが辛いところだ。
どうにか工面できればいいのだけど、どうしたらいいのかわからない。
どのルートが最適なのだろうか。
今はちょっとわからないので、ホステル暮らしをちょっとずつちょっとずつ延ばしているところだ。
そうそう、エルバジェ手前で別れたメキシカンチャリダーは、パナマシティのどこかのホステルで働いているらしい。
給料は出ないがタダで泊めてもらっているらしく、10月の終わりまでここにいるということだった。
それとパナマ鉄道についてホステルの人たちに聞いてみたが、誰も知らなかった。
トラベルインフォメーションに聞かないといけないかもしれない。
これらの情報がそろう数日前、
てっきりすぐに出発できると思っていた自分は出発準備の買い出しに行っていた。
↑スーパーにはすでにハロウィングッズが並んでいた
↑必要なものを揃える。余計なものを買いすぎたかな
自転車屋が見つからないのでキャリアバッグはどうしようもない。
ブレーキなどは向こうに渡ってから直すことになるだろう。
関連記事↓
中南米を繋ぐ格安フェリーができたんだって!
ferry xpressまとめ
もしなにかパナマシティで知りたいことがあれば早めに聞いてください。
現地でできるだけ調べてみます。
今日は高層ビルが並ぶ中心部へ行ってみる。
もともとはこのミアミホステルではなく、もっと中のほうにある「ボイジャーインターナショナルホステル」というホテルに行くはずだった。
そこには南米コロンビアへと渡るボートの情報があり、料金もドミトリーなので安いという話があったのだ。
しかしそれは5年以上前の情報なので、今はどうなっているのかわからない。
そこで、ちょっくら覗いてみようということになった。
安くていい所なら、そっちに宿を移すかもしれない。
自転車にまたがり、ホテル近くの商業地区から中心部へと向かうセントラル通りの入口に入る。
ここまでは以前歩いて下調べ済みだ。
が、そこから道が複雑で、どれがその道路なのかわからない。
適当な通りを行ってみると、パナマシティ入りしたときに高台公園をグルッとまわって戻ってきたあの高速道に出てしまった。
ここは違う。
とりあえず弁当でも買って落ち着こう。
1$ちょっとで買える弁当を持って近くの公園のベンチで昼食。
腹も満ちたところで、戻ってその隣の道路に入ってみる。
ここがそれっぽいが、人が多く道も狭く露店も多いので、自転車では非常に通りにくい。
そこで、ここと平行に走っているであろう一本隣の道を通ることにした。
そこは今泊まっているスラム街よりひどかった。
元は立派だったであろう背の高いアパートはボロボロに朽ち果て、まわりの人々はこちらを見るや
「おいこっちこいよ」
「What's up man!?」
と声をかけてくる。
さっさとその通りを抜け地図を確認すると、たまたま歩いていた兄ちゃんが親切にも道を教えてくれた。
それに従い道路を走る。
途中からカーブがありどんどん方角がずれていっているような気がしたので、道をクネクネと曲がって進んでみる。
海岸沿いに出てしまった。
中心部はそこより少し内陸側にある。
しかしこのコンクリートジャングルにまた入るのははばかられたため、ちょうどぶつかった公園のベンチで鳥を観察し、帰ることにした。
用事があったらまた来よう。
黄色い鳥がここ↑にいるのがわかるだろうか
↑中心部はこんな感じ
↑まわりのビルがガラス張りのビルに映って歪んで見える(写真中央)
海沿いをずっと行けば帰れるだろうという目論みはみごとに当たる。
大きな通りをずっと真っすぐ走ると、見覚えのある通りに出てくることができた。
途中で日本の国旗とパナマの国旗が並んで書かれた建物があった。
mercado de marisco ー 海鮮市場と書かれている。
日本が金を出しあってこの市場を作ったのだろうか。
入ってみようか迷ったが、荷物を積んである自転車があるのでやめた。
帰りにソフトクリームを買ってみる。
50円。
見た目はてかてかしていて一本が太く、生クリームたっぷりのふわふわな触感のように見えるのだが、
食べてみるとずっしりとしていて食べごたえがあった。
香料の香りが強く、一昔前の日本のソフトにもうちょっと手を加えたような感じの味だった。
すごくおいしいというわけではないが、普通に食べれる。
そろそろ出発の支度をしなくてはいけない。
古道具屋に数千円の釣り竿を見つけたが、使い方がわからないので今は買わなくてもいいかな。
どれがいい竿なのかもよくわからないし。
その前に路上でオカリナを吹いてみたい。
自転車バッグは…
今はとりあえずカラビナでなんとかなっているから、まあいいか。
※少し修正しました。
街の散策に出かける。
最近やっと地理を理解してきたのだが、今住んでいるこの辺はCasco Viejo(カスコビエホ)地区というところらしい。
某有名ガイドブックには
「カスコビエホの周辺は治安が悪いので、観光スポットを外れないようにね☆」
と書かれていたので、ここに来る前は注意しようと思っていたのだが、まさかそのまっただ中に来ることになろうとは。
ホテルのまわりはボロボロだが、少し歩くと建物が一気に近代的になる。
新しい建物が次々と建ち、古い建物は順番に補修工事しているようだ。
レンガの敷き詰められた道路は明るい赤褐色があたりを彩り、そして滑らかで歩きやすい。
そのうちホテルの周辺も工事が入るのかもしれない。
そのまま真っすぐ行くと、海の見える広場に出た。
↑ホテルはこの辺 ↑広場はこの辺
海沿いは高台になっており、そこに並ぶ露店にはたくさんのお土産品が並んでいた。
ここで、
あーここは観光地なのだな
と一安心。
観光地だと殺人のような重大な犯罪はおそらく少ないだろう。
スリや強盗は多いかもしれないけど。
高台から下に降りる場所があったので階段をくだってみる。
背の高いモニュメントが建っており、まわりを取り囲むように銅像が並んでいた。
このときは知らなかったが、どうやらここは「フランス広場」という名前のところらしい。
観光客風の人たちもちらほらと歩いている。
↑トイレ缶? 犬のフンをどうにかするのだろうか
フランス広場の上からは、都市部の全景と海を見ることができる。
↑摩天楼が並んでいる。その手前の橋は、パナマに入る時に通ったあの道路の続き(自転車通行不可)
↑ものすごい都会だ。あそこ行きたくないなぁ…
フランス広場のすぐそばに フォーエバーヨーグルト というアイスクリームショップがあった。
中はカラフルなトッピングやアイスにかけるソースでいっぱいで、お菓子の家のようだった。
↑ここから自分でアイスをよそう。真ん中のレバーをひくと左右二つの味のミックスで出てくる
↑チョコスプレーなど細かい系のトッピング
↑カットフルーツなど大物系のトッピング
↑重さで料金が決まる。値段は高め。ダビッドのアイス屋のほうが安かった
オススメはライム味で、さわやかな酸味があり食べやすくておいしかった。
上品でイカした味だった。
帰りにオシャレなカフェに寄り、フラペチーノを買った。
値段はけっこうするが、なかなかおいしい。
が、オレオを混ぜるのは味がくどくなり舌触りもよくないのでちょっとやめてほしい。
↑建物跡がいくつも見られた
フランス広場とは違う方向、
ホテルから近いところに商店街がある。
いつも大勢人が入っているカフェは、料理はちょっと高いがカプチーノがおいしい。
1.55$で、泡立てたミルクを上にのせてシナモンパウダーをかけてくれる。
ラテアートができそうだ。
持ち帰りでよく頼む。
いくつも並んでいる食堂では、2〜3$で安く料理を食べられる。
量も決して少なくないので、なかなか使い勝手がいい。
店で働くおばちゃんと少し談笑したりしながら肉を甘辛く似たカルネギサード(carne guisado)、もしくはスープ(sopa)をいただく。
そこから続いている人気の多い広い道路をまっすぐ行けば、中心部へと続く道路と交差する”5 de Mayo”(シンコデマジョ)というところに出るようだ。
”メトロ”という文字が書いてある入口があったので、地下鉄が走っているのかもしれない。
普通の買い物程度ならそこまで行かずともこの商店街で事足りる。
↑商店街の広場。浮浪者も多い
夜の9時ごろ、腹が減ったのでこの商店街へとやってきた。
しかしこの時間である。
食堂はどこも閉まっていた。
後ろから、発泡スチロールでできた大量のコップを台にのせて歩いている人たちがやってきた。
そのコップを道にいる浮浪者たちに配っている。
彼らはのんびりとそのコップの中身を食べていた。
観察してみるが、金を払っている様子はない。
配っている人に近づいて、マジマジと見つめていると
欲しいのか?
と聞いてきた。
うんうん頷く。
すると、大きなコップに入ったスープ、それと薄めの味のジュースをくれた。
米と豆が底に沈んでいて、一口サイズよりやや大きい鶏肉とポテトのような冬瓜のような野菜が入っている。
茶色とも緑色ともとれるそのスープを飲み干す。
ダシがよく取れていておいしかった。
この日は無料で夕食がすんでしまった。
帰路を歩く。
このスラムに住む住人は楽しそうに笑いながら立ち話をしている。
親ネコは子ネコと一緒にゴミをあさり、果物を夢中で食べている。
騒ぎながら走り回ったりボールを蹴ったりしている子ども達。
十字路で朝から晩まで立って見張っている警官。
それが、ここを離れがたくしている理由のひとつである。