- 2024/11/21
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今のところ自転車でなんとかやりくりしつつ 踏ん張りながら だましだまし 時には励まし合い時には喧嘩もしながら一人で世界を旅行中です。よかったらpart2 現地情報ややってほしいこと、知りたいことなどありましたらコメントかメールにて受付中!
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商店の朝は早い。
朝5時ごろから飲み物を大量に詰んだトラックが店の前に止まる。
6時すぎにはお客さんがまばらに入ってくる。
店の前を掃除しているので、邪魔になるかと思いテントを片付ける。
寝ぼけまなこで店の人にお礼を言い、7時に自転車をこぎ始めた。
少し行くとトラックが道路に数台止まっており、彼らが立ちよっているところは小さなスタンドスナック屋。
朝食を食べていないのでそこでエンパナーダ(三角形で皮があるコロッケ)とコーヒーをとることにした。
ムッとした顔のおっさんが隣でコーヒーをすすっている。
気にせずに食べていると、軽食休憩を終えたそのおっさんは支払いをすませてトラックに乗り込んでいった。
そして彼が去ってすぐに「あの人があなたの支払いをすませてくれたよ」とエンパナーダを揚げているおばさん。
ええ!
と大声を上げた。
おごってもらったのにまったく気づかなかった。
教えてくれたらよかったのに。
なんだかちょっと罪悪感。
ここのエンパナーダは米が入っておらず黄色いジャガイモとちょっとした牛肉の筋が入っているのだが、これがめちゃくちゃうまい。
これまでで一番うまいエンパナーダではないだろうか。
おいしいので1つ追加してもらった。
その料金はちゃんと自分で払いました。
そして
ここから地獄が始まることを、
ことのときはまだ知らない。
このあとの道はとにかくのぼっては降り、のぼっては降りの繰り返し。
いくつ山を越えればいいんだよ! と叫びたい気持ちでいっぱいだ。
景色は完全に荒野。
乾燥していて黄色く短い草が生え、サボテンまで出てきた。
この雰囲気、そして風の匂いもなんだかカナダの南部を感じる。
そういえば小学校の授業で南米に2つか3つ草原地帯があると習った覚えがある。
覚えてるのはパンパとプレーリーという名前だが、プレーリーは確かアメリカのほうだったはずだし、パンパはブラジル南部のほうだった気がする。
この地域の気候はなんという名前がつけられているのだろうか。
※今調べてみたら2、3個どころではなく、パンパ以外にもリャノ・カンポ・セルバ・セラード・グランチャコと出るわ出るわ。
そういうのあったなーと懐かしがりながら、でもここら辺の地域にはなにも名称がなかった。
荒野というとても好きな景色なうえ、この日は天気がみごとな快晴。
青空が広がり光が溢れている。
あたりを撮ると写真写りがめちゃくちゃいい。
しかし自転車乗りにとってこの天気はいいとも言えない。
直射日光は体力をずんずん奪うし、飲料水もたくさん必要とするからだ。
そして飲み水が完全になくなってしまった。
数日前にボトルの片方にペプシの残りを入れていたため、ベタベタなので洗うまで使わない様にしていたのがよくなかった。
だって昨日まであんなに村や店が散らばっていたのに、なんでここに来ていきなりこんなさびれてんの!?
水無しで我慢して走り続けるが、一向に町は見えてこない。
汗が止まり、体は体温を下げられずに熱がどんどん上がってきているのを感じる。
これはちょっとまずいかもしれない。
日陰で休憩をはさみながら、ゆっくり進んでいく。
道端で道路脇を掃除しているオレンジの服を着た人を見つけた。
これはチャンス。
とりあえず次の町までどのくらいか聞いてみた。
12kmあるそうだ。
自転車でこの距離だと、自分の足では1時間はかかる。
しかもここはのぼりも多いのでおそらくもっとたくさんかかるだろう。
そこで作戦実行。
水を持っていないか聞いてみた。
と言っても、これは建前。
だってこんなところで長時間働くとしたら、絶対飲み水を持ち歩いているはずだもの。
そう確信しながらのこの質問なのだ。
ちょっとズルい。
向こうにあるよ、と作業員さん。
こうして水をもらうことに成功した。
アクアボトル一個を水で満たしてくれ、それを飲んでいるとまた水をおかわりさせてくれた。
嬉しい。
やさしい。
その上パネーラ(黒糖)ももらってしまった。
それをかじりながら、休憩がてらに彼らとたわいのない話をする。
危機を乗り切り、リフレッシュして走行を再会することができた。
↑あーあサボテンサボテン
急斜面をのぼっては急斜面を降りるを繰り返して、ようやく小さな村に到着。
↑この位置に町はあった。この数値はおそらくパストまでの距離だろう。
そこのレストランで食事をする。
4000円と安い。
↑クレクレと言い寄るネコ。二本足で立ち上がり、太ももをポンと前足で軽く叩く仕草がかわいかった
食後に水を買おうとすると、600mlの袋一個が1000ペソ(45円)もするという。
他だと500~800ペソくらいなのに。
普通だと900~1500ペソくらいのペットボトルのジュースは2000ペソ。
…高すぎない?これ。
町が遠いぶんの送料がかかってしまっているのだろうか。
しょうがないので水だけ買って、また椅子に座って休む。
さっき水分補給せずに無理して進んだのが体にきているようだ。
休憩しても疲れが取れない。
体の元気が出てこないのでコーヒーを注文。
それはおばちゃんがおまけしてくれた。
1時間くらいたっただろうか、重い腰を上げ、自転車を押し出した。
走行しながら村の人と軽く挨拶や会話をかわす。
そのときの話ではすぐにまた町があるという。
よかった、無人ゾーンはこれ以上続いてないみたいだ。
そこまで一気に行ってしまおう。
平地からくだり、ガソリンスタンドを越えて川を越え、そしてのぼり。
そうして一山越えてのぼった先に町を発見。
↑山が見守る町、El Remolino(エルレモリーノ)という名前らしい
次の目的地Pasto(パスト)までの石の距離標を見ると88kmと書かれている。
水をもらった地点がたしかちょうど100kmだったので、本当にジャスト12kmだったということになる。
さすが道路の清掃員さん、道路の清掃をしているだけある。
15000ペソ(680円)の安宿を見つけ、やっと一安心だ。
ここは物価が若干高いがレストランは安めのところも多い。
そこでは食べなかったが、どうやら3500円で料理を提供してくれるところもあるらしい。
道を外れて少し中に入ると若干安めの大型商店もあるみたいだし、なにより嬉しかったのが・・・
最近、といってもボゴタからなので結構前だが、はまっていてたまに買うお菓子があるのだ。
TicTacというミンティアのようなタブレットなのだが、外側が分厚い糖衣でコーティングされており、それがおいしい。
硬いので少し舐めてから噛むと、そこからミントの強い刺激がある。
他にも色々な味があり、ミント以外ならラムネといった感じに近いかもしれない。
他では安いところでも1500ペソ前後しているのだが、ここではなんと1000ペソで買えてしまった。
こんなどれもこれも高いところでまさかこんな掘り出し物があるなんで。
↑個人的にはチェリーとイチゴが好き。
ミントは喉の乾きや腹の減りを少しだけごまかせるし、疲れたときにはスッとした香りで癒してくれて便利
しかしもう持ち金が底をつきそうなので、あまり無駄遣いはできない。
財布が心もとないこんな状態ではたして無事にパストまで着くことができるのだろうか。
まあ大丈夫だと思うけど。
町を一歩外れるとこんな景色が見られる。
この先もっと行くとプールとか火山とかあるらしいよ。
「自然が助けを求めて泣き叫んでいるなんて信じられないことだが、
もっとすごいのはそれを誰も聞こうとしていないことだ」
翻訳するとこんな感じかな。
エルボルドのホテルを出発。
町の本当の姿はその先にあったようで、家が少ない過疎地から店が並ぶ繁華街へと変化。
そこで3000ペソ(136円)の安い朝食をもらう。
安いといっても内容はあまり充実していないので、実際はちょっと高めなのかもしれないが、他の店は5000ペソもしているのでさすがに朝食にはそんなに払えない。
自分でパンやジャムなどを買って食べればいいのかもしれないが、食料を入れるかばんのスペースが今はないのだからしょうがない。
↑少し先にあった町の看板。現在標高1000mのところにいて平均気温27℃らしいです。あっつ!
町を出ると急激な下りが待っていた。
そして絶景も待っていた。
ちょっと待って。
どっちかにして!
楽して距離を一気に稼ぐチャンスであるせっかくの下り道を、
ブレーキを幾度となくかけて写真をバシャバシャ撮りながらその全景を眺めてゆっくりゆっくり進むこととなるのだが、
でもまあ空も曇っていて暑くないしペダルをこぐ必要がないぶん体力を温存できるのはうれしいところだ。
↑真ん中あたりに空けた空間がある。なんだろう、行ってみてみたいが道はない
何枚写真を撮っただろうか。
坂の終わりになると今度は割と平たんな道に変わり、家もまばらに見えている。
この分だと苦労せずに進めそうで一安心。
しかし嫌な予感はしていた。
だってパストっておそらく山の上の町でしょ。
ということは、これから地獄が待っているのではないだろうか・・・
いくつかの村と川を越えると、
↑ホステルと書かれたところがあり、泊まりたい欲求を頑張って抑えた。前進しなきゃね
↑なぞの石碑。多分El Rosarioという町ですよ、という意味だと思う
なぜか景色は一気に荒野へと変化していった。
小さな村の店で飲み物と水を買い、一休み。
↑そこで売られていた家具。手作りなんだってさ
今日はここでキャンプしようかと思ったが、この1km先に野宿にいい場所があるということなのでそちらに行ってみる。
すると、道路脇に立てられた看板にはガソリンスタンドの表示とともに「ホテルあります」のマークが!
今日はホテルにしようかなーと心はルンルン気分。
サンバのリズムで進んでいると、もう一つ小さな村が現れた。
大きなガソリンスタンドに沿って建っているこれまた大きなホテル。
しかし入口が全部ブルーシートで隠されていた。
覗き込んでみると、窓ガラスが割れている。
・・・あー、これはやってませんわ。
しょうがないので広場の横の店で一息ついていると、そこの店員のおじさんが
「この先町がないしこのあたりはとても危険だから、今日はここで泊まりなさい」
と言ってくれた。
このおじさんはエクアドル人のようで、旅行中に強盗にお金を全部盗まれ、それからここで働いているらしい。
まわりや他の店の人達もにこやかに気さくに話しかけてくれた。
普段なら警戒してくる人も中にはいるのに、ここはとってもオープンだ。
これは小さな組織のなかだからだろうか。
平和を築くためのなんらかの仲間意識が働いているのかもしれない。
だから、夜に目の前の道路でバイクの転倒事故が起きたときにはまわりの家から大勢の人が出てきて助けてあげていたのを見たときには感心した。
本当にものすごい数の人が来たのである。
とても結束力のある土地だと思った。
この日は金曜日で、向かいのディスコバーから大音量で流れてくる重たいリズムの曲を聴きながらテントのなかで眠った。
朝、準備をしてホテルを出ようとすると、そこにはホテルの人が誰一人いなくて扉に鍵がかかっていた。
しょうがないので帰ってくるまで待つ。
1時間くらい待ってやっと外に出られた。
どうやら町は祭りのようだった。
出店が並んでいる。
そのままロサスの町を出て道を下るが、もう12時。
さすがに腹が減った。
目の前に現れた商店で食べ物はあるか聞いてみる。
こういうところではそういう食事系のものがないのを知っていたのでダメだろうと思いながら尋ねたのだが、スープならあるという。
これは珍しい。
ほぼ100%ないと言われるのに。
ありがたくそれをいただくことになった。
すると、そこを通ったおじさんがお金を払ってくれたのか、それともここの家族の人でお代はもらうなと言ったのか、料金を取られることはなかった。
しかも700ペソ分のコインまでもらってしまった。
これはすごく助かる。
そこの少年がスマホを持っていたので、翻訳を使って会話をする。
こんな山奥の片田舎だが、彼は髪型を決めて染め上げており、まさに若者という感じの出で立ちだった。
年を聞くと15歳だと言う。
もう少し上に見える。
旅行にはよく行くらしく、コロンビアの各都市から、パナマへも行ったことがあるというので驚いた。
そんなに金があるのか。
ニカラグアでは、パスポートが高くて払えないなんて話がホステルのスタッフから耳にしていたのに。
やっぱりコロンビアは栄えているなぁ、なんて話をしていたら時刻は午後2時をまわっていた。
まだ1kmほどしか走っていない。
はやく行かなくては暗くなってしまう。
そこの家族にお別れをいい、先を急ぐ。
道をくだっていると、看板にPeaje = 料金所の文字があった。
確かにここはハイウェイだが、全然そんな感じの道ではない。
すごく広いわけでもないし、車通りもめちゃくちゃ多いというほどではない。
自転車とバイクは無料なので別にいいのだが、金取るなぁ。
料金所のゲートが、ここからまた新しいエリアに突入するような感覚にさせる。
その先いい景色があったので写真を撮りながら進む。
道はのぼりが多かったと思うが、この辺のことはあまり覚えていない。
↑山並みが間近で見られて迫力がある
↑と思ったら今度は高所からの眺め
村があったので、ちょうどいい、ここにキャンプしよう。
まだ明るいのでレストランで食事でも
・・・と思ったらどこも7000ペソ(320円くらい)と高い。
しつこく安いのはないか、と聞いてみる。
すると4000ペソまで下げてくれた。
やった。
ごはんを食べ終わり、町を見回ってみる。
アイスを食べながらここら辺でよく見る紫のきれいな花が咲いている木を撮ったりしてみる。
ピンクもある。
きれいだったので何度も自転車を止めて写真を撮った。
アイス。
青いのは甘酸っぱいシロップ。
値段は1000ペソ(45円)とコロンビアではそこそこ。
一応ホテルがあるか聞いてみると、普通の民家を指差した。
え、ここ宿屋なの?
他の人達も中の本人も否定しているけど・・・
アイスを買った店の人が手助けしてくれ、なんとかこちらの意図は宿?の人に伝わったようだが、
しかし部屋がいっぱいなんだそうな。
広場にある大きな貯水タンクの下ならキャンプできるんじゃない?
と軍隊風の警察に言われたが、なんだかこの村は少し嫌な感じがする。
実際はそうでもないのかもしれないが、第6感に従い先へ。
幸いこの先5km行ったところにはもっと大きな町があるらしい。
そちらへと向かおう。
↑警察の人もみんな親切だったし悪い村ではなかったかもしれない。不安感は天気と時間帯から来たのかもね
この先アップダウンが続き、かなり体力を消耗する。
しかもアップのほうが断然多い。
そして空がだんだん暗くなってきた。
時刻は6時を回っている。
早く早く。
急いでいるのを知ってるかのように、そこはとてもいい景色が広がっていた。
これでは写真を撮るしかないではないか。
ちくしょう、足下見やがって。
でも美しい。
↑山から吹き下ろす雲が町を飲み込もうとしている。これを「六甲おろし」と名付けた
↑こんなパノラマが広がっています。暗かったせいで色があまり出てないのが残念
↑山の谷に緑が入り、大地の切れ込みをくっきりと映し出している。こちらも暗くて見えづらいのが残念
↑上の写真は明るく写っていたが、実際はこんな暗さです
↑奥に見える街の光がぽつぽつと光っていて、焦っていたのになんだか安心できる気分にさせてくれる。小田和正の「大好きな君に」という歌を思い出した
El Bordo(エルボルド)に着く頃には完全に日が沈んでいた。
町の入口にホテルがあったので入る。
きれいで立派なところだしwi-fiも繋がるという。
こんな山のなかなのに、と感心していると、そこのオーナーらしき男性がとてつもない歓迎ムードで出迎えてくれた。
どうやらここには日本人やオーストラリア人がよく来るのだそうだ。
そして彼もバスで南端のウシュアイアまで行ったのだとか。
とても楽しそうに話してくれるのでそれに釣られた形でこちらも嬉しい気持ちになった。
ただ、夜にブログを書いている途中でwi-fiを切られてしまったことと、深夜に人がいるのにホテルで置いているポテトチップを売ってくれなかったのが、正直イラッとしてしまった。
夜にいたのはただの見張りだったらしい。
お金は触らせてあげてなかったということだろう。
wi-fiを切ったのは盗難防止か。
しょうがないっちゃしょうがないのかもね。
計4泊したポパヤンのホテルを出て先へと進む。
ポパヤンを抜けると高速道路のような広い道路の交差にぶつかり、そこからのぼり坂が始まる。
ポパヤンは山の谷間に作られた町だったようだ。
↑この道を見よ! うねんうねんしてる
↑猛禽が死肉にワラワラとたかっている光景がなんというかもうすごかった。虫を連想させる
すぐに次の町のTimbio(ティンビオ)へと着くが、さすがに10kmほどしか走っていないので、ここではノンストップ。
もっと先を目指す。
山のなかの店でborojo(ボローホ)のジュースがあるという文字を見つけた。
聞いたことのない果物だったので、試しに注文してみる。
オレンジミックスとミルクミックスのどっちがいいか聞かれたので、オレンジも気になるが、じゃあミルクで。
味はミルクセーキのような感じ。
ウズラの卵やハチミツを入れているらしい。
これは力がつきそうだ。
金を払うときにぼったくられそうになった。
旦那が5000ペソ(250円弱)と言うので驚いて聞き返したところ、妻に確認してくれて3000ペソ(150円くらい)だと判明。
おい、適当すぎるだろ!
ひたすら自然が続き町は見えない。
アップダウンを繰り返しながら進んでいくのだが、さっきからかなり風が強い。
風を浴びるのはとても好きだ。
だが、自転車に乗っているときはできれば背中を押してほしい。
前から吹かれるとスピードががくんと落ちるし、横から煽られると自転車がぶれてスリップしそうになるから危ない。
↑風が強いのはこの大地があけたところだからだろう。遠くの山まで見えてきれいだった
↑畑が広がっている。なにを育てているんだろう
夕方になってようやく小さな村にぶつかった。
距離にして25kmくらいだろうか。
相変わらず進むペースが遅い。
ファストフードの店で夕食のハンバーガを注文し、ネット屋の敷地でテントを張らせてもらう。
今日はあまり走れなかった。
夜の外は真っ暗。
多数の星々と天の川がはっきりと目に見えた。
流れ星が一つ流れた。
今ごろ日本は流星群が見られるころかな、と思った。
朝テントから起床。
まだ眠い。
8時に出発だなんて。
しかしネット屋家族に迷惑はかけられない。
道はまだしばらくのぼりが続いているのがしんどい。
テント泊のため体に疲れが残っており、途中で休憩。
ニカラグアで買ってきたパチンコの飛び具合を確かめたり、オカリナの練習をした。
誰もいない景色のいい場所で、久しぶりに思いっきり気持ちよく吹くことができた。
突然、道が急降下。
これで一気に行ける、と勢いよく飛び出すが、横にはホテルと商店がポツポツと数軒並んでいる。
ああ泊まりたい。
入ろうか悩みながらとりあえず近くの売店に入ってみると、どれも高い。
ここに泊まれば他より値段の上がったこれら商品を買うことになるだろう。
やめておいたほうがよさそうだ。
道をもすこしググっとくだると、1kmほどでまたもやレストランと売店の列が現れた。
しかも今度はちゃんとした町のようである。
看板には標高1600m、平均気温18℃と書かれていた。
うそでしょ。
18℃?
絶対もっと暑いって。
だってこの日射しがさぁ、すごい肌を焼いてくるんですけど。
…でも待てよ、確かにそこまで汗をかいているわけではない。
中米では滝のように汗をかいたが、ここら辺はポトポトたれる程度だ。
そして夜は肌寒い。
実は意外と涼しいところなのかもしれない。
そして2000m越えないと高くないと思い込んでいたが、これでもかなり高い場所に位置しているのかも。
この気候に慣れてしまったせいで一般平均がよくわからなくなってきているようだ。
でも自分はもっと涼しいところが好き。
涼しい場所プリーズ。
売店で飲み物を購入。
うむ、適正価格。
するとまわりの人達がみんな声をかけてきてくれ、長話になった。
ここRosas(ロサス)には安いホテルがあるしかなりいいところだよ、
と教えてくれたので、まだ昼前だが今日はここに宿泊決定。
15kmしか進んでいないけど、いいよね…?
ホテルは20000ペソ(900円くらい)。
まあ普通。
だが部屋はめちゃくちゃきれいで広さも十分。
ベッドが2つついている。
wi-fiはないが、隣の店の人がちょうどここへ来ていて、その人が彼女の店のwi-fi
パスワードを教えてくれたので、とてつもなく重くはあったがネットをロビーで使うことができた。
静かでなかなかいいところだ。
人々もみな優しかった。
こちらを見て外人だと気づいた女性が、彼女は学校の先生をやっているらしいのだが英語で話しかけてきてくれた。
手助けしてくれようとしたみたいだ。
そんな雰囲気についつい2泊頼んでしまった。
そういえばこれまでたくさんコロンビアの家に泊まってきたが、その構造ついて今まで書いていなかったので、ここで説明してみよう。
家は1階~3階建てが多く、壁は石やコンクリート、木など素材は様々。
入口のドアは軽い金属製のオートロック式。
ドアノブや手をかけて下げるタイプの扉はあまり見かけない。
オートロックといっても電子のものではなく、外側のノブがなく鍵穴のみの扉を想像していただければいいだろう。
中側はレバーがついていて、それを横にスライドしながらドアを引くことで開けることができる。
入るとすぐに長細いリビングがあることがほとんどで、ちょっとリッチになると廊下やガレージになっているところもある。
ルームシェアをしていたり普通の一軒家をアパートの様に使っているところもたくさんあって、そういう人用に二階の階段が外についているところがあった。
つまり1階と2階で出入口が違うのだ。
暑いことが多いためか簡素な造りの家がほとんどで、山の上の寒い地方でもそこまで頑丈にしている様子はない。
コロンビアは家電製品がかなり普及しているので、壁に隙間があってどんなにボロボロなところでも、中がガランとしていて家具もなんにもないところでも、TVがあり冷蔵庫がある。
それがコロンビアのすごいところだ。