- 2024/11/21
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今のところ自転車でなんとかやりくりしつつ 踏ん張りながら だましだまし 時には励まし合い時には喧嘩もしながら一人で世界を旅行中です。よかったらpart2 現地情報ややってほしいこと、知りたいことなどありましたらコメントかメールにて受付中!
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昼近くに起きると頭が酷く痛く、視界がぐらんぐらんしている。
かなり具合が悪かった。
もう一泊したかったが、本当は昨日次の町に行くつもりだったので、無理をしてチェックアウトギリギリにホテルを出る。
天気は悪く、時々しずくが顔にかかる。
ココナッツしか置いていない露店が並ぶ通りで少し休憩しつつ、30km先のSanta Elena(サンタエレナ)に着く。
今日は贅沢をしようと、高いホテルの部屋をとり、スーパーやカフェ、バーガーショップでたくさん金を使った。
ベリーズで盗まれてしまったスパイス系も買い足す。
コーヒーと粉ミルクも一緒になくなっていたのだが、これはまだ買わなくてもいいだろう。
どこでも売ってるし。
帰ってから部屋でネットをしながら食べて飲む。
この辺は料金が高いらしくwi-fiが通っているホテルがあまりない。
ネット屋でも制限がかけられていたりするところがあったほどだ。
カナダの中部・北部を思い出した。
次の日は気になっていたFlores(フローレス)という町を見にいってみる。
フローレスはこのホテルのすぐ目の前のにある橋から行くことができる。
地図では湖に浮かぶ島になっていて、一目見て興味をもったのでここに来たのだった。
↑ほら、楽しそうでしょ
↑フローレスへ続く橋
橋を渡り島に入る。
警備されており、すぐ隣なのにサンタエレナより治安がよさそうだ。
家はそれぞれたくさんの色一色で塗られており、それがカラフルな街並を作っていて、おとぎの国のように可愛らしい。
歩いてもすぐに一周できるくらい小さい。
中央の丘になっている所に教会が立っていて、中でミサをやっている。
今日は日曜日だった。
教会の内部は天井に白い布が幾重にもかけられており、カーテンを縛ったような状態で垂れ下がっているのがきれいだった。
フローレスのレストランで昼食を食べた。
高かったので、タコスを注文。
それでもかなり高い。
しかし高いだけありすごくうまい。
屋台のタコスとは違い、小麦粉か片栗粉かなにかで具にとろみをつけてあり、肉や野菜の量も多い。
トッピングでつけられるトマトとコリアンダーのソースも香りが高くタコスによく合った。
タコスは当たり外れが本当に大きいのだが、ここは当たりだ。
そういえばメキシコではよく屋台のタコスを食べていたのだが、あれを食べるとなぜか元気が沸いてきた。
あれはなんだろう。
さすがメキシコのソウルフードだけあるといったところだろうか。
2、3周して島を出る。
今日は島をちらっと見て先へ進むつもりだったが、遅くなってしまったのでまたサンタエレナに泊まることにした。
安めでいいホテルを見つけ、自転車を部屋に入れていいか交渉し成功した時点でスコールが降って来た。
ホテルをとると、雨が降ってくる。
これ、よくあること。
雨が止んでから、ホテルの裏手にある小さい船着き場で存分にオカリナを吹き、夜は隣のバーで蚊に刺されながらおいしい安料理を食べた。
今日は遺跡ティカルへ行く日だ。
黄色い服を着た宿の男性に、ティカルへ行くなら荷物を置いておいてもいいと言われていたのだが、
ティカルの国立公園内にキャンプ場があるみたいなので荷物をすべて持ってそこに泊まることにした。
この街を出てもすぐに次の村が現れる。
ほとんど距離は変わらないのに、ここは旅行者向けの雰囲気がなく、民家と花や木々がうまく融合している。
『赤毛のアン』に出てきそうな綺麗な田舎という感じの雰囲気だった。
そしてすぐに急な坂になる。
これが「例の」か。
噂に違わぬ急勾配だ。
自転車を押して歩くがすぐに息が切れて足が動かなくなる。
これまでいくつかこういうキツい上りを体験してきたが、こういう時はいつもいつも思う。
初期の『ドラゴンボール』に出てきた「ホイポイカプセル」と『ドラえもん』に出てきた「傾けると地面の傾斜が変わる杖(正式名称は忘れた)」が欲しいと。
ああ、やっぱり荷物を置いてツアーバスで来るべきだったかな…と後悔し始めてきたあたりで坂の頂上に到着。
その間約1kmくらいだろうか。
上にはまた村があり、すぐに現れた店で瓶のコーラを頼む。
店員のきれいに年を取った女性が「自転車で来たのか」と聞いてくる。
大変だったでしょう。
こちらは日本語とジェスチャーで対応。
しかしなんとか通じるもので、意思疎通を図ることに成功した。
工藤静香の「嵐の素顔」という曲の前奏の振り付けを発展させたようなウェイビーな手の動きをして聞くと、相手も一瞬だけ同じように手をふにゃふにゃと動かす。
きつい坂はここまででこの先は若干の上りだけしかないということがわかった。
この”上の村”にも観光色がなく、穏やかで温かい雰囲気があった。
木漏れ日が似合うというか、静かなのだがどこからか笑い声が断続的に聞こえてくるような、そんな村だった。
その後いくつかの家を通り越し、あっという間にティカルのゲートまで着いた。
着いたとたんに係員に声をかけられたので、キャンプをしたい旨を伝えると、
3時半から入場すれば明日まで有効のチケットになるよアミーゴ~。君は自転車だから2時半でOKさロシナンテ~。
ということで1時間早く入れるようになった。
自分としては別に3時半まで待っていてもいいのだが、この際だ、早めに入らせてもらおう。
現在12時ちょいすぎ。
時間つぶしに隣の店へ行って、どれが一番安い飲み物かを聞いてみた。
やっぱり一番安いのは瓶のコーラだったようで、ここでは4Q。
それとは別にコップ1杯の水だけならタダでくれるという。
せっかくなので両方もらう。
そうこうしているうちに時間は過ぎ去り、2時半になった。
係員と一緒に中へ入りチケットを買う。
150Q。
うーん、高い。
チケットは無くさないように、また買う羽目になるから、と係員に念を押され、財布に入れて自転車をまたぐと、
ティカルまで自転車で1時間かかるからね~
と係員。
マジか!!
それで自転車は1時間早く入場なのね。
ジャングルの中を突き進むと様々な動物注意の看板を見かける。
いやーヘビとは一人暮らししていたころに仲が良かったというか、運命?因縁?そんな仲だったんですよね。
道端で1日に3度ばったり出くわしたりとか、街中のヘビなんていそうにないところで道を横切っていったりとか、アオダイショウがウヨウヨしているところでキャンプしたりとか。
ホント家の中に出てこなくてよかったですよ。
小さい頃は写真を見るだけでもダメだったけど、その頃には少し遠巻きに行き過ぎれば大丈夫にまでトラウマは克服していたのでよかったんですけどね。
これは・・・・・・パンサー?
え、危ないんじゃないの?
いやまさか、なんだろうこれ。
ヒョウ? 虎?
これは動物注意だわ。
これはなんだろう。
遠くから見たときは一瞬ワニかとも思ったけど、違う。
アリクイか。
バク? マレーバクなの?
とまあ他にも色々な動物の絵がシルエットクイズのように出てくるのを楽しみながら、下り坂が多かったので意外とスムーズに進むことができた。
そして1時間半後、やっとティカルの中心部へ到着。
すぐそばに見えたレストランで昼食と夕食を兼ねた食事をする。
少し高かったがクラブサンドイッチというのを注文。
これが旨味が効いててものすごくおいしかった。
↑入り口付近の建物にあったもの。日本が何かしているのか
インフォメーションへ行くとスタッフが
あなた日本語をしゃべれますか?
と英語で聞いてきた。
あ、はいしゃべれますよ、と英語で返すと
あー私はしゃべれないんですけどね。
というジョークを飛ばしてくる。
うん、知ってた。
けれどこの辺は日本人もよく来るらしく、簡単な単語なら言えるというスタッフも幾人かいた。
それで、そのジョークの人が言うには、ティカル遺跡群へは夕方6時まででキャンプ場でキャンプをするなら向こうでチケットを買ってこないといけない、ということだった。
キャンプチケットを50Qで買う。
うあー、高い。
このあといいことと悪いことが交互交互に起きて、それはまあ大変だったのだけれど、その話は割愛することにする。
↑ちなみにこれはキャンプのお隣さんにもらった肉とトルティージャ。
次の日、朝5時に起床。
6時過ぎに荷物をまとめて遺跡を見にいく。
前回の投稿で話した本だけでなく、メキシコシティで会った日本人バイク旅行者の女性もティカルはよかったよと言っていたので楽しみにしていた。
しかし、昨日の夜キャンプ地で聞いたところによると、
この日はちょうど、日本でいうゴールデンウィークのような祝日で、地元民が遊びにくるのでどこも込んでいるという。
やけに人が多いと思っていたが、どうやら来るタイミングが悪かったようだ。
遺跡群ゲートの中もかなりの広さを持っており、
重い荷物を背負って疲れ、喉が渇くが水は自転車につけたままだし、朝食を食べていないので腹も減っているし、置いてきた自転車が心配で気が気ではなく、
もう戻ってしまおうか、なんでここに来たんだろう、と気持ちが後ろ向きになっていった。
本には展望台のように遺跡に登れ、そこからジャングルを一望できると書かれていた。
しかしそれらしいものは見つからない。
ああ、もし空を飛べたらそんな風景いつでも見られるのに、人間はこんな重い枷を背負わされ、地面に這いつくばりながらにじり歩いていくしかないのか・・・
などともうよくわからないことを淡々と考えていた。
するとどこかから日本語が聞こえたのでそっちを見てみると、日本人が北米から来たであろう人たちの写真を撮っていた。
きっとガイドの人だろう。
こんにちは、と通り過ぎざまに挨拶して遺跡に登ってみる。
ここも違う。
↑それでもいくつか写真は撮って来た
↑これがあの看板にあったバクっぽいやつか!これは、猿?アナグマじゃないだろうし…?
本当にここはルートなのか?というような小道を通り過ぎると売店があったのでゲータレードを買って飲む。
うまい。体に染み渡る。
よくゲームなんかで回復アイテムに飲み物とか食べ物の名前を付けているのをよく見かけるが、
実はあれ、現実でも本当に疲れが取れるのだ。
その点だけはファンタジーではない。
まあ傷が治ったりはしないのだけど。
元気がみるみる出てきた。
飲み物は即効性があるが、その分保ちがよくない。
先を急ごう。
と、目の前に木でできた階段があった。
これは、と思い登ってみる。
すると目の前には
「これはすごいな」と声が出てしまった。
まさに本で見て想像していた通りの光景が目の前に現れた。
天気が悪いせいで奥に霧がかかっているが、それでも絶景と呼べる代物だった。
↑少しずつ太陽が出てきた
しばらく眺め、ムービーを撮ったり写真を撮ったりしていると別の人たちが登ってきたので下に降りる。
もう疲れたのでさっさと戻ろう。
なにより自転車が心配だ。
もう盗まれたくはない。
自転車の無事を確認し終えたころには雲の隙間から青空が顔を出し、もう少しで晴れそうだ。
チケットは今日の夕方6時まで何度でも出入り自由だった。
だがもういい。
疲れたし、また自転車の心配をしながらあそこまで戻りたくない。
それに人も増え出した。
きっと晴れた景色はよりきれいだろうけど、もう満足だ。
メキシコで買ってずっと取っておいたトレイルミックス(ナッツとドライフルーツをごちゃ混ぜにしたの)を一気にかき込んだら、
さあ、帰るよ、
と自転車に声をかけ、あの賑やかなレマテの街に戻っていった。
この日は先に進もうと思っていたのだが、レマテのホテルで1泊することにした。
ホテル前の湖は泳げる。
夕食を買いホテルへ戻る途中、日本語で挨拶されたので振り返ると日本人の女性と黒人の男性が立っていた。
きっと国際結婚をしたのだろう、2人でここに旅行しに来たのだと話していた。
数分間久しぶりの日本語を堪能し、別れた。
その女性はたぶんスペイン語が染み付いているのだろう、別れ際に「また後で」と言っていた。
後で会う約束はしていない。
彼女ともう会うことはないことはわかっていた。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23842326