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となりの国

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丘を越えゆこうよ!マスコタ

ゆっくり支度をして昼頃にモーテルを出る。

メキシコに来てからというもの、チェックアウト時間ギリギリまで粘るのが普通になってしまった。
早く出ないと次の目的地への到着がギリギリになってしまうので、後々大変になってくるのはわかるのだが、どうにも体が出る態勢になってくれないのだ。

朝が弱いのもあるし、怠け心に負けているのもある。

直したいんだけど、なかなかどうして直らないものですよね。





少し行くとTalpa(タルパ)とMascota(マスコタ)の分かれ道に出た。



どちらに行こうか非常に迷う。
というのも、2つ前の町(ブログ投稿では1つ前)Atenguilloで泊まった宿の主人、通称・気の良いおじさんが、

タルパに行くんだろう? ここの教会はすばらしい!

と言っていたのだ。


教会のステンドグラスが大好きな身としては、きれいな教会を見にいきたい。

しかしなんと! タルパへ行くとその先は行き止まり、
つまりまたここまで戻ってマスコタへと向かわなくてはならないのだ。

タルパ往復間、その距離約50km。
まあ1日かかると見ていいだろう。

タルパに泊まることも考えると、時間的にも金銭的にもけっこう取られてしまう。



自転車をまたいだまま、どちらに行こうか迷うこと数十分。


結局、まっすぐマスコタへ向かうことにした。
今回はタルパはあきらめよう。Guachinangoやらで寄り道しすぎた。



峠をこえて街を見下ろす丘へ。


    ↑Mascotaがあるんですが…見えますか?

    ↑青空教会。ドラクエでありそう

そしてマスコタの街に着いた。
久しぶりの大きな町だ。




観光が盛んみたいで、ランクの高いホテルがたくさんある。
目についた4つ星のホテルの値段を聞いてみたら、なんと700ペソだそうだ。
た、高すぎる。。

長時間歩き回ってやっと150ペソの安ホテルを見つけた。
しかも中心部にほど近い好立地。
TVはないけどwi-fiが繋がるってさ。
これはいいと、すぐに2泊お願いした。


思った通り全体的に物価が高いのは、いかにも観光の街といった体であった。
夕方5時半で多くの店が閉まってしまうらしく、開いていたカフェバーで夕食を食べたら2ペソぼったくられた。
まあチップだと思えば逆に得をしたことになるからいいや。



次の日、街中を見回ってみる。

オシャレなカフェで朝食。
コーヒーが予想以上に高かったがそれでもすごくおいしくて、ホットドッグも盛りつけが値段以上に豪勢で満足した。

アイス屋で売っていたフラペチーノは安くて良い。サラサラな舌触りだが味はgood。


道端で売られていた、ポテトとウインナーを乾燥させたようなものの盛り合わせを買ってみる。
上から常温のホワイトクリームのようなものをかけ、爪楊枝2本で食べる。


これがすごくうまい。


しかも値段も安い。


最初っからこれを食べていればよかった。
このポテト盛りを歩きながら食べている人をよく見かけたのが納得である。



1月11日、天気が悪いのでもう一泊延ばすことにした。

土曜日のためか、多くの店が休みだった。
昼過ぎに教会の横を通ると、結婚式をやっていたのかドレスやタキシードを着た人たちが集まっていた。
祝福の鐘がなる。

それまでこんなに華やかな見た目をした人たちはなかなか見なかったので、別世界に迷い込んだ気分になった。




暇だったのでゲーム場で2ペソで遊び放題(バグっていたのではなかろうか)の格闘ゲームをしていたら、外は雨が上がり大きな虹がかかっていた。







   空がきれいだったのでいくらか撮ってみた



    ↓ここが泊まったホテル

    ソカロにある教会の裏手の道路の十字路から見える場所にある。
    真ん中がくり抜かれたおもしろい作りになっていて、飾ってあったクリスマスツリーがきれいでした。



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山道はからだと財布に良くない

〜〜〜〜〜〜〜

いいことを教えましょう。

これはメキシコだけではなくどこの国でもそうなんですが、
海外へ行った時には、その国の言葉の中でも「お礼の言葉」をきれいに発音してみましょう。
そうするとちょこっとだけ良いことがありますよ。


きれいな発音をものにするには練習するというよりも、本場の発音を集中して聞いて、ちょっとした舌の使い方や口の動かし方をコピーしてしまうというのが早いです。


買い物をしたあとなどになめらかにお礼を言うと、店員がにこっとしてくれたり、少し話が弾んだりします。

挨拶をきれいに発音するのでもいいのですが、そうすると相手から「現地の言葉を話せる認定」を受けてしまい、そのあとに怒濤の外国語ラッシュが飛んできます。
というのも挨拶は大抵出会い頭にするものなので。
だからお礼の言葉というのがポイントです。

〜〜〜〜〜〜〜



次の日、昨日のおやじの店で朝食をとり、先へ出発した。

ずっと続く山道に疲れていたので、ここミストランにもう1泊くらいしたかったが、先を急がねばならない。


なんと、ここからほとんどずっと下りの道のみで次の町まで着いてしまった。

とても気持ちよかった。
やはり自転車は下り道に限る。

あまり自転車に乗っていない人はこの気持ちはよくわからないかもしれないが、
自転車でのいい具合の下りは本当に気分が高揚する。

逆にアップヒルは地獄だ。
荷物が重いので、傾斜が緩くても相当こたえる。

一度40kgの荷物を担いで自転車に乗ってみてほしい。ホントにきついから。



そんなに離れていない隣町の名前はAtenguillo(アテングイージョ)。
通りに面した家々はウェスタンを思わせる。

すぐに150ペソのホテルを発見し部屋をとった。
オーナーは気のいいおじさんで、色々と英語で話しかけてくれたりこの街の中心部が少し奥にあること、この先の道や町のことなどをニコニコとした表情で教えてくれた。


さっそくセントロへ行ってみる。
道がガタガタなので歩いていったほうがいいよ、そんなに離れてないから、
と言われた通りに自転車は休ませ徒歩で向かった。


教会を中心にした広場は壁がオレンジと白で統一されていて、どちらかというとさびれているのだがそれでも高級感というか、あたたかい印象があった。
平和な雰囲気が立ちこめている。

    ↑ここらへんの教会はどこも時計が止まっている


ホテルに戻り夕食をすませる。

しかしここのレストランはどこも高い。
今もスープかと思ってsopaを頼んだら、なんと味付きのご飯のみが皿に盛られてでてきた。
それだけで30ペソも取られたのである。

    ↑昼食に食べたチキンスープ。これも高い。高いというか、量が少ない

Amecaをすぎた辺りから食堂のみに関して物価の上昇が感じられた。
山の中で流通が難しいからなのか。
それとも地域差なのだろうか。

日本で旅したときも、その区々による物価の差というものを感じたことがあった。
たとえば田舎でほとんど店がないところや観光地ではとつぜん商品の値段が跳ね上がり、2Lペットのウーロン茶が500円になったこともある。

しかしここがそれにあてはまるのかはわからない。


なんにしろ明日は早々にここを立ち去ろうと決意。



翌日、おじさんに見送られて出発した。

道は聞いていた通り酷い山道だった。
何度も休憩しながら登っていく。

地図を見ながら40kmくらいは来たかな、と思っていたが、看板を見てその半分しか来れていないと知りガッカリ。
計算すると時速4kmである。
足腰が痛い。
こんな調子で本当にこの先進めるのだろうかと不安になってくる。



まわりの景色は森に変わり、キャンプ場のようなところに出た辺りでやっと道が平坦になった。

腹が減ってふらふらになりながら走っていると、そのキャンプ場のちょっと奥にポツンとあるレストランを発見。
カウボーイの男性と不機嫌そうな女性が営んでおり、その家にはこどもたちと犬2匹がのんびり生活していた。

ここでビーフシチューをもらう。
おいしい。
値段も安く、飲み物もサービスでどんどんおかわりさせてくれた。



もう少し行くと集落のようなレストラン街があった。
女性達が手を叩き、呼び込みの歌を歌い、白いスープのようなものを高い所から滝のようにたらしてみたり段ボールで臭いを拡散させたり、手の込んだ客引きをしている。


もっと奥に、できたばかりなのかものすごくきれいなモーテルを発見。
今はシャワーの水しか出ないみたいだが、安いし清潔なので部屋をとった。


疲れていたようでドアを開けっ放しで長い昼寝をし、目覚めるともう暗くなり始めている。

外を見ると電話をしながらこちらを見ている男が一人。
こちらに気づくとすぐに逃げていった。



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馬の町 ミストランのレストラン

〜〜〜〜〜〜〜〜

メキシコ人はノリのいいイメージが強いがまさにそう。
彼らは音楽が大好きみたいです。


たとえば

街中を歩いていてもどこからともなく音楽が聞こえてくるし、
路上や店で楽器の生演奏なんて平気でやっているし、
男女問わずそこらへんで大きな鼻歌を歌っているし、
レストランへ行けばPVが流れているし、
TVには流行曲のPVを垂れ流す番組があるくらいだし・・・

本当に田舎のほうに行かないと静かなところなんて巡り会えません。


だから夜に音楽が流れてきたとしても、そう怒らないで。
聞き流すか、一緒にノリノリになりましょう。

音に敏感なかたは耳栓を持って行ったほうがいいですよ。

〜〜〜〜〜〜〜

昼前には雨が上がったので、Guachinangoを出て行く。
結局ここではダラダラ過ごして終わってしまった。
ちょっともったいなかったかな、と思う。


1時間もしないで数日前のキャンプ地であるガソリンスタンドにくることができた。
ここで昼飯、ハンバーガーとチョコミルクを頼む。

その後も雨がポツポツ落ちて来たが、このワタクシ「雨のち晴れ男」の威力を十分に発揮し、本降りにならずに終わってくれた。
ひたすら上り坂だったので、正直降られていたらどうしようもなかった。




疲れ果てたころに下り斜面が現れ、馬の町?Mixtlanに到着。


町が現れる前兆として、「道が変わり下りか平地になる」という あるあるネタのようなものを身につけつつあった。
先行きが予想しやすくて良い。



    ↑看板に馬の値段が書かれていた。そのお値段、ななななんと!!


    ↑たったの3000ペソ!(24000円くらいか)鞍をつけても5万円くらいだろうか。
     自転車壊れたら本気で買おうかな...

町唯一のホテルが閉まっていたのでどうしようかウロウロしていると、とある食堂のおやじと目が合う。
この人がホテルの従業員を携帯電話で呼び出してくれた。
1泊200ペソ。なかなか安めの設定だ。


食事をしに行くと約束していたので、疲れのせいかあまり腹は減っていなかったがおやじの店へ。
メキシカン料理をふんだんに提供してくれた。
もちろんきっちりと金は取られたが。


    ↑ポソーレという料理。スープの中に肉とコーン(なのか貝なのかなんだかよくわからないもの)が入っている

    ↑手前のはチーズをトルティージャでくるんだ ケサディージャ。まあまあうまいし安い



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治安の悪い町は本当に治安が悪いのか

ガソリンスタンドの裏手でキャンプし、朝9時すぎに起きる。
目覚めは最悪だ。
筋肉痛で体中が痛く、特に腰が疲労骨折しそうなくらいギシギシしているし、
標高のせいか、それとも疲れのせいか、頭が痛いし、
風邪っぽく喉が痛い。

つまり、具合が悪い。

それでもここをさっさと離れなくてはいけない。
じゃなきゃ死んじゃうからね!


さっそく昨日見つけた門の下を通り、アップダウンを繰り返しながらそびえ立つ山のほうへ向かった。




数時間後にGuachinangoに到着。

町の入り口にあったホテルをとった。
300ペソで高めだがかなり高スペック。
部屋も外見もきれいで、ネットも快適に使える。

飯を求めてふらふらとセントロ(中心部)へ向かった。



ソカロ(中心になっている広場)に入ると、警察から
自転車は入っちゃダメ!
と怒られてしまった。

が、それから話は繋がり、安いレストランを紹介してもらった。

警察の話では、ここは治安がかなり悪いらしい。
通りを自転車で走った感じでは、静かでのどか辺境の町 という印象だったのだが、辺境すぎてみんなお金がないのだろうか。



腹もくちたところで商店へ寄ってからホテルへ戻る。
その商店の客の一人に

きみは坑夫? それともサンプリング?

と聞かれたので、ここは鉱山の町のようだ。
門のところにもoroと書かれていたので、金でも採れるのだろうか。
しかしそんなもの、この町にはどこにもなかった。

もしチャンスがあれば、金でも銀でも掘り出してこっそり持っていきたかったのだが。



疲れが取れないのでオーナーのおじさんにもう一泊頼む。

昼食と言ってもいいほど遅い朝食をホテル近くの食堂で食べた。
そこにいた男性がこちらに気づき、英語をまくしたてる。
どうやら彼の父親か誰かが日本に住んでいたようだ。
彼はひとしきり話しきった後、ここの食事とコーヒーの金を払ってくれ、去っていった。

こんなにみんなフレンドリーでやさしいのに、本当に危険な町なのだろうか。


夕方、セントロの教会に行ってみると人が集まりだし、教会の上についている鐘がガンガンガンガン鳴り響いている。
まさに「狂ったような」その鳴りようが
「よそ者は出て行け」
と言っているようで、さっさとそこを後にした。





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