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となりの国

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自然保護区にキャンプしよう 〜 Crooked Tree、ベリーズ

〜〜〜〜〜〜〜〜
メキシコではほとんどの場所でトイレに紙を流せないのですが、
ベリーズでは流せるところが多いことに衝撃を受けました。

そんなに高くないホテルでも流せるところがあったり、
キャンプ場でも流せたりと、
ずっとくずかごに紙を捨てなければいけない環境にあったので驚きました。

ただやっぱり水圧が弱く流せないところもあるので、そこらへんを見極めなくてはいけません。
〜〜〜〜〜〜〜〜


オレンジウォークには2泊した。
ここベリーズは小さな国なので、ゆっくりまわってみようと決めたのだ。
入国時に3週間と頼んだビザも30日間入れてくれたみたいだし。


オレンジウォークは小さい町だったが、これが第2の都市らしい。
ホテル周辺で北米人をよく見かけた。
英語が通じるからだろうか。
いったい何を見にきているのだろう。
それくらい見所はないと言っていい。

巨大なバックパックを背負った人たちもよく見かけ、女性バックパッカーも多かった。


八百屋の看板にchocolocoという文字が書いてあったので買ってみる。



どんなものかというと、
凍らしたバナナにチョコと砕いたピーナッツとココナッツとマシュマロと小さいカラーチョコがついたものだった。
バナナがシャーベット状で冷たく、暑いときにはいいかもしれない。

味としては、さすが元イギリス植民地、という感じだ。
腹が減って冷たいものが食べたくてしょうがないとき以外、今後これの登場はないだろう。




あっという間に時は過ぎ、次の朝に出発。

町を発って早々、バス停に座っていた男性に声をかけられる。
俺の庭にキャンプしてもいい、ということだった。
ありがたい申し出だったが、まだ昼の12時だったので断る。
 



この先あまり家がなく、道の悪い中を延々と走る。
水がなくなりフラフラになってベンチに休んでいると、後ろからおじさんがこちらへ向かって歩いてきた。

次の町までどれくらいか聞いてみる。
するとあと4kmくらいで着くと言う。
喜び勇んでそちらへ向かった。


道を右側にそれ、砂の道路を進む。
が、この道が予想以上に酷く、進むにつれ地面の砂が柔らかくなりタイヤが埋まってこけそうになるし、もっと行くと大きめの石がごろごろしていて自転車を押していかなくてはいかなくなった。

両脇には大きな湖が広がっていて、つまり湖の真ん中を通っていることになる。
景色はすごくよかった。
 

4kmと言われたが10kmくらいあるんじゃないかというくらい走ってやっとCrooked Treeという村に到着。
入り口にインフォメーションセンターがあり、そこへ呼び込まれる。
ここは自然保護区になっていて、1泊以上するなら税を払わないといけないらしい。
しょうがないので8ベリーズ$(4us$)払った。
国を出るまで有効だから、と係員に笑顔で言われる。

村の地図をもらい宿やキャンプポイントなどの情報を教えてくれ、わからないことがあったら何でも答えると言ってくれた。

疲れていたのでここで休憩していると、どうやらバスの時間がきたようでその係員がセンターを閉めて出て行ってしまった。
もしかしてもう少し遅くついたら金を払わなくてよかったんじゃなかろうか。



さすが自然を保護しているだけあり、いい景色が広がっている。

 
    ↑村全体がこんな感じの景色


    ↑そうですね、どう見てもスーパーマーケットです


    ↑鳥がとまっているのがおわかりいただけるだろうか

この村は鳥が多く、色々な種類の鳥類が数多く見られた。
昔鳥を飼っていた身としてはとても嬉しい景色である。


キャンプをするつもりだったが、試しに見にいってみようということで、さっきのスタッフに安いと言われたINNを覗きに行ってみた。

子どもたちの呼び込みを受け、そちらに行ってみるとオーナーのおかみさんが出現。
部屋を見てみると田舎のホテルとは思えないほどきれいで、湖を見渡せる景色も素晴らしかった。
始めは80ベリーズ$と言っていたが、値段が高くテント泊の予定でもあったで渋っていると70、60とどんどん下がっていき、最終的には50になった。

他のところも見て回ったらいいんじゃない?とおかみさん。
ただ、ここより安い宿泊所でも70$はするしこんなにきれいじゃない、とのこと。
もし戻ってきてくれたら朝食と昼食をつけるしバードウォッチングもできるよ、と言ってくれた。


うーーーん・・・・ホテルを見になんて行かなきゃよかった。
泊まりたくなってしまったではないか。
どうしよう、せっかく値下げしてくれたしご飯もつくなら泊まってもいいかも…

と悩みながらキャンプサイトにも行ってみる。


高そうなロッジで受付をしているらしい。
値段を聞いてみると20ベリーズ$。
ロビーで無料のWi-Fiも繋げるらしい。

即決。
ネットに繋げられるのが決め手となった。
ごめんね、おかみさん。



キャンプサイトにはシャワーとトイレと水道が完備されている。
たき火で自炊もできそうだったが、材料がないのでレストランへ。

ご飯にカレー風味の豆の煮たものがかかっていて、申し訳程度に焼いた肉が乗っかっている。
とてもおいしかった。
レモネードなのにパイナップル味のジュースもなかなかうまい。

店にあった張り紙には「クレジットカードのことは聞かないで。夫が使い込みで死んだの」と書かれていた。
ジョークかと思ったが、彼女の気だるい雰囲気を見ると、もしかしたら本当なのかもしれない。


食べ終わると外は暗くなっており、暗闇の中を帰る途中、ホタルが大量に飛んでいるのを見つけた。
その幻想的な光景を見ながらキャンプサイトにもどると、なんとこちらでも数匹飛んでいるではないか。
ホタルを見ながらキャンプなんて、贅沢だなぁ。


結局ネットは繋がらなかったが、夜にも鳥が飛んでいてかわいいし、小さなカエルは半透明できれいだし、楽しい一夜を過ごすことができた。












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販売人と物乞いと子どもと村人とのやりとりが捗る国 〜 ベリーズ Orange Walk

ホテルの庭に座っているオーナー夫妻と会話をし、見送られて出発。


次の町のレストランで朝昼兼用の食事を注文する。
点いていたテレビがスペイン語だったため、スタッフにスペイン語で話しかけてみる。
ちゃんと通じたようだ。

会計時にメキシコ人か、と聞かれたので違うと答える。

じゃあドイツ人?

違うよ。日本人。

へー。んーと、你好(頭を下げる)・・・・・あ、これは中国かハハハ

やはりスペイン語は楽だ。
なんでだろう。
文法とか気にせずに使っているからだろうか。
そしてそれが素直に通じてしまうからだろうか。



通りに座っている人たちはこちらに"Hey!"と声をかけ挨拶してくれるし、
トラックに乗っている子ども達は全員が手を振ってくれる。

いい国だな、とつぶやく。



今走っているこの道は村がずらっと並んでいるようで、畑や野原に出ても数十分走るとまた家が建ち並ぶところに入る。

そのため飲み物を買い飲みしながら走ることができた。
買いだめする必要がないのは便利だ。
自転車が重くなってしまうと進むのが大変になるから。

とある村の中華系のスーパーで飲み物を買った。

AriZonaの見たことがなかった味、オレンジ。
あとチョコミルクだ。
両方ともなかなかおいしかった。


その同じ村でのこと。

自転車で走っていると目の前の男が道を塞いできた。
手にはギブスのような筒状のものをつけ、首にかけている。
最初のほうは聞き取れなかったが、「俺たちは心の友だ、2ドルくれ」ということらしい。
こっちも金がないから2ドルくれよ、と言ってみた。
すると、

俺が? 君に?

と少し驚いた表情を見せた。
が、すぐに泣くような仕草をし出す。

God bless me...

と言っている。
こちらとしては、この人が信仰している神を持っているわけではないので何と言っていいかわからず、とりあえず

せやな(yeah)

と答えておいた。

男は目から涙を流しながら

2ドルでいいんだ、くれよ

としつこくせまってくる。
ごめんね、泣き落としはこっちの得意分野だから、君の嘘泣きは通用しないんだ。

男は自転車を片手で強く掴み、タイヤを脚で挟んでいるので前には進めない。
ギブスに銃が隠れていないかチェックした後、

がんばってね

と言いながら男の肩を叩き、バックして彼を振り払う。
男は、後ろから車が来てる、とあわてて教えてくれたが、それでも手を離そうとしない。
バス停でおしゃべりしていたお母さん達がこちらに気づき、声をかけてくれたおかげで男はひるみ、自転車から距離をあけた。
その隙に男の横を通り、good luck, good bye.と言って逃げ出した。

他でも物乞いに絡まれたことは数回あるが、こんなにしつこいのは初めてだったな。



Orange Walkの看板が見えたのでそちらにタイヤを向ける。
進むと店がいくつか現れるが、「町」という感じではない。
地図の文字の太さからすると、結構な大きさの所なはずなのだが。


日よけパラソルの下で食べ物や飲み物を売っている家族がいたので、ちょっとよってみる。
“コップに入った白い何か”がオススメだと言われたので、試しにそれを購入。1ベリーズ$(50usセント)。
食べてみると、とろっとした牛乳プリンという感じだった。

その家族はニコニコとこちらに話かけてきた。
ちょうどいいので情報を聞いてみることにした。

そして、
オレンジウォークはもう半マイル(800m)先であること、
ベリーズはベリーズシティ周辺以外は治安がよくキャンプもできること、
などを聞き出した。

やっと英語になれてきたみたいだ。
スムーズな会話ができて嬉しくなった。



オレンジウォーク中心部へ到着。

路上で何か民芸品のようなものを売っている年齢不詳の男に声をかけられる。
お互いグーにした手をぶつけ合う。

お前日本人だろ

とずばり言ってきた。

なんでわかったの?

見た目でわかるよ。中国人は目がもっと小さいからな

あれ?でもけっこう中国人と間違えられてたんですけど。
ってことは他の人は知っててわざと間違えていたということか?
いやでもさっきのプリン売りの女性も話の流れ的に中国人だと思っていたようだったし・・・

考えてもわからないので、その男が何を売っているのか聞いてみた。
カラフルな細い布状のそれは、ベルトだったようだ。
白い紐で belize という文字が縫われている。

これをつけておけばベリーズに行ったことのある人に会ったとき話が弾むだろ

と男は言う。
ベルトもだいぶよれよれになってきたし買ってもいいかな、と思ったが、長さが短かったのとすぐに破れてしまいそうだったので保留。
グッと親指を立てて男に突き出すと、男はまた拳を差し出した。
ぶつけ合う挨拶をして別れる。


メキシコでも似たような挨拶があったが、少しだけ違う。
メキシコ版は、手を握手の要領で合わせてパンと叩いたあと、すぐに拳をぶつけ合うのだ。

これを教えてもらったのは、メキシコシティにいた時に自転車を修理してもらった職人のおっちゃんだった。
さすが職人というべきか、拳をぶつけるタイミングが非常にシビアで、なかなか納得してくれず何度もやらされた。
メキシコに来てすぐに教えてもらったので、結構使いどころがあっておもしろかった。



久しぶりに酒を飲んでみようと、店でビールを買ってみた。

ベリーズ産のビールらしい。
入国したときからこの名前がよく目に入ってきたので気になっていた。

味は・・・うーん、あまり好きではない。
苦いなーと思っていたら、なかなかのアルコール度数だったようだ。


酒はまた当分いらないかな。



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この町はわや! 〜 ベリーズ、Corozal Town

ベリーズ入国後、道路に沿って走る。


走りだしてみた印象としては、メキシコとそんなに大差ない感じだった。

違いを絞り出すとすれば、こちらのほうが若干田舎っぽい雰囲気があったのと、
自動車の走る感じが違った。

ベリーズの運転手はスピードはあまり出さない、でも運転は荒い、という風だった。
あとクラクションの使い方。
メキシコでは知り合いがいたときの挨拶に使ったり、信号が変わったときに前の車がすぐに出なかったときに使ったり、通行人や通る車に対して邪魔だと思った時に遅れ目で鳴らしたりする。
でもここでは誰かの後ろを通りすぎる時の注意喚起として使うことが多いようだ。
だから鳴らすのがすごく早い。
来たばかりなのではっきりとしたことはまだわからないが、どっちもよくクラクションを鳴らすということは一緒みたいだ。


Corozal Town(コロサルタウン)に着くと、目の前には英語、スペイン語、中国語の文字が入り乱れていた。
ここは中国人がたくさん住んでいるらしい。
店の入り口に「財産〜達盛〜」というようなことが書かれた看板のようなものが貼られている。
きっと招き猫のような魔除け的なものなのだろう。
もしかしたらキョンシーをはね除ける効果もあるかもしれない。

喉が渇いたので、そのひとつに入ってみる。
飲み物の種類が少ないので、とりあえずコーラで。
レジへ持っていくと、2ベリーズ$(1us$)だった。
ペソに直すと12〜3くらいなので、物価はメキシコと同じ位だろうか。

ここで気づいたことが2点。
まずペットボトルのふたがメキシコのものよりも長い。
これはグリップが効いて開けやすく、なかなかよかった。
あとなぜか味が薄い。

とりあえず初めはコーラが1us$というのを基準にものの値段を考えていくこととする。



今日はここに泊まるので宿探しだ。
適当に走っていたらHotel Mayaという看板を発見。(←ホントにあった)
値段を聞きにいってみる。

いつも楽しそうなテンションの高いオーナーがちょうど目の前にいたので話を聞いてみる。
どうやら70ドルということだ。
どっちのドルかわからないが、おそらくベリーズドルだろう。
35ドル…うーん、ちょっと高いかな。


悩んでいると、楽しそうなオーナーが

ダウンタウンに行けばもっと安いところがあるよ、ゲストハウスもあるしね

というのでお礼を言ってもう少し探してみることにした。
オーナーは「ハハハッいいよ」と楽しそうに笑っていた。



そうだ、せっかくだからインフォメーションの人に教えてもらったホテルへ行ってみよう。
あそこなら26us$くらいで泊まれるはずだ。

ということで探してみたが一向に見つからない。
町を往復したところで工具の店の人に聞いてみると、なんとすぐ目の前にあった。
Mirador Hotelと壁に書かれている。

ドアのところに来ると同時にちょうど団体が入ってきた。
その人達の鞄をすり抜けてカウンターへ。
部屋はあるか聞いてみたところ、「ない」と言われた。
今の団体で部屋がすべて埋まってしまったという。

部屋がないと言われたのは久しぶりだ。
だいたい7ヶ月ぶりぐらいだろうか。


しょうがないのでホテルを出て、さっき言っていたゲストハウスなるものを探してみようかとも思ったが、
めんどくさくなってしまったのでHotel Mayaへ戻ることにした。



楽しそうなおじさんが楽しそうにオフィスに案内してくれ、us$で料金を払う。
お釣りがベリーズ$で返ってきて一人 おおー!!うわー!うわー!!ベリーズドルだー とはしゃぐおれ。
楽しそうにしているオーナー。

いろんなところのコインや札を見るのが好きなのだ。
10角形のコインがかっこいい。
お札はよれよれで心もとない。破れそう。


部屋に案内されると、中はすごく綺麗でなかなか素敵だ。


    ↑窓からチェトゥマルベイが見える


    ↑アイスを買うホテルマヤにいた人たち


シャワーを浴びて、外へ散歩に出かける。
後ろからさっきのアイス屋が来たのでひとつ買ってみる。

これで1ベリーズ$=50usセント。
やっす!!!

ドル換算すると何でも安くなるのかと思い、ペソにも変換してみたが
6〜7ペソ
やっぱり安い!


ソカロ(中心広場)は公園になっていた。

子どもがたくさんいる。
イベントをやっているのか、ステージでライブをしていた。
子ども達と大人達が広場でなにかやっているがよくわからない。

この広場はにぎわっていたが、少し離れると静かな街並となる。

のどかな空気が広がり、人もわりと和やかでいい雰囲気だ。
ここが気に入ってしまった。



と、これがベリーズ初日の話なのだが、英語圏に来てみて大変なことがわかった。

スペイン語しか出てこない。
英語がパッと出てこないのだ。


スペイン語を話しすぎて英語が出てこなくなったというアメリカ人とイギリス人をメキシコで見たことがあったが、その気持ちがわかった。
といっても母国語は忘れないだろうとは思うのだが、でもたしかにこんがらがってしまう。


そして、英語だと疲れる。
スペイン語はほとんど話せないので、逆に話さなくてもなんとかなるのだが、
英語だとちょっとくらいならわかるので、色々面倒なのだ。
苦労して聞き取って苦労して言葉を作って・・・

やっぱり人と話をするのは苦手だなぁ。



    

  ホテル近くの景色



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国境越えでもいつものアクシデント 〜 メキシコのとなりの国、ベリーズ入国

さあ!入りましたよ、ベリーズ!!

まずは国境越えのお話からしましょうか。



 ________________




チェトゥマルからベリーズの国境がある町まで10kmくらいで着いてしまう。




そしてすぐに出国の手続きへ。

手続きと言っても小さな小屋みたいなところでパスポートを見せるだけだ。
審査官はツーリストカードを回収すると、「出国税に350ペソか25ドル払え」と言う。

一応ネットで調べていたのだが、25ドルを25ペソと勘違いしていたのでものすごく動揺した。
ぼったくられてるんじゃなかろうか、と。

手持ちのペソが足りなかったのでドルとまぜて払ったら、今度は釣りがないと言い出した。
すると後ろから来た男が気前よく両替してくれ、なんとか正しい釣りを受け取ることができた。



国境の川を越えると道が2手に別れる。
そこでぬぼーっと立っていると、係員のおじさんが

ベリーズのイミグレーションに行くなら向こうだよ

と英語で教えてくれた。
突然の英語に驚き、
あっちはなんだ
と日本語でぶっきらぼうに言ってしまうと、

あっちはスーパーマーケット

と良い発音で返してくれた。


そうか、ベリーズはスペイン語ではなく英語が公用語だったんだった。
ずっとスペイン語を聞いていたので頭が混乱する。



自転車でツイーッと進むとすぐにイミグレーションホールと検問所が見えてくる。

駐車場で「ビザはホールの中で作れる」とスタッフが教えてくれ、中へ入るとインフォメーションの人がベリーズ全土地図をくれた後、イミグレーションへ進むよう促した。

そっちへ行くと女性がムッとした顔で座っていて、パスポートを渡すと「日本人はビザが必要だ」と言うので「そうビザが作りたいんだ」というと紙を一枚渡される。

紙に裏表書き込み、写真が1枚必要なようなのでエスカルセガで撮ってもらったパスポート用の写真を取り出す。

実は、イミグレーションで写真を撮る設備がなかったり高い金を取られたら嫌なので先に作っておいたのだ。
しかしこれ、6枚で100ペソ(800円)と日本より高い。
もし写真代もビザ代の中に含まれているのだとしたら大損である。


並びなおして同じ女性に渡すと、今度はこれを持って奥にあるオフィスに行くと言われ案内される。
中ではイミグレーションのスタッフ同士がわいわい話をしている。
なんだかわからず待っていると、そのうち解散になったようだ。
部屋に残っていた男に紙類を渡そうとすると、隣だと言われる。
隣の部屋の女に渡そうとすると、隣のさっきの男に渡せと言われる。
どっちだよ、と小馬鹿にした笑いを投げつけ、さっきの男の所に戻るとやっと受け取ってもらえた。

男は赤ペンで渡した紙の一部に印を付ける。

そこは
”滞在する宿泊場所を詳しく明記する欄”
だった。
そこを飛ばして書いたのが引っかかったようだ。

滞在中はどこにいるのかね

と聞かれた。

やばい、ホテル名調べるの忘れてた・・・

ベリーズからグアテマラに行くので同じ場所にいるわけではなくて通り抜けるんです

ということをさっきもらった地図を見せながら話す。

でも今日はベリーズに泊まるんだろう? どこに?

と相手は引かない。
いっそ適当にMaya Hotelとか、ありそうな名前を書いてしまおうかとも思ったが、
男の隣に置いてあるパソコンにはホテルを検索している画面が出ていたので、きっと調べられるのであろう。

ちょうどその時資料がこの部屋に届き、チラ見すると日本人の名前がたくさん載っているのがわかった。
どうやら同じ内容の紙のコピーだろう。
その中にあるホテルの名前を書いてしまおうかとも考えたがそれは思いとどまった。
あまりリスクは背負いたくない。

しかし、Belize City, Hilton Hotelと書かれていた1枚の紙を見て、
ああ、きっとこの人も調べるのが面倒で適当にヒルトンホテルと書いたんだろうな、都心には大体あるし…
などと想像して可笑しかった。もしかしたら本当に泊まるのかもしれないけど。


しょうがないので正直に

今日はCorozal townに行くけどホテルはわからない

と言うと、

じゃあ入り口にあるインフォメーションに聞いてきたら

と提案された。

なるほど、それはいい案だ。


始めに地図をもらった所に行き、コロサルタウンで便利な宿はないかと聞く。

Mirador Hotelというところがいいんじゃないかな、20数ドルだし

というナイスな情報をゲット。
さっそく紙に書いてオフィスに向かう。
紙には住所と電話番号を記入するよう書かれていたが、インフォメーションの人に住所を聞いても町の名前しか教えてくれなかったのでそこまで書かないでおいた。


オフィスに戻ると大人数の人たちを受付しており、それが終わると横入りしてきた女が長い時間占拠していたのでかなり待たされた。
荷物も重いし外に置いてきた自転車も心配だった。
後からきた女たちにまた横は入りされそうになったので、ドアの目の前でずっと待って場所をキープ。


やっとこちらの番になり紙を渡す。
資料やらシールやらに日付やサインやパスポートナンバーなどを書き込んでいる。
パスポートにビザのシールを張り終えたあと、100ドル払えと言われた。

さっきも言ったがベリーズの入国法などを少し調べてきたのだが、そこには50ドルと書かれていた。
だから出し渋って「50ドルって聞いたんだけど」と言うと「USドルだと50ドルだね」とあっけらかんとした表情で答えが返ってきた。
危ない危ない、間違えて100USドル出さなくてよかった、と20ドル札を3枚渡すと、

10ドルない? 釣り持ってないんだよね。




ここもかよ!!

20ドル札しか持っていないと言ってみたが、
しかしここで、アラスカで使わずに余らせていた大量の1ドル札のことを思い出し、なんとかこの苦難も切り抜けることに成功。


金を払うと、行っていいよ、とニコやかに言われ、再度イミグレーションへ。

今度は違う女が受付をしていて、多少の質問に答えると嫌みっぽいことを言われながらパスポートが帰ってきて、enjoyと言われた。
さっさと立ち去る。


今度はホールの目の前にある高速道路の料金所のような検問所へ言ってパスポートを見せる。

君フィリピン人?このリュックの中には何が入ってるのかな?どこ出身?そこのどの辺?中国とか韓国とかあるじゃん?その中のなんとかかんとか・・・

最後の方は聞き取れず、
ねえわかる?なに言ってるかわかる?
と言われたので困った顔を作ってアイムソーリーと言いながら首を振っておいた。
楽しそうに怒濤のごとく質問してくるその人から入国の許可が出て、やっとベリーズに入ることに成功。


もらった地図を見てみると、

 温かい人々があなたを待っています。

と書かれていた。



 _______________



今回はビザ作成の順番待ちが長かったので少し時間がかかりましたが、スムーズにいけばめちゃくちゃ早く終わると思います。
調べてみるとよく時間がとてもかかった、という話が多いのですが、タイミング次第ではささっと入れるのではないでしょうか。


結果としてわかったことは、
審査官は釣り銭をそろえていない ということと、
陸地づたいだと受け答えが適当でもなんとかなる ということですかね。

あと、中国人やフィリピン人に間違えられるということは、アジア系なら成り済ましが可能かもしれない、と一人ワクワクしていました。
現地の知識と言語さえなんとかなればなんとかなるかもしれないなぁ、と。
使いどころは今のところないんですけどね。



長くなったのでベリーズ国内の話は次の投稿にしたいと思います。



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