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となりの国

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マンゴスチンジュースは手の届かぬ存在、Mariquita




オンダから今日はマリキタという町を目指す。

昨日ケチってスープしか食べなかったからか、今日は調子が出ない。

体が重くてなかなか自転車が先に進んでくれないのだ。


    ↑それに反しオンダのロータリーには健康的な像がたてられている。カヌーの選手の像だろうか



    ↑マリキタはそんなに距離が離れていない



スピードも乗らず腹も減ったので、道路の横に簡易的に作られた風な店で、フルーツがぶち込んであるジュースを買う。

2000ペソ(100円)だった。

内容物はバナナやパパイヤ、パイナップル、スイカなど。
入っているカットフルーツもおそらく同じメニューだろう。

これがなかなかおいしかった。

水分補給とビタミン摂取に便利そうだ。

そこのおっちゃんは気前がよく、「ジュースだけどうぞ」と一度飲んだコップに注いでくれた。
8割くらい入れてくれただろうか。
しかもジュースだけ入れるのは難しかったのか、実もたくさん入っている。

これがサルピコンという名前らしい。

かわいい名前。


    ↑salpicon看板があちこちに立っていたので、このへんの名物なのだろう


近くにあった店では、なんと [ マンゴスチンのジュースアリマス ] の看板が!!



マンゴスチン!

あの1つの果実の中にちょっとしかない白銀の実の部分を贅沢にもジュースにしてしまうなんて!!!!

あぁ、マンゴスチン・・・



期待に胸を膨らませながらその店を覗いてみると、なんと一杯7000ペソ(350円)もするらしい。


それだけで高めのごはんが食べられるぞ…。


さすがに高すぎなのであきらめることに。

せっかくだから飲んでみたらよかったかなぁ…なんて思いながら店を後にした。



マリキタの町入口にあったレストランで食事。



高そうな店の見た目とは裏腹に、料理がスープや飲み物などすべてセットで5000ペソ(250円)と割安だった。
さっきのマンゴスチンジュースより安い。
しかしそれ以外のメニューは総じて高かったのだが。


嬉々としてそのお安い料理を注文。

そこにはディサユノ(朝食)と書かれていた。
現時刻はあきらかに昼のため、本当は注文できなかったのかもしれないが、店員は笑顔で了解してくれた。



この店の人達はとても丁寧で本当に優しく、すごく好印象だった。

料理も非常においしく、自分にしては珍しくチップを払おうと思ったほどだったのだが、今度は彼らから「お代はいらない」と言われる。


「疲れたでしょ?」
と。



くぅ〜、なんていいところだろう、ここは。

誰かマリキタに行く人がいたら、よかったらこの店に行ってあげてください。



    ↑こんなについて250円!



    ↑フォンダ・キンディアナという名前の店



    外から見るとこんな感じ


まだ昼なのでこの町を素通りしてもう少し進もうかとそれまでは考えていたのだが、この出来事がきっかけになりこの町に泊まることが決定。
はい決定。



すぐ近くにあったホテルへ直行。

値段は高めの25000ペソ(1250円)だったが、ネットが繋がりスタッフもいい人達ばかりだったので気に入った。

部屋もかなり広い。




この後、町の奥へ行ってみるとホテルがズラズラっと並んでいるのを発見。

同じ値段でもっと良さそうなところや、もっとずっと安そうなところもあったので、余裕がある人はあせらずにじっくり選んで決めるのがいいでしょう。

自分はそんなに後悔してませんけどね。




マリキタはかなり発展しているようだった。

土地面積は小さいが、多くの店が一つの通り上にギュっと固めたように集まっていて、そこだけ見れば都会とまではいかないまでもかなり大きな町であるように見える。

数日前に訪れたビジェータも同じであった。


地図で見ると主道路の端っこにちょこんと町名が置かれているだけなのだが、やはり実際に目で見てみないとわからないことっていうのはたくさんあるようだ。




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今日は一人チョコ祭り

グアドゥアスを出ても山をおりる形になることもなく、まだまだ標高を稼ぐことになった。

天気は曇天。

雨が降る前に早く進みたいので、傾斜が急すぎてベダルを踏めないところ以外は押し歩くのを我慢し、がんばって自転車をこぐ。

 


数km進んだところ、下り坂に変わって悠々と降りていったあたりで、どこかの飼い犬が吠えながら近寄ってきて足を噛まれた。


いつもは吠えるだけ吠えて噛み付いてくる犬は少ないので油断した。


靴の上からだったので傷一つなかったが、”狂犬病”の言葉がしつこく脳裏によぎって不安になる。

おそらく大丈夫だと思うが、念のため靴を脱ぎ石けんで足を洗う。

噛んできた犬に一発お見舞いしたいところだが、面倒なのでさっさと行くことにした。

しかし本当に腹が立つ。

靴に強力な電撃を仕込めればよかったのに。

下りを降りていくと、あるところを境に霧に包まれる。

雲に入ったようだ。

「これは雨が降るな」と構えると同時にポツポツ降り出してきたので、たまたまあったレストランに避難。

すると激しい雨が降り出してきた。

まさにスコールだ。




そのレストランの椅子に座り、カフェオレをもらってゆっくりくつろぐ。

店にはバイクに乗った人たちが何組も雨宿りしにきては一息つき、雨がゆるんだときを見計らって出て行く。

だがしかしその後すぐにまた激しい雨になるのを店内で眺めながら、濡れてしまったであろう彼らを気の毒に思った。

昼になり昼食を頼んでいる人を羨ましげに眺める。

ここで頼んじゃおうか、

そう考えていたときに店員さんがこちらへ来て、

「スープはいかが?」

それぞれの食事の値段を聞き、それではワンプレート料理を頼もうとしたところ、どうやら”スープをサービスで出したい”と言っているようであることがわかった。


なんて嬉しい話だろう。

はい、もちろんもらいます。

とてもおいしいスープだった。

2時間くらいで雨が一度止んだので出発。

さっきの店員さんは、なんとコーヒー代すら受け取ってくれなかった。

ああ、コロンビアはいいところだなぁ。

そのレストランの先から下りが続くのだが、またしても雨が降り出す。

しょうがないので強行突破。

荷物が濡れるのが気にかかるがどうせ小振りなので、ごり押して行くことにした。

2kmほど進むと雲を抜けたようで雨はピッタリおさまる。

しかも晴れてきた。

標高も徐々に下がったようだ。
気温の上がり方が尋常じゃない。

アップダウンを繰り返しながらHonda(オンダ)という大きな町に着くころには暑さで疲れてしまった。



自分は暑いところはあまり好きではない。
暑い中で自転車に乗っていると汗をかきすぎるからだ。

汗をかくと飲み物が大量に必要になり荷物が増えてしまう。

それに汗の処理が大変なこともある。
そのままにしていると体温が下がり風邪を引いたり腹痛になったりするし、なにより気持ちが悪い。
服の洗う量が増えるのも問題だ。

ある南極冒険家(北極だったかもしれない)もテレビで言っていたのだが、
あまり汗をかかないようにするのが旅をするときのポイントのようだ。

かといって暑いところでは汗をかかないと熱中症になるので、
体に熱を保持しすぎないようにする
というのが正しい言い方だろうか。

たとえば体に触れるものを減らすとか、一定のペースを越えないようにするとか、通気性をよくするとか、そういうことだ。

飲量を減らすなんてのは論外。

倒れてしまったら人に頼るしか対処しようがない。

〜〜〜〜〜〜〜

見覚えのある大きな橋のあたりで安ホテルを探しまわる。



安いところはどこもネットは繋がらないらしい。

wi-fiという言葉が通じない時点でお察しである。

結局最初に入った15000ペソ(750円)のところに決めた。

最近ホテルが異常に安い。



オンダはあまりきれいな町ではなく、そんなに好きではない。

もっと中心のほうに行けばきれいなのかもしれないが、この日は疲れていて見に行く気にはならなかった。

だからあまり街中を歩かずに近場で過ごした。



町はきれいではないが、道でスープを売っていたおばちゃんや商店のおばちゃんがとてもフレンドリーだったこと、チョコレートが安く売っていたことは賞賛に値する。

いや、絶賛と言ってもいいかもしれない。特にチョコ。


まあもっと安かったところは他にあったのだけど。




この日は久しぶりに大好きなチョコレートを買って一人チョコ祭りとなった。


 チョコ祭りの概要:チョコを食うだけ





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偽グアドゥアスと真グアドゥアス



ビジェータを出るとそこは、山だった。

今までの行程が嘘のようにのぼり坂が続くようになった。

しかも下りはおろか平たんな道さえない。

一切の猶予も与えられない。


    ↑こんな道がずっとつづく…


このブログではよく”のぼり坂がどう”とか”下りでどう”とか書いているが、正直そう言われても自転車で長距離を走ったことのあるひとじゃないとピンと来ないと思う。

今までなかなかそのシンドさを表現できないでいるので、今回どの程度のものなのかをちょっと書いてみる。

「のぼり」と書いてあったら、マラソンの中盤、もしくは小学生のときの遠足の帰りほどのキツさだという認識でいいと思う。

足や太ももが痛くなってきて息も切れる。

辛いけど逃げ道がない。

やめたくても最後までいかないとどうにもならない。

そんな感じ。





    ↑坂の途中にいたタランチュラ的ななにか。脚の途中から毒々しい赤、道には短い毛がびっしり生えている



とにかくのぼる。

町を出た際、看板に「30km先にGuaduas(グアドゥアス)という町がありますよー」と書いてあったので、それを目安に今日は進もうと思っていた。

4時間は経っただろうか。

ひたすら上を目指すと、店やホテルが並んでいるところに来ることができた。

ここがグアドゥアスだと村人は言う。

それにしては小さすぎるな。

地図には教会のマークが書かれていたが、ここにはそのようなものが見当たらない。

たとえて言うなら、トラックが休憩に使う宿泊街道という感じだ。

ホテルを見て回ると、15000ペソ(750円くらい)という安値で部屋があったのでそこをとった。

鍵がないからドアを開けておけと言われたのでちょっと不安だったが、終日何事もなかったのでよかった。

そこの宿のおばさんがかなり優しくて、コーヒーをごちそうしてくれたり声をかけてくれたりしていたので、ちょっとボロいところもあるが好印象の宿だった。

使ったシャワーの水が室内まで侵入してこなければもう一日泊まってしまったかもしれない。

____________

翌日。

宿の近くの店で、ガラスのショーケースに入っていたソーセージを朝食として注文。

これに吹かし芋がついて2500ペソ(125円)とお手頃だったが、さらにマグカップに入ったスープもおまけでつけてくれた。



山の上にある店というのは値段が高いことが多いが、こういう粋なサービスを大胆にしてくれることも多いので好きだ。


もちろんボッタクリの店もあるのだが。

近くで見張りをしていた兵隊たちと話しながら、ソーセージセットとスープを食した。

ここを出てすぐに見えた看板には「Guaduas 15km」の文字。

…やっぱりここはグアドゥアスではなかったようだ。

ということは昨日は15kmほどしか進んでいないことになる。



昨日はかなりがんばったのになぁ…

宿でパソコン内のムービーを見返していたところ、この道はボゴタへ来るときにトラックに乗せてもらって通った道と同じだということに気がついた。

ムービーのなかで運転手が「ほら、あそこがグアドゥアスだよ」と教えてくれていたのだ。

そのときは走行中のトラックの中だったためじっくり景色を観賞できなかったので、今回はゆっくりみてやろうと思っていたのだが、あいにくの霧。

まったく見えない。



コロンビアに入ってから5ヶ月が経過したが、これまで天気のいい日が続くことはあまりなかったような気がする。

いつも昼や夜に雨が降ってきたりして、晴れる日もあるのだがそれが続くことが少ない。

コロンビアには雨期や乾季はないのだろうか。



    ↑20m先さえ見えない霧、というか雲



そんなどんより天気の中、小さな店で中にキャラメルクリームが入ったおいしいクロワッサンとミニコーラを貰ったり、強い雨が降ってきて雨宿りした店の人とちょっと仲良くなりながら坂をのぼったり下ったりしていくと、ついに見えた本物のグアドゥアス。



まだ時間が早いのでもう少し走っていこうと先へ進む。

しかしそこからもまだまだ激しいのぼりがあり、店もなくなる様子だったので、引き返してホテルへ直行した。



ここも15000ペソと安い。



ついでなので町を歩き回ってみた。



腹が減ったのでカフェでイチゴのムースを注文してみる。
ちゃんとミキサーにかけた生のイチゴが入っているようでおいしかったが、味がくどくて後半は飽きてきてしまった。



教会はまあ普通だ。



教会のすぐ横の通り。
中心部は観光者用の店が多くて値段が高いためか町の人があまりいなくて、ちょっとはずれた脇道っぽいところにたくさん買い物客がたまっているという一風変わった光景があった。


 
ここの屋台の食堂はかなり安くて重宝した。
味もまあまあいける。



このように少し外れると、
肉屋、八百屋、服屋、食堂、床屋などなど、町民向けの店でごった返している。
下町みたいで楽しかった。



次の日は朝から雨が降っていたのでここにもう1泊した。




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ここから雲の中/カラフルかき氷





モスケラの宿を出ていったのがたしか昼ごろ。


それまではまわりの景色は家が並ぶ町だったり工場風の広い土地だったりが広がっていたのだが、
ここから一変、山道に変わる。

木々が生い茂り道が狭くなる。

しかし起伏は平たん、もしくは下りが多く、

それはもう順調に、そして単調に、先へ進むことができた。



    ↑ロータリー看板の町の名前がものすごく多い。迷いそう



    ↑なんだかかわいい建物。カービィかヘーベルくんに見える

マドリッドという小さな町の横をすり抜けた。

いつもなら必ずよっていってフラフラッとしてササッといなくなるか、気に入れば泊まっていくところなのだが、今はあまり時間がない。

出国期限がジワジワと迫ってきているのだ。



だからあまり時間をかけずにマジメに走ろうとがんばっている。

ほら、だから最近写真も最近少なめだったでしょ?




    ↑長いホースで水道水に使っているようだ



いくぶんか走り、Facatativa(ファカタティバ)という町へ。

ここもすり抜ける予定だったのだが、街角から中心広場が見えた感じがなんだか楽しそうだったため、チラッと見ていくことにした。

広場は非常に賑わっており、アイス屋やお菓子売りのカートがたくさん見える。

ベンチや段差にはカップルや親子が座ってスペースが埋められている。

広場のはじっこには、自家製CDをコンポでかけながらそれに合わせてケーナやパンフルートを吹いている人がそのCDを販売していたりする。


その雰囲気に混ざりながらアイスを購入。

いくらか忘れたがかなり安かった。

溶けるアイスを口に運びながら、その町の流れに身を任せていた。




ファカタティバが気に入ったのでここで一泊しようかとも考えたのだが、

ほら、言ったでしょ?

今はマジメに走ってるって。



もちろん泊まりませんでしたとも。

がんばって走らなきゃ。



その先、坂をのぼっていくと、あたりは霧に包まれる。

どうやら雲に入ってしまったようだ。

気温も温暖から少し肌寒くなったので、高度もそこそこ上がったと見える。

今にも雨が降り出しそうだったのだがそこから一気に下り道、そして看板には

「Alban 10」の文字が書かれていた。

この坂だったら10kmはすぐだろうと睨み、そのまま駆け出す。



5kmほど進んだだろうか、目の前にぽつんと建っているレストラン。

隣にはホテル、しかも wi-fi zone と書かれているではないか!!

値段も手頃だし、部屋はきれいだし、ここに泊まろう。

と部屋をとったところでまるで打ち合わせたかのように降る大雨。

この雨を避ける勘…というか運は、未だ鈍っていなかったようだ。

このホテル、wi-fiがあると書いていたが、実は繋がるのはメールとtwetterとfacebookとgoogle検索のみ。

他は有料だったらしい、というのを知るのはもう30分後のことである。

______________

翌日は晴れ。

くだり道を駆け下り、看板に書かれていたアルバンに入らずに右に曲がる。

道路工事で足止めをくいながら、そこからもずっとくだり道。

こりゃ楽だ。

そのままVilleta(ビジェータ)という町に入る。

ここでも寄り道して広場へ行ってみた。

ここの教会はあまり目立とうとしていなく、そのおかげで町を作り出している店や広場、露店などに目がいく。





    ↑町自体はそんなに大きくない

久しぶりに見たかき氷を買った。



    ↑とってもカラフルだ



    ↑中はこんな感じ



    ↑チョラオという名前らしい。今まで見たやつとは違う名前だ


ずっと坂を降りてきただけあり、ここは蒸し暑い。

ジメジメしていて気温も真夏という感じの暑さだ。

おかげで洗濯物も乾かない。

今日宿から出てきたときはかなり冷えていたので、秋から夏にいきなり飛んだ気分だ。

それにしてもここまで暑いのは久しぶりだ。

ここ数ヶ月高地の寒いところにいたので、この暖かさが懐かしい。

やっぱり季節の変化を感じられることはいいものだなぁ、

と、実際ビジェータは季節関係なくつねにこの温度なので少しズレた感想を持ちながら、ここに一泊することに決めた。

まだ昼の2時。

全然走れる時間帯である。




あれ? マジメに走るんじゃなかったの?

いやいや、たまには息抜きもね必要でしょうと。



そう言い訳を残しながら、やっぱり好きなときに好きなだけいられるのはいいことだなという思いに耽るのでした。

でもそれってやっぱり贅沢なのかなぁ。

ただ今回はここに泊まったことがかなり正解だったと次の日気づくのです。





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