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となりの国

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旅人、王様気分にひたる 〜 Juigalpa、Nicaragua

 



教会裏でテント泊。


あまり眠れないかと思ったが、意外とぐっすり眠れ、
朝になってテントをたたむ。

まだイライラしていたので、隣の家の男がこちらに向けてなにか叫んでいたが無視してやった。

もうプンプンだ。

早くこんな村から出たい。

ここを出ても、30分おきくらいに集落が次々現れる。

そのうちの一つに立ち寄って少し休憩することにした。

店に若者が3人たむろっている。

店の中からおばあさんがギロリとこちらを見て、何が欲しいか聞いてきた。

飲み物を頼む。

商品を持ってきてくれ、値段を言い渡される。

大きな額の金しか持っておらず、それを渡すと

おつりないよ

とおばあさんは笑いながら言う。

イラッとする自分。

この辺の人間にまだ不信感を抱いていた。

するとたむろっていた3人が

向こうにも店があるよ

と教えてくれる。

ホントかよ、と思いながらそっちへ行ってみると、

さっきよりもほんのちょっとだけ、本当に少しの差だがちょっとだけ大きな店があった。

そこに張ってあったポスターにのジュースを頼むが、

ネグロ(黒の意、つまりコーラかペプシ)しかない

と言われる。

イラッとする自分。


それを頼む。

このふくよかな店員は人が通るたびに挨拶をしている。

たとえ気づかずに通り抜けられても、少し小声になって傷ついた様子を見せるが、めげずに挨拶し積極的に話しかけつづけている。

その矛先がこちらにも向いてきた。

どこにいくの? フイガルパかぁ、じゃああと20kmくらいだね! もうすぐ着くはずよ。

チキンを買いに来る客が多かったので1つもらえるか聞いてみると、

それが生肉なのか冷凍なのか、とにかく今すぐ食べられないものなんだそうだ。

でもフイガルパについたらたくさん食べられるから

とジェスチャー付きで明るく言ってくれた。

なんだ、全然悪い人いないじゃん。

どうやら昨日はたまたま変な村に迷い込んでしまっただけのようだ。

その店員に別れを告げ、たむろっていた若者に去りながらお礼を言って先へ進んだ。






道に看板が出てきた。
銀行にホテル、飲み屋など、大きな街を表すには十分な写真と文字が目の端をすり抜けて行く。

そうして州都Juigalpa(フイガルパ)に到着。


ジュース屋で飲み物を飲んでから街の中心部へと向かいつつ、ホテル探し。
最初に入ったホテルが、トイレシャワー別で150コルドバ(600円)とかなり安かった。
ここに決めようかとも思ったが、wi-fiがないということで別のところも探してみる。

それから2軒まわって、もう最初の部屋にしようかと諦めかけていたとき、
中心部をすこし外れたところにホテルの看板が目に入った。





これで最後、と中へ向けて声を発する。
すると後ろの家から人が2人出てきてこちらへやってきた。

この人たちがここの従業員のようだ。


中を見せてもらうと、








え?





あれれ?





なんだこれ!めっちゃ広い!!



これで300コルドバ(1200円)らしい。

ちょっと、安すぎじゃないですか?!


いや、普段ホテルで300はちょっと高い部類なんだけど、
この品質でこのお値段は買いでしょう。




このトイレの謎スペース!

なにこれ豪華。


キング
まるでキングのようだ。



捨てる神あれば拾う神あり とはこのこと。


最初のホテルのほうが安いのだが、こんなところ滅多に泊まれないわけだし、wi-fiも通じているらしいし、

せっかくだ、泊まっておこう。


だってこれを見逃したら、じゃあなんで世界旅行なんてしているの?
という話になってしまう。
節約は他のところで使うために節約するのです。

「他のところ」

それは


ということでここに決めました。
1泊の予定がなぜか3泊になったのは本当に不思議です。



ホテルのすぐそばには丘を見下ろせるようになっていて、これがまたきれいだった。













街中の様子はこちら。



カウボーイのような恰好の人がよく見受けられた。
メキシコからちょいちょい目にしてきたが、田舎のほうへ行くほどウェスタンスタイルが多い気がする。
馬に乗っている人も増えてきた。
カウボーイスタイルのショップも通りにあった。


こちらがカテドラル。



と、その向かいの広場にあるカフェで食べたサンドイッチとジュース。



ここは地元民に人気らしく、いつ行っても人が座っていた。
安くて早くてうまい。
とくにここのコーヒーがうまかった。



滞在3日目にして、なぜかネットがgoogleとyoutubeしか見れなくなった。
こちらのノートパソコンのせいなのかwi-fiの通信のせいなのかはわからない。

これではブログを更新できない、
と泣く泣くyoutubeで「水曜どうでしょう」を検索し、次の国・コスタリカをケラケラ笑いながら予習する。

ケツァールという鳥を見ようという企画だった。
あれ、こんな鳥グアテマラの山のほうで見た気がするけどなぁ…


ところで、
北海道出身だが、「水曜どうでしょう」を見たのはこれが初めてだ。
旅行の行程を動画に撮って編集している身としては、どうしても編集のほうに目がいってしまう。


なるほどね〜

とか

そうくるか

とか

いやーそれはちょっと間延びしすぎなんじゃないの?

とか
色々思いながらコスタリカ編を一気に見てしまった。

国の情報だけでなく動画制作という点でも勉強になった。

自分の動画に生かせるかどうかはわからないが。


本当はブログや文章の書き方も勉強しなきゃいけないんだけどね。









 




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おまえとりあえず200コルドバ返せよ

野球選手に見送られて、ニカラグア・テウステペのホテルから出る。

よし! と意気込んで出発したのだが、さっそく街中で迷い、しかも違う方角の道を進んでいたようで、

この町の入り口まで戻るのに1時間近くかかってしまった。


昼の11時。

テウステペのすぐ隣に小さな村があった。

こんな小さなところなのに、ホテルもあるしレストランやカフェ、コンビニまである。


進むべき道路に沿って店が並んでいるし、昨日はここに泊まればよかったかもしれない。

そうしたら迷わずにすんだのに。

なんて考えながら昼ご飯。


食堂は高かったので、ガソリンスタンドにくっついているコンビニでハンバーガーとコーヒを注文した。 

店員の女性も男性も笑顔で接客してくれる。

お隣の高い食堂とは大違いだ。

店員・男が

きみ日本人だろ? ぼくアニメが好きなんだ。

と少し遠慮がちな表情で声をかけられる。

漫画が好きという人は多かったが、アニメが好きというのはそんなに聞かなかったので、

Anime という単語を理解するのに少し時間がかかった。

アニメはアメリカのほうがレベルが高いと思うのだが、なぜ日本が有名になったのだろうか。

こっちでテレビを見る限り、海外のアニメはヌルヌル動くし3D技術も高いように見える。

コンビニから距離看板が見えた。



これまでの走行距離を大体で計算してみたところ、

グラナダから1日目が25km、2日目が35km、3日目が10km・・・


やばい。

全然進んでない。

これからはもうちょっと長めに走ろうと決め、店を出る。

    ↑次の町まではあと64km

それにしても今日は天気がいい。

標高が上がったのか、涼しく走りやすい。

汗もあまりかかずに走ることができた。

 
    ↑山が遠くの山まできれいに見えている


    ↑道路のすぐ脇にこんな景色

  
    ↑岩山がピョコンと顔を出しているのが目立っていた

ここは山道で、上りがあるがその分下りもある。

本当にキツく苦しいという道でもなく、走っているとだんだん楽しくなってきた。

景色もいいし、写真やムービーを撮りながら「楽しい、いやー楽しい」を連呼していた。


    ↑草原が木で仕切られている丘








    ↑馬に水をやっている。手を振ったら振りかえしてくれた


    ↑予想に反して、道路もきれいだった。町のほうでは道幅が広くなっているところも



しかし楽しいのもここまでだった。


いくつか大きめの町を通り越して先へ進む。
今日は調子がよく、どんどん走れて気持ちが高ぶっていた。

しかし調子に乗りすぎて、今日泊まろうと思っていた町までもすぎてしまっていたのだった。

今いる地点から州都Juigalpa(フイガルパ)まではちょっと距離がある。

1日で着ける距離ではあるのだが、今現在の時間と進むスピードを考えると、到着時には真っ暗になってしまうだろう。

この辺は治安がまだよくわからないので、それはできれば避けたい。


夕暮れが迫ってきているのだが、体も疲れている。

適当な村で飲み物ブレイク。

そこで幾人かに宿の場所を聞いてみるが、やはりフイガルパまでないという。

距離にして20~30km。

どうしようか悩むが、

悩んで立ち止まるよりも早く先へ進んだほうがいい

とあせってしまい、先へと急ぐ。

すぐに集落が現れ、そこには教会があった。

中をのぞいてみるが、誰もいない。
入り口も閉まっていた。

ここでキャンプできるかもしれないと思い、隣の家に話を聞きに行ってみるが話が全く通じない。
耳をかそうともしない。
なぜかやけにこちらを警戒しているようだ。



とりあえず腹ごしらえにすぐ近くのbarで料理を頼む。

料理を尋ねてみると聞いたことのない単語を言われ、聞いたことのない言い回しで値段は20だと言われた。

出されたものはビーフジャーキーのような固い肉だった。

キャンプできる場所を探していると店員のひとりに言ってみる。
すると、
「ここでキャンプしてもいい」と言われた。

その言葉に喜び勇んで料金を払おうと財布を出すと、

この料理が200コルドバ(約800円)だという。

これはありえない。

200コルドバ払えばかなり高価な料理を食べられるのだ。

こんなボロボロの店のこんな料理だったら50コルドバくらいのはず。

後ろで酒を飲んでいた客も飛び上がっていた。


しかしよく考えてみる。

最初に言っていた値段は20ではなく200だったのではないのか。

疲れていたのでよく聞き取れなかったのかもしれない。

それならばこっちのミスだ。


しかし、こちらの足下を見て値段を釣り上げたのはあきらかだった。

それは確実だ。

なぜなら、あとから来たライダーの客はスープを頼み、にこやかに店を出て行った。
不満げな顔は一切していなかった。

彼らは見た目金持ちそうではなかったのに。

しかも最初に聞いた時、料理はこれだけと言われたのだ。

スープがあるなんて言ってなかった。


してやられた。


しょうがないので渋々金を払い、このことはなかったことにした。
だってここに泊めてくれるんでしょ。

それじゃあどこに泊まってもいいのかと聞くと、

今度は100コルドバ払えと言う。

しかも聞き取れずに聞き返すとそのまま押し切るように「¿Si?(いいね?)」しか言わない。


腹が立ったので呪いの言葉を相手にぶつけ、睨みつけながらそこを後にした。

女どもはだらしなく笑いながら会話を続けていた。



教会の隣人が警戒していた理由がわかった。
こういうことだったのか。

最低な村だな。


もう暗くなっていたので教会の裏手にテントを張って、まわりを気にしながら寝た。



勉強料という言葉は好きではないが、

今回は5つほど反省点もあったので、まあそこまで気にするものでもないと自分を励ました。

次からは



 あまり疲れるまで走らず、

 空腹やのどの渇きは限界まで我慢せず、

 金銭はちゃんと聞き取れるまで聞き返し、

 小さい村だからと油断せず、

 おかしいと思ったら金を払わずにできるだけ長くぐずろう ←特にこれ



と改めて決意した。




しかしあの女達の押し付けがましい態度と偉そうな表情とこちらを笑うヘラヘラした話し方が気にくわなかったので、天罰が近々下るよう、やつらの神に強く祈っておいた。



夜、雨が降ってテントと自転車が濡れてしまった。

荷物類はテント内に入れていたので大丈夫だったが、居心地は悪い。




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バーベルのある暮らし 〜 Teustepe、Nicaragua



中米人の朝は早い。
メキシコ以南は皆5時くらいには起きて活動している。


チャリダーの朝も早い。
皆遅くても8時ごろには走り出している人が多い。


しかしバックパッカーの朝は遅い。
バスの時間があるので、早朝出発でなければ昼に宿を出る人もよく見る。



さて、ではバックパッカーでありチャリダーでもあるワタクシはどうなのか。

それはね、





朝遅いです。
はい。

そういうのもあって、いつも全然進めてません。




本当はあと5時間は眠りたいところ、
まわりが起き出したので朝の6時には起きなくてはならず、
7時前には出発する運びとなった。


眠い。
非常に。


商店の営業の邪魔にならないよう急いでパッキングしたため、何も食べずに出てきてしまった。
腹が減った。
まあそのうちレストランでも見えて来るだろうと走っていると、案の定大きなレストランを発見。
入ってみる。


物売りのおじさんたちが話しかけてくれ、なぜかウェイターの役割まで担っている。
どういう営業体制なのだろう。

頼んだ物はお好み焼きみたいなもの。
名前は忘れてしまったが、鉄板焼きみたいな感じの名称だった気がする。
見た目も味も沖縄のヒラヤーチに似ている。
一枚しか出されなかったので物足りないが、サービスで水を出してくれたのでちょっと得した気分。
値段も安かった。


    ↑日本人だと言ったら物売りの人が見せてくれた本。ポエムかな?


この先10km先にTeustepe(テウステペ)という町があり、そこにホテルがあるそうなので、
今日はそこで終了。
休みたいと思う。

久しぶりの走行だし、あまり無理してダウンしては良くない。
これ、旅行のポイントね。


    ↑朝走るのは気持ちがいい


とっととテウステペに着き、パパッと町の中に入る。
若干入り組んでいたので、たまたまそこにいた自転車タクシーの人にホテルはどこか聞いてみた。

ついてこい

と言ったか言わずかわからないが先に走り出し、そのままあとを追いかけると、
中心公園の目の前にある大きめの民家に到着。
そこがホテルらしい。

タクシーの男にチップを要求される。
まさか、道を聞いただけで金を取られるとは思ってもみなかった。
だって普段そんなこと全くないもの。

しかしこのニカラグア湖北の道路に入ってからというもの、金金言っている輩がたくさんいたのを思い出した。
ちょっと注意しなくてはならないようだ。

20円分やってあとはガン無視。
さっさとホテル内へ。


気の強そうな老婆につれられて中庭へ。
きれいに整えられていた。
部屋の中は清潔とは言えないまでも、悪くはない。

値段は、シャワーありトイレのみ別で一泊200コルドバ(800円)。
うん、まあいいんじゃない。
もちろんキャンプしたほうがタダだからいいのだけれど。


家族もしくは使用人の男女が庭の手入れをしている。
男性は少し英語を話せるようで、多少会話が成立した。
出発のときにわかったのだが、この人、ニカラグアのプロ野球選手だったらしい。
マウンドでボールを投げている写真を見せてくれた。


ニカラグアではサッカーよりも野球のほうが人気があるという話をグラナダで聞いたばかりだった。
中米なのに珍しいことだ。



    ↑トイレの横に花が咲いていていい香りがする



    ↑花壇と畑は手入れが行き届いている



    ↑野球選手の人が趣味だというバーベル。手作りかな。こっそり使わせてもらった



外へ昼飯を食べにレストランへ。

ウェイターとシェフを兼ねている人がこちらを見て

あ、日本人?

とまた当てられてしまった。

厨房のほうから厚紙でできた箱を持って来る。
表にはモノクロの日本の写真がついていた。

中は巻き寿司。
表面にとびっこがついている。

寿司、マナグアで買ったんだ。うまいよなあ!

なるほど、それでわかったのか。
ジャイカなどの日本の支援団体がマナグアで活動していることもあり、この辺では日本の知名度がやや高いようだ。
日本ってもっとずっとマイナーだと思っていたのになぁ。


    ↑レストランのねこ。すぐにどっかに行ってしまった



食事の最中、豪雨。

この町で休んでおいてよかった。
危うくずぶぬれになるところだった。



さて、昼寝も終わり、
雨は降ったりやんだりしているが、ここでネット回線を探すことにする。
数日間ネットを繋げていなかったので、そろそろブログを更新する時期かなーと思ったのだ。

色々歩き回ってみて、携帯ショップはあったが、どこにもネットカフェはない。
聞いてみるとやっぱりこの町にはないということだった。


警察のところに行って聞いてみる。
すると隣の建物へ連れて行ってくれた。

ここはツーリストインフォメーション。
無料でパソコンも使えるようだ。


wi-fiはないということだったが有線はあったのでノートパソコンに繋げて使う。


有線ってばすばらしい!
なんて快適!
一々設定しなくてもネットに繋がるのも楽でいい。


営業時間の関係でそんなに長い間は使えなかったが、
なんとかブログの更新とメールの返信をすることには成功。
よかったよかった。




夜は公園の中央にある安そうな食堂でディナー。


    ↑物欲しげな犬。かわいかった。赤め補正したほうがよろしかったでしょうか


当初は警戒していたが、この街もそんなには悪くない。



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酔っぱらいジミーとの思い出 〜 Las Banderas

他の旅人っていうのは、自分にルールを課したりしているのだろうか。

自分はそういうのが全然ない。



ルートやその日の目的地は直前まで決めないことも多いし、いつまでにどこに行くなどの時間の制約も設けていない。

すべての国に入国するだとか、各地の世界遺産をめぐるだとか、そういう取り決めも皆無だ。

自転車はただの交通手段のひとつであり、絶対に自転車以外使わないというわけでもない。

朝起きるのもその日によってまちまちだ。

ホテルに泊まったときなんかは、チェックアウトギリギリに(たまに数分オーバーして)出て行く、なんてことはざらだ。




この日もゆっくり起き、チェックアウトの9時ギリギリに出られるように支度をしている最中だった。



部屋の電話が鳴り響く。

出てみると、電話の向こうの男性がスペイン語でなにかまくしたてている。

聞き取れる単語を総合して推測するに、

「そろそろチェックアウトであり、それ以降は追加料金がかかる」という話だったのだろう。

もう出ます、

と言いたいが通じない。

9時に出る、

と言うと

夜の9時か

と言い返される。



5分経過。

時間がかかるので、日本語で

今準備しているから切りますね

と言って電話を置いた。

この電話のせいでチェックアウトが5分遅れてしまった。

なにか請求されたら嫌なので、さっさとホテルを出て行く。



ここ、ティピタパの町から大きな道路に入ることができる。

家は少ないが、人がたくさんいるので強盗などの脅威はそんなに心配することもなさそうだった。





その先San Benitoに辿り着き、安食堂で朝食とドリンク屋でプロテインオレンジドリンクを頼んだ。

そしてドリンク屋を右に曲がる。



ここからは山道だ。

腹は満ちたが、足取りは重い。

1週間強のブランクがたたって体に疲れが溜まっている。

自転車ごと後ろに引っ張られている感覚がある。

そしてこの小説風の書き方も久しぶりなので、少し違和感を覚える。





ボロボロの元簡易食堂のような小屋があったので、そこのベンチで一休み。

すると草原のほうから人が2人来た。

同じ場所に座る。

一人は水をのみ、もう一人は必要以上にでかい鉈でココナッツのような実を割っていた。

話しかけられたので友好的に返事しかえす。

この辺は危険だからバスを使ったほうがいい

と男は言う。

地図を取り出し、

リバスのほうは?

と聞くと、そっちもまあ危険らしい。

行ったことのあるチナンデガとレオンも指差してみた。

するとそっちは特に危険だと言う。

じゃあどこが危険じゃないの?

と聞いてみると

ニカラグアは全部危険だ

と答えた。

あー、こりゃあてにならんわ。

危険でもどこか選んで進まなくてはいけない。

200コルドバ払ったら車でSan Carlos(サンカルロス、国境付近の町)まで連れて行ってやる

と言われたが断った。

これが狙いだったのかもしれない。

この人たちが強盗をやっている可能性も高いので、仲の良い振りをして別れて去った。





その先すぐにLas Banderas(ラスバンデーラス)という村にぶつかった。

商店で飲み物を買ったついでに、この道は危険かどうか、店員の女性に聞いてみる。

すると

全然。夜も平気よ。あーでもバイクはちょっと危ないかもね

ということだった。

村の出口付近で小雨が降ってきたので、ちょうど目の前にあった店にお邪魔して、そこに隣接されている屋根のある空間で雨宿りさせてもらう。

すると突然の強風と豪雨。

これぞまさしくスコール、という感じの、
その名に恥じない勢いのそれはまさにスコール。

スコールの中のスコール。



雨宿りしておいてよかった。

酔っぱらいにからまれながら雨がやむのを待つ。

店の前に警官がたむろっていたので、話を聞いてみた。

サンカルロスまで行くが危険か、と聞いてみると、警察もパトロールしているしやはりそんなに危険ではないということだった。

しかし夜は気をつけたほうがいいとのこと。

次の町にはホテルがあるということで、今日はそこを目指すことにしようかと考える。




しばらく待っていても雨は降り止まない。

さっきの酔っぱらいが こっちへこい と言うのでついていくと、

彼はこの店の主だったらしく、

今日はここに泊まっていけ

と言ってくれた。

なんとなく信用できそうな気がしたのでここに泊まることに決定。

そして早速、グラナダで半額まで値下げして買ったハンモックが役に立つときがきた。

店と外の間には玄関フードのような隙間がある。

警察官と店番をしている奥さんがそこにハンモックをくくり付けてくれた。


これでノミにくわれることもない。



そのあとちょっとそこで昼寝をして、それからずっと酔っぱらいの男の話に延々付き合わされた。

彼は自分の知らない単語ばかりを使うので、彼の言うことの95%が理解できなかった。

しかし彼は知識があるようで、

日本と中国の違いは理解していないようだったが、核のことや中国映画のこと、戦争のことやナチスドイツの挨拶がどうとかという豊富な話題を語っていた。



もしかしたらTVが好きなのかもしれない。

そう聞こうかと思ったが、TVをスペイン語でなんと言うかわからなかったので通じなかった。

突然ジェスチャーゲームみたいなのが始まり、

こちらがジャッキーチェンとかブルースリーとか言うと「当たり!」と言ってすごく喜んでくれる。

酔いが強くなると父親がアメリカとの戦争で死んだことを嘆き、泣きながら

明日はいつ俺んちから行っちまうんだい

と聞かれ、小さな聖書を手渡された。

ジミーと名乗った45歳の酔っぱらいはいつの間にか床で寝てしまった。


でもこの人、懐中電灯盗もうとしてたけどね。



ここでは寝床のほかに夕食と水もくれ、しかもおかわりまでさせてくれた。

じゃがいもの天ぷらのようなキャッサバのフライがとてもおいしかったのを覚えている。




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