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となりの国

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おとぎの島 〜 グアテマラ Santa Elena、Flores

昼近くに起きると頭が酷く痛く、視界がぐらんぐらんしている。

かなり具合が悪かった。

もう一泊したかったが、本当は昨日次の町に行くつもりだったので、無理をしてチェックアウトギリギリにホテルを出る。


天気は悪く、時々しずくが顔にかかる。

ココナッツしか置いていない露店が並ぶ通りで少し休憩しつつ、30km先のSanta Elena(サンタエレナ)に着く。

今日は贅沢をしようと、高いホテルの部屋をとり、スーパーやカフェ、バーガーショップでたくさん金を使った。

ベリーズで盗まれてしまったスパイス系も買い足す。
コーヒーと粉ミルクも一緒になくなっていたのだが、これはまだ買わなくてもいいだろう。
どこでも売ってるし。


 

帰ってから部屋でネットをしながら食べて飲む。

この辺は料金が高いらしくwi-fiが通っているホテルがあまりない。

ネット屋でも制限がかけられていたりするところがあったほどだ。

カナダの中部・北部を思い出した。

次の日は気になっていたFlores(フローレス)という町を見にいってみる。

フローレスはこのホテルのすぐ目の前のにある橋から行くことができる。

地図では湖に浮かぶ島になっていて、一目見て興味をもったのでここに来たのだった。


    ↑ほら、楽しそうでしょ


    ↑フローレスへ続く橋

橋を渡り島に入る。

警備されており、すぐ隣なのにサンタエレナより治安がよさそうだ。

家はそれぞれたくさんの色一色で塗られており、それがカラフルな街並を作っていて、おとぎの国のように可愛らしい。

歩いてもすぐに一周できるくらい小さい。

中央の丘になっている所に教会が立っていて、中でミサをやっている。

今日は日曜日だった。

教会の内部は天井に白い布が幾重にもかけられており、カーテンを縛ったような状態で垂れ下がっているのがきれいだった。

フローレスのレストランで昼食を食べた。

高かったので、タコスを注文。

それでもかなり高い。

しかし高いだけありすごくうまい。

屋台のタコスとは違い、小麦粉か片栗粉かなにかで具にとろみをつけてあり、肉や野菜の量も多い。

トッピングでつけられるトマトとコリアンダーのソースも香りが高くタコスによく合った。

タコスは当たり外れが本当に大きいのだが、ここは当たりだ。


    ↑カフェからの眺め

そういえばメキシコではよく屋台のタコスを食べていたのだが、あれを食べるとなぜか元気が沸いてきた。

あれはなんだろう。

さすがメキシコのソウルフードだけあるといったところだろうか。

2、3周して島を出る。

今日は島をちらっと見て先へ進むつもりだったが、遅くなってしまったのでまたサンタエレナに泊まることにした。

安めでいいホテルを見つけ、自転車を部屋に入れていいか交渉し成功した時点でスコールが降って来た。

ホテルをとると、雨が降ってくる。

これ、よくあること。

雨が止んでから、ホテルの裏手にある小さい船着き場で存分にオカリナを吹き、夜は隣のバーで蚊に刺されながらおいしい安料理を食べた。





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ティカルでティカレル

今日は遺跡ティカルへ行く日だ。

黄色い服を着た宿の男性に、ティカルへ行くなら荷物を置いておいてもいいと言われていたのだが、

ティカルの国立公園内にキャンプ場があるみたいなので荷物をすべて持ってそこに泊まることにした。

この街を出てもすぐに次の村が現れる。

ほとんど距離は変わらないのに、ここは旅行者向けの雰囲気がなく、民家と花や木々がうまく融合している。

『赤毛のアン』に出てきそうな綺麗な田舎という感じの雰囲気だった。

そしてすぐに急な坂になる。

これが「例の」か。

噂に違わぬ急勾配だ。

自転車を押して歩くがすぐに息が切れて足が動かなくなる。

これまでいくつかこういうキツい上りを体験してきたが、こういう時はいつもいつも思う。

初期の『ドラゴンボール』に出てきた「ホイポイカプセル」と『ドラえもん』に出てきた「傾けると地面の傾斜が変わる杖(正式名称は忘れた)」が欲しいと。

ああ、やっぱり荷物を置いてツアーバスで来るべきだったかな…と後悔し始めてきたあたりで坂の頂上に到着。

その間約1kmくらいだろうか。

上にはまた村があり、すぐに現れた店で瓶のコーラを頼む。

店員のきれいに年を取った女性が「自転車で来たのか」と聞いてくる。

大変だったでしょう。

こちらは日本語とジェスチャーで対応。

しかしなんとか通じるもので、意思疎通を図ることに成功した。

工藤静香の「嵐の素顔」という曲の前奏の振り付けを発展させたようなウェイビーな手の動きをして聞くと、相手も一瞬だけ同じように手をふにゃふにゃと動かす。
きつい坂はここまででこの先は若干の上りだけしかないということがわかった。

 

この”上の村”にも観光色がなく、穏やかで温かい雰囲気があった。

木漏れ日が似合うというか、静かなのだがどこからか笑い声が断続的に聞こえてくるような、そんな村だった。

その後いくつかの家を通り越し、あっという間にティカルのゲートまで着いた。

着いたとたんに係員に声をかけられたので、キャンプをしたい旨を伝えると、

3時半から入場すれば明日まで有効のチケットになるよアミーゴ~。君は自転車だから2時半でOKさロシナンテ~。

ということで1時間早く入れるようになった。

自分としては別に3時半まで待っていてもいいのだが、この際だ、早めに入らせてもらおう。

現在12時ちょいすぎ。

時間つぶしに隣の店へ行って、どれが一番安い飲み物かを聞いてみた。

やっぱり一番安いのは瓶のコーラだったようで、ここでは4Q。

それとは別にコップ1杯の水だけならタダでくれるという。

せっかくなので両方もらう。


 
   ↑無料の水(右)と袋に移してもらった4Qのコーラ(左)

そうこうしているうちに時間は過ぎ去り、2時半になった。

係員と一緒に中へ入りチケットを買う。

150Q。

うーん、高い。

チケットは無くさないように、また買う羽目になるから、と係員に念を押され、財布に入れて自転車をまたぐと、

ティカルまで自転車で1時間かかるからね~

と係員。

マジか!!

それで自転車は1時間早く入場なのね。

ジャングルの中を突き進むと様々な動物注意の看板を見かける。

いやーヘビとは一人暮らししていたころに仲が良かったというか、運命?因縁?そんな仲だったんですよね。

道端で1日に3度ばったり出くわしたりとか、街中のヘビなんていそうにないところで道を横切っていったりとか、アオダイショウがウヨウヨしているところでキャンプしたりとか。

ホント家の中に出てこなくてよかったですよ。

小さい頃は写真を見るだけでもダメだったけど、その頃には少し遠巻きに行き過ぎれば大丈夫にまでトラウマは克服していたのでよかったんですけどね。


これは・・・・・・パンサー?

え、危ないんじゃないの?

いやまさか、なんだろうこれ。

ヒョウ? 虎?

これは動物注意だわ。


これはなんだろう。

遠くから見たときは一瞬ワニかとも思ったけど、違う。

アリクイか。

バク? マレーバクなの?

とまあ他にも色々な動物の絵がシルエットクイズのように出てくるのを楽しみながら、下り坂が多かったので意外とスムーズに進むことができた。

そして1時間半後、やっとティカルの中心部へ到着。

すぐそばに見えたレストランで昼食と夕食を兼ねた食事をする。

少し高かったがクラブサンドイッチというのを注文。

これが旨味が効いててものすごくおいしかった。


    ↑入り口付近の建物にあったもの。日本が何かしているのか

インフォメーションへ行くとスタッフが

あなた日本語をしゃべれますか?

と英語で聞いてきた。

あ、はいしゃべれますよ、と英語で返すと

あー私はしゃべれないんですけどね。

というジョークを飛ばしてくる。

うん、知ってた。

けれどこの辺は日本人もよく来るらしく、簡単な単語なら言えるというスタッフも幾人かいた。

それで、そのジョークの人が言うには、ティカル遺跡群へは夕方6時まででキャンプ場でキャンプをするなら向こうでチケットを買ってこないといけない、ということだった。

キャンプチケットを50Qで買う。

うあー、高い。

このあといいことと悪いことが交互交互に起きて、それはまあ大変だったのだけれど、その話は割愛することにする。



    ↑ちなみにこれはキャンプのお隣さんにもらった肉とトルティージャ。

次の日、朝5時に起床。

6時過ぎに荷物をまとめて遺跡を見にいく。

前回の投稿で話した本だけでなく、メキシコシティで会った日本人バイク旅行者の女性もティカルはよかったよと言っていたので楽しみにしていた。

しかし、昨日の夜キャンプ地で聞いたところによると、

この日はちょうど、日本でいうゴールデンウィークのような祝日で、地元民が遊びにくるのでどこも込んでいるという。

やけに人が多いと思っていたが、どうやら来るタイミングが悪かったようだ。

遺跡群ゲートの中もかなりの広さを持っており、

重い荷物を背負って疲れ、喉が渇くが水は自転車につけたままだし、朝食を食べていないので腹も減っているし、置いてきた自転車が心配で気が気ではなく、

もう戻ってしまおうか、なんでここに来たんだろう、と気持ちが後ろ向きになっていった。

本には展望台のように遺跡に登れ、そこからジャングルを一望できると書かれていた。

しかしそれらしいものは見つからない。

ああ、もし空を飛べたらそんな風景いつでも見られるのに、人間はこんな重い枷を背負わされ、地面に這いつくばりながらにじり歩いていくしかないのか・・・

などともうよくわからないことを淡々と考えていた。

するとどこかから日本語が聞こえたのでそっちを見てみると、日本人が北米から来たであろう人たちの写真を撮っていた。

きっとガイドの人だろう。

こんにちは、と通り過ぎざまに挨拶して遺跡に登ってみる。

ここも違う。



    ↑それでもいくつか写真は撮って来た


    ↑これがあの看板にあったバクっぽいやつか!これは、猿?アナグマじゃないだろうし…?

本当にここはルートなのか?というような小道を通り過ぎると売店があったのでゲータレードを買って飲む。

うまい。体に染み渡る。

よくゲームなんかで回復アイテムに飲み物とか食べ物の名前を付けているのをよく見かけるが、

実はあれ、現実でも本当に疲れが取れるのだ。

その点だけはファンタジーではない。

まあ傷が治ったりはしないのだけど。

元気がみるみる出てきた。

飲み物は即効性があるが、その分保ちがよくない。

先を急ごう。

と、目の前に木でできた階段があった。

これは、と思い登ってみる。

すると目の前には

「これはすごいな」と声が出てしまった。

まさに本で見て想像していた通りの光景が目の前に現れた。

天気が悪いせいで奥に霧がかかっているが、それでも絶景と呼べる代物だった。



    ↑少しずつ太陽が出てきた

しばらく眺め、ムービーを撮ったり写真を撮ったりしていると別の人たちが登ってきたので下に降りる。

もう疲れたのでさっさと戻ろう。

なにより自転車が心配だ。

もう盗まれたくはない。

自転車の無事を確認し終えたころには雲の隙間から青空が顔を出し、もう少しで晴れそうだ。

チケットは今日の夕方6時まで何度でも出入り自由だった。

だがもういい。

疲れたし、また自転車の心配をしながらあそこまで戻りたくない。

それに人も増え出した。

きっと晴れた景色はよりきれいだろうけど、もう満足だ。



メキシコで買ってずっと取っておいたトレイルミックス(ナッツとドライフルーツをごちゃ混ぜにしたの)を一気にかき込んだら、

さあ、帰るよ、

と自転車に声をかけ、あの賑やかなレマテの街に戻っていった。

この日は先に進もうと思っていたのだが、レマテのホテルで1泊することにした。


    ホテル前の湖は泳げる。


夕食を買いホテルへ戻る途中、日本語で挨拶されたので振り返ると日本人の女性と黒人の男性が立っていた。

きっと国際結婚をしたのだろう、2人でここに旅行しに来たのだと話していた。

数分間久しぶりの日本語を堪能し、別れた。

その女性はたぶんスペイン語が染み付いているのだろう、別れ際に「また後で」と言っていた。

後で会う約束はしていない。

彼女ともう会うことはないことはわかっていた。



http://www.nicovideo.jp/watch/sm23842326






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理想郷ティカルの消滅、El Remate in グアテマラ

朝起きてテントをたたむ。
雨が降りそうな天気だ。

自転車を走らせると思いのほか早く次の目的地、El Remate(エル・レマテ)へのT字路についた。



ホテルがあったので、試しに値段を聞いてみると240Qだそうだ。
うーん、まだ金銭感覚が整っていないけど、これは高いよなぁ。


道を右に曲がると左手に巨大な湖が見えた。
そしてたくさんの車や人が行き交い、サイドには建物が並ぶ通りになる。




町へ入ってすぐに目についたhostalへ行き泊まる所を確保。



ここは1つの大家族が経営しているようで、その中の一人である黄色いシャツを着た若い男性に案内される。
テント泊は25Qで部屋は35Qだそうだ。
やっぱりさっきのホテルは高かったのか。

部屋はドミトリーと言っていたが、連れてこられたのはベッドが2つしかない個室だった。
ベッドには蚊帳がついており、室内も清潔だ。
電球も1つついている。
鍵はないが、ここの家族を見る限りきっと大丈夫だろう。
携帯の電池がもうないので、コンセントがないのが痛いところだ。





台所で洗濯をしてもいいと言ってくれたので洗い物を持っていくと、家族の父が自分のコレクションを見せてくれた。


    ↑上に四角いus$コインが!すごい



自分で赴いたり人から買ったりして集めた外貨のコレクションだった。
これでもほんの一部らしい。

色々なデザインやカラフルな色彩が施された紙幣、独特な形を持った貨幣。
外貨を見るのが好きなのでなかなかおもしろかった。
特にたくさんの色を使ったお札があって、どこの国かは覚えていないがそれがきれいだった。
しかし偽造を防止するためにこんなにもデザイン性が向上されるというのも皮肉な話だ。



洗濯も終わりシャワーを浴びて街に繰り出す。
すぐ近くでインフォメーションセンターを見つけたので入ってみると、さっきの黄色いシャツの人がいた。
ここが本業の仕事場らしい。
広域地図とこの辺の詳細地図をもらい、ちょっとした街の説明をしてもらう。

他に何かないか探索していると、ツアーと書かれた店から人が出てきて中へ呼び込まれた。
ティカルという遺跡のバスツアーをやっているらしい。

150Qで朝日か夕日を見るガイド付きのツアー。
自転車で行くのは大変、坂が急でシンドイ。
ツアー代以外にもティカルの入場料150Qかかる。

という情報をゲット。

しかし。



ティカルはこの旅で一番楽しみにしていた。
石田ゆうすけという人が本の中で世界一にあげていた場所なのだ。
きっと人がいなくて村とかもなくて神聖で荘厳で霧に包まれたような、そんな場所を想像していた。
しかし、ここですでに、何重にも観光向けに搾取するようくくられた、歴史としてではなく現在の生活の餌にされる遺跡というのが目に見えてしまった。

なんだか残念だった。


だがそのおかげでこの街はかなり活気があり、建物はほとんどホテルかレストランで、夕方になれば出店がずらっと並ぶし、警察が見張っていて治安も悪くなさそうだった。
湖からは遠くまで景色が一望できる。
観光として割り切ってしまえば居心地もよく、ジョーダン好きのここの人たちも明るくやさしく良い所だった。


無料で宿のキッチンを使わせてくれるということだったが、帰りが遅くなったので屋台の鶏肉を食べる。
値段は20Q。
量は少ないがおいしかった。


明日は自転車でティカルへ行ってみよう。



そういえばhost”e”lとhost”a”lってなにか違うんだろうか。
ずっと英語とスペイン語の違いだと思っていたが、メキシコのサカテカスで日本人旅行者は違いがあると言っていた。
ただ本人もどこが違うかはあまり覚えていなかったらしく、結局わからずじまいだった。




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思い出をおいていく [5カ国目グアテマラ入国 〜 Yaxha手前]

さて、ベリーズの国境でどうしたかというと、


まずは両替屋のおっさんが近寄ってきて不適な笑みで両替しないかと近寄ってきた。
両替はするつもりだったので話を聞く。
メキシコペソが余っていたのでそれを出すと、ペソは40だと言う。
40と言われてもまったくわからない。
これはいいのだろうか、悪いのだろうか。
念のため「45は?」と聞いてみると、「無理だよレートは40だから」と返された。
計算してもらうが、グアテマラのケツァールの値段を聞いてもやっぱりわからない。
その後は言葉が通じずに交渉は決裂した。

よし、じゃあこれを基準にして他も見てみよう。

次に声をかけてきたおじさんに聞いてもレートは「40」らしい。
まず先に出国手続きをしたい、
と言うと、イミグレーションへ案内してくれた。


建物の中で受付のおねえさんが「こちらが最初だ」と呼び止めてくれ、
英語で書かれた出国カードを受け取る。
電子辞書がないので戸惑っていると、おねえさんがはつらつとした声で逐一説明してくれた。
最後にベリーズで使った金額を計算し、記入完了。
笑顔で「次はあそこへ行ってね」と促される。

そこで出国税を37.50ベリーズ$(18.75us$)払う。
高い。

次にスタンプを押してもらい、終了。
とても丁寧で明るい出国だ。
国境というのはもっと厳つい感じのイメージだが、ここはそんなことなかった。


その出口で男が二人立っていて「両替は済んだかい」と話しかけてきた。
レートを聞くと、「45」だという。
「45」が相場から見てどうなのかよくわかっていないが、さっきより数字が大きいし得な感じがする。
どうせどこも手数料としてレートを下げているだろうし、ここ以外は国際空港を除いて両替できないだろう。
もう面倒だったので、”ボーダーなんとか”という名札を下げたその人達にペソとベリーズドルの両替を頼んだ。
さっきのおっさんと違い、細かいコインも回収してくれたのでありがたかった。


自転車を置いてきているので戻って門から出国する。
パスポートを見せると見張りの女性が「行っていいよ(親指グッ)」と言ってくれた。

どうなってるんだ、ここは。
入国時のギスギスした感じはどこへ?



すぐにグアテマラのイミグレーションになった。
自転車を置きながら銃を持った兵隊さんに「これ見張っててね」というと、何も言わずに「わかってるわかってる任せとけって」という顔をしてくれる。

自転車に鍵をかけ終わったあたりで、紙を持った女性がこちらへ向かってきた。

グアテマラに行くんでしょう?

手に持っているのは入国カードか。
書いてくれるのだろうか。
それともただのアンケートかもしれない。

出身地は?
どこへ行くの? ティカル? ここも、ここも行くのね。そう。
そういえば地図は持ってる?
じゃあタダであげるわね。

という小川の流れのような彼女の導きで立派な地図をゲット。


    ↑なんとこの地図、標高も書いてあるし、


    ↑距離まで載っている。文句無し。最高。


次にあっちでチェックを受けておいで

という言葉に従い入国の列に並ぶ。
順番はすぐにやってきて20Q(ケツァール = 13円らしいがこの時はまだ知らない)を払い、スタンプを押す。










え、もう終わり?

こんなんでいいの?
もうちょっとさ、こう質問とかさ、ないの?
ほら、あのテンプレートになってる「入国の目的は?」とかは?
どこに泊まるかとか聞いてもいいんだよー。
今回はちゃんと調べてあるよー。



前回の苦労はどこへやら、短時間かつ楽に入国が完了してしまった。


本当に入ってもいいのか不安になりながら国境沿いの町へ。



久しぶりのスペイン語に少し感動する。
ああ、懐かしのスペイン語よ。 ※著者はスペイン語はしゃべれません



物価がまったくわからないので、とりあえずコーラの値段を確認。
ふんふん、ここは350mlで3Qなのか。

ベリーズでは1ベリーズ$(50円)
メキシコではレストランでしか瓶は飲んでいないが、10〜12ペソ(80〜96円)だった。店で買えばもう少し安いはずだ。

感覚を掴むまではコーラ何本分の値段かという”コーラ算”で計ることになるだろう。


ちなみに、ここでは安かったがもっと先へ行くと4Qが普通で、所により7Qなどもあった。



この国境沿いの町はすぐに終わってしまい、そこを抜けるとジャングル風の山道になった。
ボロい石の家がちらほら見える。


走っていると視界が突然オレンジ色になった。


太陽が雲にかかったようだが、なぜオレンジになったのだろう。
不思議だ。 



グアテマラ東部の景色はこんな感じ。
メキシコ南部よりジャングル感が増している。



じつは朝から何も食べていなかったため、小さな村の食堂かどうかもわからないような小さな食堂で食事を注文する。

なんて言っているのかわからなかったがとりあえず値段を聞くと、なんと30Q。

たっか!


あれ?これは高いんだよね。
今までの経験からすると、コーラが3Qだとして7掛けの20〜25Qあたりが妥当なんじゃないかと予想。
しかしここで食べておかなくてはこの先食事にありつけるかわからない。
覚悟を決めて注文。


すると、


白身魚の丸焼きが出てきた。
海鮮料理はどこも高いので、それで瓶コーラ10本分なら安いかもしれない。
トルティージャが一緒に出てきたのを見て懐かしくなりながら食べる。


うん。
とてもおいしいけど、食べるところが少なくてちょっと残念。

まあいいか。



この辺はなんにもないところかと思っていたが、意外と村が多く立ち並んでいた。
途中で出会ったおじさんに話を聞くと、この先フローレスというところまではそんなに危険はないらしい。
ただ半分以上何を言っているのかわからない状態なので、本当にそういう意味だったのかはわからないが。


そしてあいかわらずの山道。

これ、わかりますかね?
ものすごい急なんですよ。


これが何度も何度も現れて体には疲労がたまり、3ℓ以上入れていた水もそこをつきそうになる。




いつのまにかベリーズでの嫌なことを忘れかけている自分がいることに気づいた。
国を離れグアテマラに場所を移ったからだろうか。
嫌な記憶は時間が解決してくれるとよくいうけど、
時間だけではなく距離も重要なんだろう。

再度ベリーズに来ることがあれば、その時にはこんな辛い思い出はボロボロに朽ち果てていることだろう。
2度の盗難を除けば、ベリーズはとてもいい国だった。



Yaxha(発音がどうしても聞き取れないが、文字通り読むとジャスア)という町へ続くT字路のあたりへ到着。
ここらは宿もキャンプ場もないということで、そんな話をしてくれた人の許可を取り、
彼の家の前にある元商店だったであろう場所でキャンプさせてもらうことにした。


そういえばあまり蚊がいない。
道中歌を歌ったていたら息がかなり切れたし、標高がちょっと上がったのかもしれない。

ただしハエやゴキブリは普通に生活していた。



グアテマラに入ってやっと携帯が繋がり、気づくと50件くらいメールが届いた。
ほとんどがクレジットカードの使用確認メール。
ベリーズでちょっと使いすぎたか。




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