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となりの国

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今日はブレイク




翌朝、
残ったチャーハンを温めて食べながら、犬達といっしょに昼までラウロが起きるのを待った。

彼が起きてきたので今から出発することを伝えると、ラウロはこの先の道の情報と、距離的に今日泊まるのにちょうどいい町の名前を教えてくれた。

この先しばらく上り坂があり、その先はずっとくだりが続くらしい。

途中の湖がとてもきれいだということも教えてくれた。

実際走ってみるとこの坂がかなり辛い。

始めは緩い坂だったその斜面はしだいに高さを増し、何度も休憩をはさまないといけなくなった。

しかもここは2000mを越える高所。

息がすぐに上がってしまう。



軽いギアでとにかくペダルをこぐ。

こうなると、もうなにも見えない。

山がきれいだとか、花が咲いているだとか、そういうことを気に留められなくなる。

坂の途中にあったパン屋で昼食をとりつつ、どうにかこの山を越えることに成功。

そこから一気にくだり道になり、聞いていた通り奥には湖と橋が見えた。







    ↑サイドの景色はこんな感じ

湖は兵隊が数人見張りをしていた。

ゲリラかなにかが来るのだろうか。

その湖はとても美しく見えた。

ここでキャンプしたいくらいだった。

自転車で苦労して来たからきれいに見えるのだ、とかそんなキザなことは言わない。

たぶん晴れているからだろう。

疲れているときれいな景色もどうでもよくなってしまう。

どこかの研究でも、疲労がある場合は色彩を検知する能力が下がるという実験結果があったそうだ。

かといって、バスや車ではすぐに過ぎ去ってしまうので、やっぱり景色を十分楽しめるとは言えない。

自転車や歩きでのんびり世界を楽しむのが、自分は好きだ。




    ↑この湖で釣りは禁止らしい



    ↑湖沿いにあったレストランからの景色



    ↑そのレストランは高そうだったので、次の町へ行って食事をした
     おいしかった



道をずっとくだる。



緑が生き生きしていて見応えがある。



空も雲もとてもきれいだ。



その先Choconta(チョコンタ)というおいしそうな名前の町へ。

昨日着く予定だった町だ。

ホテルつきのガソリンスタンドがあったので、とりあえず値段を聞くため訪ねる。

値段は20000ペソ(1000円)とまあまあで、wi-fiはないが部屋はきれいでトイレシャワーも一緒になっている。

この設備で20000ペソはこの辺では上々なので、ラウロから教えてもらった町よりまだまだ手前だが、今日はここで過ごそうと思う。

荷物を置いて町の中心部に入っていった。

外から見ると小さそうなこの町も、中へ入ってみると家や店が密集していて活気がある。

特に中心広場は人がいっぱいいた。


    ↑外見


    ↑中見



帽子を地面においてオカリナを吹いてみようかと思ったが、勇気が出ずにやめてしまった。

帰りにまたここに立ち寄ってそのときに吹いてみよう、と嫌なことを先延ばすことにした。

いや、「ことにした」というより「ごまかした」と言ったほうが正しい。

本当に吹くかどうか、自分でも定かではない。

気温が寒いこのチョコンタだが、いいホテルを見つけたため暖かいベッドで眠ることができた。

久しぶりにゆっくりくつろごう。




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スペイン語の先生は警察官


~~~~~~

役には立たないスペイン語講座

marica(マリカ)という言葉は「ゲイ」という意味があるのだそうですが、これは仲の非常にいい同性の友達への呼びかけにも使われます。

わざわざ言葉のラストに毎回つけ加えるのです。

ここら辺の方言なのかもしれないので、スペイン語圏どこでも使えるのかどうかはわからないのですが、最近はamigoよりもこのmaricaのほうがよく耳にします。

調べてみると、「腰抜け」という意味もあるらしいです。

これは憶測ですが、このあたりではどうやら仲の良い人を冗談めかしてけなすのが一般的な友人との付き合い方なのかもしれません。

イギリスでもそういう非常にフランクな人付き合いをするということを耳にしたことがあります。

この呼びかけを異性にも使うのかはちょっとわかりません。

男が女に「プリンセーサ」と言っているのは何度か聞いたことありますけど、これは一種の口説き文句のようなものなんでしょうかね。

あとはhuebo(ウエボ=卵)を使った言葉で「くそくらえ!」みたいな意味があると聞いたのですが……忘れてしまいました。

コロンビアではこのように、食べ物を使った慣用句が多いらしいですね。

コロンビアの料理おいしいですもん、それも頷けます。

~~~~~~

そうそう、2つ前の投稿で書き忘れてましたが、一番行きたかったCaño Cristales(カニョクリスタレス)という川へは行くことができなくなりました。

そこへは行くには道がなく、飛行機で飛ぶしかないらしいのですが、この時期はその飛行機が出ていないそうです。

そんなわけで適当に仕入れた写真だけ張っときます。



警察官の家に泊めてもらった、という話から。



家には他の人も住んでいるそうで、ルームシェア状態になっていた。

住んでいるのは女性の看護士とその彼氏で、彼氏のほうはボゴタの歯科学生であり、今は休みでたまたまこちらへ泊まりにきているのだそうだ。

その彼氏は英語が少しできるが、他の人はまったくできなかった。

つまり言葉はほとんど通じない。

しかしそんな中でも家主のラウロは、

俺がスペイン語の先生になってやるから

と色々な言葉を教えてくれようとした。

この日はみんなまだ仕事があるということで自分一人が家に残ったので、シャワーを借り、それからキッチンが汚れていたので片付けた。

茶碗洗いをし終わる頃には警官の2人が帰ってきて夕食を買ってきてくれた。

ぶにゅぶにゅした肉料理でちょっと食べにくいものだったが、ありがたく食べさせてもらう。



この家では黒い犬が2匹飼われている。

一匹は芸がうまい老年のラグロ、もう一匹はいつも元気に暴れ回る年若いソル。

2匹がじゃれ合ってそのうち喧嘩に発展するので、なかなか賑やかなお泊まりとなった。

ラグロの隣の、ベット状に変化するソファーに眠らせてもらった。

次の日に出発しようと準備をしていたら、

俺たちは昼まで仕事だから、村んなかをブラブラしといてくれ

と言われた。

どうやらまだ泊まっていていいということらしい。

なにも言わないまま、2連泊が決定した。

昼までセスキレ村を見てまわる。


    ↑交番の近くには小さなメルカド(マーケット)がある


    ↑街中の様子↓
 
 


    ↑すぐ奥に峰々がよく見える



教会が立派だった。

コロンビアでは、どんな小さな村でも教会はきちんと見栄えよく建てられている。
ここの教会はオシャレな造りになっていて興味を引かれた。



中を見たかったが、扉が閉まっているのでそれは叶わなかった。

数ブロックしかない村だったが、人がたくさん出歩いていて賑わっていた。

昼休み中のラウロ達2人と食事をし、交番で他の警官たちに紹介され取り囲まれふざけ合っていると、ラウロだけ就業時間になったようでいったん家に帰ることになった。

どうやら今日は夜勤があるらしく、それで早く帰れたらしい。



    ↑最初に出会った警官2人。手前がラウロ

ラウロのバイクにまたがり山のほうへ連れて行ってもらった。

そこには友達だという女性が住んでいて、ラウロさんから彼女を旅に一緒に連れて行けとしつこく言われた。

結婚しちまえばいい

とはやし立てるが、この人のこと別に好きではないし、それに言葉とか金とかどうするんだろう。

そう聞いてみたが、そりゃなんとかなる、というようなことしか言わない。

ワインを数杯もらって別れ、今度は湖方面へ。

奥に入るには外国人は入園料がいくらかかかるそうだが、その手前の柵の位置から見学。



このへんの水源になっていて、水力発電にも使われているのだとか。

そしてその後、山のもっと上へバイクで登り、村を見下ろせるところへ連れて行ってくれた。

    ↑遠くに住む妊娠中の奥さんから何度も電話がかかってくるらしい

日も暮れかけたので帰宅。

帰りがけに八百屋へよったので、今夜は自分が夕食を作ることを宣言した。

泊まらせてくれたお礼に、と思ったのだけれど、材料費は負担してくれたのであまりお礼にはなっていない。



帰って料理開始。

ラウロは夜勤に備えて眠るらしい。



メニューはいつものチャーハンとトマトスープにした。


親子丼を作ろうかと思ったのだが、材料が足りなかったので断念。

肝心の鶏肉がなかったのだ。


ここコロンビアは牛肉が安い代わりに鶏肉が高い。

日本と真逆である。

実は料理を二人分以上作ったことがなかったのでうまくできるか心配だったが、なんとかそこそこ食べれるくらいの味に仕上げることができた。

歯科医学生の彼氏が率先して食べてくれ、

すごくおいしいよ。今すぐシェフになれるね

と言ってくれたが、本心かどうかはわからない。

昔ファミコンのカラオケができるゲームで、採点時に

「イマスグスターニナレマース」

という適当なコメントが流れるものがあったのだが、

この時、そのフレーズが頭をかすめた。

それのせいで、どうにもお世辞にしか聞こえなかったのだ。

同時に、そんなどうでもいいものを今更思い出したのがちょっと可笑しかった。



ラウロが言うには、この村は仕事がたくさんあるという。



もうお金もないし、もし働けるならどこかで働き口を見つけたいが、

そう簡単にはいかないんだろうなぁ

と思ってしまうとどうしても前向きな返事ができない。




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警察のお世話になる



朝、

浮浪者っぽい人にしつこく声をかけられて目を覚ました。

日曜日だからだろうか、広場には人があまりいない。

ここに来る前は、勇気を出して広場にてオカリナでストリートパフォーマンスをしてみようかとも企画していたが、こう人が少ないと身も心も寒々しい感じで終わるような気がしたのでやめた。

ダラダラと寝袋を片付けた。

昨日の犬を連れた警官と別の警官がこちらの様子を見にきてくれた。

犬の警官はなにもなかったとわかると特に興味無さげだったが、もう一人の警官は色々こちらのことを聞いて楽しそうにしてくれていた。

昨日歌声が聞こえてきたすぐ後ろの教会を覗いてみたが、ミサの最中だったので入らずに去る。

見所である塩の教会がある丘へ。

門のところで警備員に「ヘルメットがないから自転車はダメ」と止められたが、そのときは何を言っているのかわからなかったので、何度も聞き返し続けたら相手が折れてくれて通してくれた。


別に悪気があって聞き返し続けたわけではない。

ということにしておく。



坂が辛く、ゆっくり自転車を押して登っていく。

昨日の疲れが抜けていない。

脚にきている。

駐車場でさっきの警備員が待っていてくれて、自転車を停めるのを手伝ってくれた。

その駐車場から階段を登ればすぐにチケット売り場がある。



チケット売り場

そう、塩の教会に入るには入場料が必要なのだ。

そしてその値段は、23000ペソ(1175円くらい、2015/1)。

これは…



金がないってときに、こんなの絶対払えない!

事前にこの教会のことを調べてみたのだが、ここに行った人の感想に「イマイチだった」というのがあったので、
この料金でもとを取れるか考え、そしてこう思った。



きっと入っても後悔することだろう。



「やって後悔するよりもやらずに後悔するほうが辛い」という話をよく聞くが、

実際はやって後悔したことのほうが後まで残り続けて苦しいものだ。

そう思った自分はチケットを買わず、そこからの景色を楽しんだり、他の観光客から携帯で写真を撮られたりしながらのんびり過ごした。





    ↑本当は昔に作られた塩の教会1世(現在封鎖)からの見晴らしがもっとずっといいらしいが、疲れるので行かなかった。くわしい場所もわからないしね



前回の投稿でも書いたが、シパキラはこの教会以外にも町が町らしく機能していて、見てまわるのもなかなか楽しいと思う。

ひさしぶりの走行で体が疲れていたので、安宿を探してもう一泊しようか考えた。

朝のこの時間だったら部屋も空いているかもしれない。

しかし金がないという現実と、なんとなく自転車を走らせたい気分にかられて先へ進むことにした。



この「なんとなく自転車を走らせたい気分」というもの、
自分にとっては非常に珍しいことである。


これは一種の勘のようなものが働いたのかもしれない。
というのも、、、


 _____________



昼前にシパキラの町を出た。

今度はもっと北にあるTunja(トゥンハ)という町を目指して走る。

ここはアウトピスタ(高速道路)が2つ並走して通っているのだが、トゥンハはもう一方のシパキラから離れた道路にある。


2つの道路を繋ぐ狭い道路をまずは抜けた。

路面がボコボコで少し走りにくかったが、道路脇に見える林や家々は意外と綺麗で苦ではなかった。

隣のアウトピスタに入った。

ここからはひたすらまっすぐ進むのみ。

さすがツールドフランスのチャンピオンの生まれ故郷が近いとあって、自転車に乗ってる人がたくさん横を通っていく。




それと景色がとてもきれいだ。














はしゃいでムービーを多めに撮ってしまった。


途中昼休憩をはさみながらずっと走っていると、後ろからバイクの警察が来て走行を止められた。


パスポートを見せると、

荷物を全部開けて見せろ、と言う。



その前に一応相手のIDチェック。
警察カードを見せてもらい、顔写真と本人の顔をじっくりと見比べてやった。


〜〜〜ちなみに〜〜〜

このIDというのは中南米では誰でも持っているものらしい。
そのため、ときたまホテルなどで

「ID(もしくはスペイン語で「なんとか」というが忘れてしまった)を見せろ」

と言われ、パスポートを出すと

「いやこれじゃない」

とか

「もうひとつのやつ」

とか言われることがある。


これはその住民IDを指しているのだろう。

ボゴタの友達マリさんも、3回くらいこのカードをなくして困ったと言っていた。


ただ、仕事のものと個人のものが別れているのかどうかなど、わからないことが多い。
いまだ謎に満ちている。


〜〜〜〜〜


始めは自転車にくくりつけていたものを見せていたのだが、バックパックを開けろと言われてからしだいにイライラしてきた。

物を一個一個見せながら出していくので非常に時間がかかるのである。

すでに夕方の4時。

予定ではまだ30km先に行く予定だった。

イライラしながら雑に荷物を見せる。

ナイフは持っていてはダメだと言われたが、料理に使うからダメ!と言って無理矢理取り返した。

こちらがスペイン語を話せないとわかると、そのうちにスペイン語講座のようになっていった。

ひとつ見せては、

これはpantalon(ズボン)だね、これはportatil(ノートPC)と言うんだ、


とスペイン語に変換してくれる。



こちとらスペイン語なぞろくに話せないものだから、これがけっこうありがたかった。



そんな風にしだいに、そして自然に打ち解けていくが、やはり時間の問題は重大である。


警察にまだまだ残っている荷物を見せながら、

今何時? 次の町はどれくらい? 安いホテルはある?

と苦々しげに畳み掛けた。


それに答えながら警察は、

俺のうちに泊まってもいいけど?

という誘い文句が!


え。いいの?


そして荷物を全部しまい終わるのを待ってから、バイクでゆっくり道案内してくれ、



辿り着いたのは小さな村の家。

本当にその警察官の家に泊めてもらえることになったのだ。

これはラッキー。

むしろ調べられてよかった。


そんなわけで、Sesquile(セスキレ)という小さな村で過ごすことになった。


この日は朝食昼食飲み物合わせて9500ペソ(475円くらい)

この旅で節約できてるのは珍しいことです。




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激しく押し寄せてくる日々 その1 まちのじゅく




これから起こる怒濤の一週間の話をしよう。

まずはボゴタを出ていった日の出来事から。


1月23日

やっとボゴタを出発できる日が来た。

優に2週間は滞在していただろう。

そしてそんな長期間の滞在の間に、大変なことに気がついたのだ。


それは、



お金がもうない。





本当にもうマジでない。
冗談じゃなく。


…どうしよう。


いやね、お金はネットバンクに預けてあるのですがね、ここ数国では携帯が繋がらなくてね、残金を確認できなかったんですよ。それでね、まだあると思ってたのが、突然ATMから引き落とせなくなってね。そりゃああせりましたよ。で、金が残っていないということがわかりましてね。で、ゆうちょ銀行からなけなしの貯金を下ろしたわけなんです。完全に計算ミス。というか計算なんてしてなかったんだけれども。



一度日本に戻ることも考えた。

しかし、ギリギリの行けるところまで行ってみようという結論に達した。

なによりこんな中途半端なところで終わるわけにはいかない。


中途半端といっても、コロンビアの首都ボゴタということを考えるとそんなに中途半端でもないのだが。

ボゴタは国際空港が街中にあるし、日本食屋や日本を歓迎しているホテルもあるので、自転車も置いておけるかもしれないのだった。

だけど、それではなんだか納得できなかった。

一時撤退はもう少し先になりそうだ。
そう願う。

さてそこで、
金がないので急いで走ろう
ということになった。


時間をかけるとその分費用がかさんでしまう。

一日50km以上を目指してがんばっていくことにしよう。


山道を走るのにそんなの決めて大丈夫か、と聞かれると…

多分無理だろうね。

でもさ、心意気って、大事じゃん?

50kmはあくまで目標ってだけです。

目標は破るためにあります。良い意味でも悪い意味でも。

まずは北へすすみ、Zipaquira(シパキラ)という町を目指す。

ここは観光地になっていて、塩の教会という洞窟教会が人気だそうだ。

町を出発してしばらくはボゴタの街中を走る。

さすが首都だけあり、広い。

2時間ほど走っただろうか、景色はスラムから山道に変わり、横を流れるキャンプサイトを羨ましげに見ながらそのまま狭い道を走る。


ああ、あそこに泊まったら安くすむのに。
アラスカとカナダの日々を思い出した。

そんな回想にふけっていると、一気に道が広くなり高速道路に変わった。

    ↑広い。きれい。


そのままChia(チア)というボゴタとシパキラの真ん中あたりにある町を通り過ぎる。

ここでまだ14:30。

自分の足だと今日中には着けないかもしれないと思っていたが、この分だと間に合いそうだ。

チアの町外れまで来たあたりで雨が降ってきた。

ガソリンスタンドで雨宿り。


オカリナを吹きながらしばらく待ち、雨は小振りになったので再出発。

ここでキャンプさせてもらってもいいな、と思ったが、金がもうないので早く進まなくてはいけない。

宿代が浮いたとしても、食費がかかってしまうからだ。

アップダウンを繰り返し、





    ↑途中から自転車道が作られていた。助かる〜


夕方にはシパキラに着いてしまった。

たしかここまで50~60kmは離れていたはずだが、まさか着いてしまうとは。


町に入って早々、自転車に乗っている町人に話しかけられた。

スペイン語はわかるか?と聞かれた後、

昨日fecebookで僕に「君の家に泊まりにいくよ」ってメッセージ送られてきたんだけど、あれは君だった?

と聞かれた。

覚えのない自分は即NOを出した。

…一体全体どういう状況だったのだろう。

もしかしたらうまく言いくるめてなんとか頑張れば、その人の家に泊めてもらえた可能性もあったのではないか。
去ったあとにそう思った。

それは後々ちょっとだけ後悔する記憶となる。


町へ入る。

”塩の教会”という響きからてっきり小さな村のなかにあるのかと思っていたのだが、意外としっかりしたところだった。

とても広い! というわけではないが、近代的な店の造りをしていて、商店街もわりかし賑わっており、土産屋やスーパーも点在している。

そして宿探しだが、見つけた宿に入ったらなんと満室、その向かいの宿は1日だけ空いていると言われたが、50000ペソ(2500円)と大変高い。

この日は土曜日だったために安いホテルはどこも埋まっている、というのが宿のおばちゃんの意見だ。

警察に安宿を聞いたりしながら町をグルグルまわって探したが、どこも高値もしくは満室だった。

しょうがないので広場で野宿することにした。

さっき宿の場所を聞いた警察官がこちらを見つけて話しかけてくれた。

ここに寝ていいか聞いてみると、

いいけど寒いし物盗られるよ

という返答。

まあしょうがないよね。

盗まれないように気をつけよう。

犬を数匹引き連れたその警官が他の人に連絡して、仕事の時間ギリギリまでホテルを探してくれながらそばを見張ってくれていたが、結局ホテルは見つからなかったようだ。



    ↑警官が連れていた犬の一匹

教会から『アベマリア』などの聖歌を甲高いソプラノ声で歌っているのが聞こえてくる。
少しノスタルジックになる情景だった。

広場の椅子に寝袋をしいて自転車とザックをチェーンで結ぶ。

寝袋の前には自転車があり、身を守ると同時に触られたらすぐわかるようにした。

手にはナイフ。

ポケットには小型ナイフとペッパースプレー。

これで準備は万端だろう。



    ↑通りすがりの人から見るとこんな感じ



    ↑ちょっと見えにくいけど荷物と自転車が全部繋がっているので、このまま持っていくのは苦労することだろう

ちなみに、ここで初めてシュラフカバーを使った。

日本ではよく寝袋オンリーで眠っていたのだが、夜露でベッチャベチャになって後始末が大変だった。

それを反省して買ってきたのだが、海外ではいつもテントを張っているので使い時が全然なかったのだ。

このシュラフカバー、なかなか扱いが難しく、うまく使うには慣れが必要みたいだ。

気がつくと寝袋の中ではなく間違ってカバーと寝袋の間に入ってしまっていた。

寝袋はつるつる滑ってすぐにズレるし、カバーは狭くて動きにくいしで立て直すのが億劫になり、

寒いけどそのまま寝た。

パラパラ雨が降ってきたり、何度か自転車を引っ張られたり、別の警察が声をかけてきたりしたが、何事もなく朝を迎えることができた。

結果、この日は昼飯の5500ペソ(275円)しか使わなかった。



明日はいったいどうなるんだろうか。
お楽しみに。



関係ないけど、ボゴタにおもしろい看板があったので載せておきます。



    ゴキサンドイッチ!



値段は安めだが、全部に「ゴキ」がついている。

簡易ゴキ
チーズゴキ
羊ゴキ

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一番下はゴキミックス。


味はおいしかったけど、安い分量が足りなかったです。
軽食にはいいかも。




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