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となりの国

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辛さだけが旅じゃないと信じたい




 一行あらすじ

    田舎に泊まった




少しずつ走る楽しさが戻りつつあった。



    ↑景色もきれい



泊まっていたビジャリカからハイウェイへと戻り、なだらかな道をふんふん走っていると、看板が「Popayan(ポパヤン)はここを右に曲がりますよ」と言ってくる。

ずっと道に沿ってまっすぐ行けばいいのだと思っていた自分は「本当かよ」とうたぐりながら、しかし言われるままに右へ。




その先、山。





ずっとこんななだらかな易しい道が続くと安心していたのに・・・



安心なぼくらは旅に出ないといけないのか。



つまり今までの数日は旅じゃなかったのか。




久しぶりの辛い道のり。


ひーこらひーこら進んでいくが、一向に距離を稼げない。

今日ポパヤンに着くぞ!
くらいの意気込みがあったのに、その意思もはかなく消え去った。



    ↑平地なら77kmくらい行けるのになぁ



    ↑目の前には山



しばらく走り、気質のいい優しい村にぶつかったので、ちょっと早いがここで一泊しようと決める。



    ↑Dominguillo(ドミンギージョ)という名前の小さな村



はずれに建っているガソリンスタンドでキャンプ交渉。


すると、
このガソリンスタンドにはホテルが併設されている
とのこと。


お金を使いたくなかったのでキャンプしようと思っていたのだが、一応値段だけ聞いてみる。

一応ね。



料金は15000ペソ(700円弱)と安く、部屋も悪くない。
が、ネット環境はないと。




うんうん、ですよね。
こんな山奥でwi-fiがあるわけないよね。

今までだってそんなこと全然……え? あるの?
向かいのホテルにwi-fiあるの!?


しかも値段もここより安いの!?!?


そんなこと話しちゃってよかったの?


“戦友”と書いてライバルなの??






キャンプする気満々でもう今にもキャンプしそうな勢いだった自分が、それを聞いて一目散。

だってこんなところでwi-fiあるなんて思わなかったし、それを逃すとしばらくないかもしれないからもったいないでしょ。ね!



向かいのレストラン兼ホテルへ。

値段は15000ペソと一緒だったが、たしかにwi-fiがあると言う。
部屋もさっきのところより広い。

勢いに乗って部屋に荷物を置き、支払いを済ませた。



さきほど水を補給しに訪ねた感じのいいパン屋まで戻り、夕食用のパンと飲み物を購入。
すると、小さなパンをおまけしてくれた。


さっきなんて、この店に来ていたおばさんがこちらにジュースをおごろうとしてくれたりもしたのだ。
なんて心優しい人たちなのだろう。

しかしその時は水をたくさん飲んですでに腹がいっぱいだったので断ってしまったのだった。

悪いことをした。




ホテルに戻ると、疲れていたのだろう、そのまま夜まで眠ってしまう。

自転車と荷物を盗まれる、というか置いたまま忘れてしまう夢を見たので、現実では気をつけようと思った。




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走行中、最近よく考えること best 3

1、自転車がバイクに変形しないかな

2、路肩全部ムービングウォークにならないかな

3、地球の形やら重力の位置やらが曲がりなりにも変わってここが下り道にならないかな

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仮出発!



一文あらすじ
    カリのホステルでぐーたら




3泊したホステルからいざ出陣。


実は前日の夜に食事を探しにさまよっていたところ、偶然見つけた空手道場が気になっていたので、町を出る前にそこを見に行く。

行く道とは反対方向だが、ホステルからそう離れていない場所にある。




「忍耐道場 無限の力」 という名前らしい。
稽古厳しそう。


ちょうどふすまが開いて(もしかしたら開けてくれたのかもしれない)中が見える様になった。
奥には「空手道」の扁額。2階には「闘魂」の文字。

下のように閉じたふすまがかなり和風で浮いている。



とてもしっかりと作られている道場。

もっと早くに見つけていたら見学させてもらっていたかもしれないのに。
残念だ。



通りで見つけた中華料理屋でコロンビアンな昼食を食べて、町を出るために先を急ぐ。


決して昼食の部分にツッコんではいけない。

決して。




そうして道路を走るのだけど、国際空港があるくらいの都市だもの、そう簡単に出してくれないよね。

思っていた以上に広いのだ。
手に持っている地図の外側へ出てもなお店の並びは続いている。


今日もカリに泊まるのかとちょっぴりヒヤッとした。



    ↑遠くまで見える街並



    ↑闘牛場があったが、この日はやっていなかったのだろう、人は見当たらなかった



    ↑メキシカンなショップを発見。入りたかったが時間もあれだし何か買っちゃいそうなのでスルーを決め込む



    ↑カリの町外れあたりには花のタペストリー?ブーケ?がたくさん売られていた。宗教のお供えものだろうか





やっとこさ脱出できたと思ったらすでにいい時間である。

地図上では数ミリの距離。


こんなちょっとしか進んでいないのに今日の走行をやめるわけにもいかず、畑の広がるわびしい道路を次第に暗くなる空とともに走った。


このあたりは治安がかなり悪いらしく強盗被害があるみたいなので、さすがに人気のない場所での野宿は危険そうだ。

どこかの町まで辿り着かなくてはならないだろう。





空の機嫌は悪く、雨が降り出しそうな中見つけたのがVilla Rica(ビジャリカ)という町。
キャンプのためガソリンスタンドでもないかと入ってみる。


今までとは違い、町にいる人々は黒人が大半を占めている。


入口の雰囲気がよろしくなく警戒しながら入村していくが、中心部へ向かうにつれて明るい感じになってきた。

これならそこまで危険ではないだろう。


家と家は密集していて隙間がないし、大きなガソリンスタンドもないようなので、キャンプできそうなところはなさそうだ。



そこでとりあえず目についたホテルに入ってみる。

話を聞くと、部屋がすでにいっぱいであり、今日出る客はいるがいつ出て行くかわからないので2時間は見てほしい、ということだ。



近くにあるというもっと安いホテルの場所を教えてもらい、そちらへ。



・・・そちらへ向かっている途中で先ほどのホテルの人が自転車で追いかけてきて、

「部屋が今あいたからこっちに来ていいよ」



値段が高めだったのでお金がないことを伝えると、ここから交渉がスタート。

「ホテルの宣伝をしてくれたら18000ペソ(900円いかないくらい)でいいよ」

と言うので了解した。


25000ペソ(1200円くらい)の部屋を18000ペソで使えるのならかなりいいところまでいっているのではないか。

普段そこまでしつこく交渉しない自分にしてはかなり頑張った。







部屋はすごーく広い、というわけではないが十分な広さはあり、きれいに掃除もされていた。

水シャワーの出は悪くチョロチョロとしか出なかったが、バスルームはとても広く使いやすい。

wi-fiは夜の10時頃までの最繁時はかなりプツプツしていたが、それ以外の時間はスムーズだった。

あと、部屋になぜかラジカセが置いてある。

ベッドには枕の他にクッションが2つ置かれていて楽な姿勢でパソコンやテレビをみることができた。

チェックアウトが昼の2時というのもポイントが高いだろう。




一階にあるレストランで食事をとりにいく。

お値段は5000ペソ(250円とかそのへん)と、コロンビア全体で見ればまずまず。
ここの辺りではまあまあ安い方だと思う。


この日はビーフのレバーのあっさり玉ねぎソースがけ(すごくうまい)とライスを、出てきた量と同じ分だけ継ぎ足してくれた。
つまりほぼ2倍のおかわり。

あまつさえバナナパウンドケーキまでおまけしてくれた。


腹はひさしぶりにいっぱいになり、これには大満足。



ちなみに次の日、出発する前にもここで食べたが、忙しかったせいもあったのかもしれないがこのようなサービスはなかったことをここに明記しておく。
普段はこんなことしていないのかもね。





まあとにかくスタッフもフレンドリーでいいところだったので、よかったら行ってみるのもいいかもしれませんね。

っていうか行く人も行ける人もあまりいないだろうと思いますけどね。
カリからそう離れていないし。





〜ホテル情報〜



  El Saman Hotel
      Calle 4 No 7-56 Villa Rica(Cauca) ・・・セントロの目の前
   311-868-6435/314-815-1555

facebook
   https://www.facebook.com/pages/Hotel-El-Saman/611942482234354?hc_location=ufi




※途中Jamundi(ハムンディ)という町に着きましたが、近くに宿が見当たらなかったこと、もう少し距離をのばしたかったこと、あまりこの町が気に入らなかったことを理由に、かき氷だけ食べてそのまま通り抜けました。




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3回目のカリにて



これまでのあらすじ

  自転車がパンクしながらコロンビアのカリに到着。




ホステルに泊まりまずしたことは、向かいの自転車屋でタイヤのチューブを購入することだった。

店の外観とは裏腹に品揃えは良くなかったが、よさそうなチューブは一応あったので2つ使う。


今までのチューブはかなりの粗悪品だったらしく、すぐに裂けるし空気の入れ口部分も空気入れと繋ぎにくかったのでかなり不満だった。

やっぱり安いのはよくないということか。



今まで少しずつ編集してきたyoutubeの動画を一気に仕上げ、アップロード。

これがエンコードに4時間もかかってしまい、色々いじっているうちに朝になってしまった。
さすがにノースリープ状態で走りたくないので、ここでの宿泊をもう一泊追加。


宿泊費も安くはない。
夕食をインスタントラーメンにして出費を防ごうとするも、やはり痛い。



    ↑日清のインスタントヌードル




ここで仲良くなったのは夜番を担当しているホステルのスタッフ。
アメリカの学校へ行っていたそうで、英語はペラペラだ。




彼は朝までネットゲームをしていたのだが、それがずっと気になっていたドフス(Dofus)というゲームだったので、エンコードの暇な時間に勝手に見せてもらっていた。


そうするとそのスタッフは英語で今なにをしているところだとか戦い方の説明とかを逐一説明してくれる。

英語もそんなにできるわけではないのでその解説の半分もわからなかったが見ているだけで面白かったし、なにより一緒に夜遅くまで起きているというのが楽しかった。

お泊まり会のような心境といって良いと思います。



そんな感じで、3回目のカリは観光はほどほどに室内ですごしたのでした。






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TuluaとCaliのあいだ




トゥルアからやっと出発できる。

3週間という長い時間をすごして、そろそろ自転車で走りたいと思っていたところだった。



    ↑ニカラグアの日本人チャリダーにもらったタイヤと交換。パンクしにくいやつなんだそうだ



    ↑トゥルアの街中で撮った、魔女の薬が売ってそうな店



いざ走り出してみると、やはりウィリアム君とちゃんとした別れが言えなかったのが尾を引き、なんだかいつもより楽しくない。

しかも外に出てすぐに降ってくる雨。
気分は乗らない。

雨宿りして空の様子を見ながら、昼過ぎに町を出ることができた。


出発が遅くなったおかげで今日はあまり走れそうになさそうだ。



    ↑途中でブドウミルクジュースを嗜む。おいしい



    ↑気分は落ち込んではいるが辺りはいい景色


    ↑高い山の間の平地を走っているので左右どちらを見ても山が見える。起伏もなく走りやすい



この日は20kmさきにあるBuga(ブガ)という町で一休み。


町外れを歩いてみると、あたりはとても静かだ。
しかし治安が悪いのかというとそういうわけでもなさそうで、見る人々はみんな笑顔を浮かべていることに驚いた。

最近はここまで治安のいいところにいなかったので、その空気に安堵しリラックスできた。

のんびりと町を歩く。


    ↑最近よく見るボードゲーム。4つくらいある駒を2つのサイコロで進めていくらしい。大きな数字が出ても一発で止まるマスがわかるのがすごかった





ブガからカリまでの距離は大体75km。
一日で行ける距離だが、今の自分は体ができていないので行けるかどうか微妙なところである。

まあとりあえず走ってみましょう、ということでブガを出発した。



 

途中のガソリンスタンドの横のレストランで食事。

ここは高かったのでスープだけ頼んだのだが、英語が使える女性の客がこちらに食事とゲータレードをおごってくれた。

10000ペソ(今レートが2200ペソ=100円らしいので、454円くらい)もするご馳走をおごってくれるなんて。
感謝感謝。

鶏がホワイトソースで絡めてあってめちゃくちゃおいしかった。






そのまま道路を直進する。
時速100km看板があるが交通量はすごく多いわけでもなく、スピードもここまで出している車は少ない。





木に巣食うクモの巣。





見渡す限りに緑の波がうねる。

そう、まわりはさとうきび畑で囲まれている。
そして奥には高山がそびえ立つ。




そしてついにゴールが見えてきた。



    ↑カリまでもうちょっと


パルミラという町も近くにあるらしく、どちらに行こうか迷った。

「パルミラ」という名前が気に入ったのだ。
それにパルミラのほうが10kmほど近い。
安全を取るにしてもこちらのほうが無難だ。


迷ったが、カリへ直接向かうことに決定。
早めに着いて向こうでゆっくり休むことにする。

そうと決まれば日が沈む前に宿を見つけなくては。



    ↑もうすぐ日が暮れらぁ



もうすぐカリへ入る、というときになってなんとタイヤがパンク!

あと5kmだってのに。
ひどい・・・



急ぐため修理パッチは使わずチューブを交換。
このチューブは前から調子が悪かったのでちょうどいいだろう。



路肩で修理を超特急で終わらせ、また自転車を進める。


自転車もザックもすごく重く感じる。

ふくらはぎは突き刺すような痛みがあり、腰はガタガタだ。
完全に筋肉痛である。

しかしそれに構ってる場合ではない。
早く進まなくては。








町に入ったときと日の入はほぼ同時だった。

とりあえず一安心して、ちょっとスラムっぽいところだったがジャンクフードを売っているワゴンで夕食にチョリソーを一本購入。

そこのおばさんと会話しながら、飲み物を2杯もおかわりさせてくれた。


そのそばに安いホテルがあるとの情報を入手したのだが、そこが見つからなかったので前にも泊まったホステルを目指すことに。



地図を見ながら今の居場所を想像し、危険と言われる真っ暗な街を走り回ること3時間。

ホステルに着いたときには夜の9時を回っていたとさ。



途中でタクシーの運転手に、危険だからと道を教えてくれた。
あんなに感じの悪かったカリのタクシー運転手だが、中には親切な人もいるものだ。



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