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となりの国

Home > ブログ > 11、コロンビア

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偽グアドゥアスと真グアドゥアス



ビジェータを出るとそこは、山だった。

今までの行程が嘘のようにのぼり坂が続くようになった。

しかも下りはおろか平たんな道さえない。

一切の猶予も与えられない。


    ↑こんな道がずっとつづく…


このブログではよく”のぼり坂がどう”とか”下りでどう”とか書いているが、正直そう言われても自転車で長距離を走ったことのあるひとじゃないとピンと来ないと思う。

今までなかなかそのシンドさを表現できないでいるので、今回どの程度のものなのかをちょっと書いてみる。

「のぼり」と書いてあったら、マラソンの中盤、もしくは小学生のときの遠足の帰りほどのキツさだという認識でいいと思う。

足や太ももが痛くなってきて息も切れる。

辛いけど逃げ道がない。

やめたくても最後までいかないとどうにもならない。

そんな感じ。





    ↑坂の途中にいたタランチュラ的ななにか。脚の途中から毒々しい赤、道には短い毛がびっしり生えている



とにかくのぼる。

町を出た際、看板に「30km先にGuaduas(グアドゥアス)という町がありますよー」と書いてあったので、それを目安に今日は進もうと思っていた。

4時間は経っただろうか。

ひたすら上を目指すと、店やホテルが並んでいるところに来ることができた。

ここがグアドゥアスだと村人は言う。

それにしては小さすぎるな。

地図には教会のマークが書かれていたが、ここにはそのようなものが見当たらない。

たとえて言うなら、トラックが休憩に使う宿泊街道という感じだ。

ホテルを見て回ると、15000ペソ(750円くらい)という安値で部屋があったのでそこをとった。

鍵がないからドアを開けておけと言われたのでちょっと不安だったが、終日何事もなかったのでよかった。

そこの宿のおばさんがかなり優しくて、コーヒーをごちそうしてくれたり声をかけてくれたりしていたので、ちょっとボロいところもあるが好印象の宿だった。

使ったシャワーの水が室内まで侵入してこなければもう一日泊まってしまったかもしれない。

____________

翌日。

宿の近くの店で、ガラスのショーケースに入っていたソーセージを朝食として注文。

これに吹かし芋がついて2500ペソ(125円)とお手頃だったが、さらにマグカップに入ったスープもおまけでつけてくれた。



山の上にある店というのは値段が高いことが多いが、こういう粋なサービスを大胆にしてくれることも多いので好きだ。


もちろんボッタクリの店もあるのだが。

近くで見張りをしていた兵隊たちと話しながら、ソーセージセットとスープを食した。

ここを出てすぐに見えた看板には「Guaduas 15km」の文字。

…やっぱりここはグアドゥアスではなかったようだ。

ということは昨日は15kmほどしか進んでいないことになる。



昨日はかなりがんばったのになぁ…

宿でパソコン内のムービーを見返していたところ、この道はボゴタへ来るときにトラックに乗せてもらって通った道と同じだということに気がついた。

ムービーのなかで運転手が「ほら、あそこがグアドゥアスだよ」と教えてくれていたのだ。

そのときは走行中のトラックの中だったためじっくり景色を観賞できなかったので、今回はゆっくりみてやろうと思っていたのだが、あいにくの霧。

まったく見えない。



コロンビアに入ってから5ヶ月が経過したが、これまで天気のいい日が続くことはあまりなかったような気がする。

いつも昼や夜に雨が降ってきたりして、晴れる日もあるのだがそれが続くことが少ない。

コロンビアには雨期や乾季はないのだろうか。



    ↑20m先さえ見えない霧、というか雲



そんなどんより天気の中、小さな店で中にキャラメルクリームが入ったおいしいクロワッサンとミニコーラを貰ったり、強い雨が降ってきて雨宿りした店の人とちょっと仲良くなりながら坂をのぼったり下ったりしていくと、ついに見えた本物のグアドゥアス。



まだ時間が早いのでもう少し走っていこうと先へ進む。

しかしそこからもまだまだ激しいのぼりがあり、店もなくなる様子だったので、引き返してホテルへ直行した。



ここも15000ペソと安い。



ついでなので町を歩き回ってみた。



腹が減ったのでカフェでイチゴのムースを注文してみる。
ちゃんとミキサーにかけた生のイチゴが入っているようでおいしかったが、味がくどくて後半は飽きてきてしまった。



教会はまあ普通だ。



教会のすぐ横の通り。
中心部は観光者用の店が多くて値段が高いためか町の人があまりいなくて、ちょっとはずれた脇道っぽいところにたくさん買い物客がたまっているという一風変わった光景があった。


 
ここの屋台の食堂はかなり安くて重宝した。
味もまあまあいける。



このように少し外れると、
肉屋、八百屋、服屋、食堂、床屋などなど、町民向けの店でごった返している。
下町みたいで楽しかった。



次の日は朝から雨が降っていたのでここにもう1泊した。




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ここから雲の中/カラフルかき氷





モスケラの宿を出ていったのがたしか昼ごろ。


それまではまわりの景色は家が並ぶ町だったり工場風の広い土地だったりが広がっていたのだが、
ここから一変、山道に変わる。

木々が生い茂り道が狭くなる。

しかし起伏は平たん、もしくは下りが多く、

それはもう順調に、そして単調に、先へ進むことができた。



    ↑ロータリー看板の町の名前がものすごく多い。迷いそう



    ↑なんだかかわいい建物。カービィかヘーベルくんに見える

マドリッドという小さな町の横をすり抜けた。

いつもなら必ずよっていってフラフラッとしてササッといなくなるか、気に入れば泊まっていくところなのだが、今はあまり時間がない。

出国期限がジワジワと迫ってきているのだ。



だからあまり時間をかけずにマジメに走ろうとがんばっている。

ほら、だから最近写真も最近少なめだったでしょ?




    ↑長いホースで水道水に使っているようだ



いくぶんか走り、Facatativa(ファカタティバ)という町へ。

ここもすり抜ける予定だったのだが、街角から中心広場が見えた感じがなんだか楽しそうだったため、チラッと見ていくことにした。

広場は非常に賑わっており、アイス屋やお菓子売りのカートがたくさん見える。

ベンチや段差にはカップルや親子が座ってスペースが埋められている。

広場のはじっこには、自家製CDをコンポでかけながらそれに合わせてケーナやパンフルートを吹いている人がそのCDを販売していたりする。


その雰囲気に混ざりながらアイスを購入。

いくらか忘れたがかなり安かった。

溶けるアイスを口に運びながら、その町の流れに身を任せていた。




ファカタティバが気に入ったのでここで一泊しようかとも考えたのだが、

ほら、言ったでしょ?

今はマジメに走ってるって。



もちろん泊まりませんでしたとも。

がんばって走らなきゃ。



その先、坂をのぼっていくと、あたりは霧に包まれる。

どうやら雲に入ってしまったようだ。

気温も温暖から少し肌寒くなったので、高度もそこそこ上がったと見える。

今にも雨が降り出しそうだったのだがそこから一気に下り道、そして看板には

「Alban 10」の文字が書かれていた。

この坂だったら10kmはすぐだろうと睨み、そのまま駆け出す。



5kmほど進んだだろうか、目の前にぽつんと建っているレストラン。

隣にはホテル、しかも wi-fi zone と書かれているではないか!!

値段も手頃だし、部屋はきれいだし、ここに泊まろう。

と部屋をとったところでまるで打ち合わせたかのように降る大雨。

この雨を避ける勘…というか運は、未だ鈍っていなかったようだ。

このホテル、wi-fiがあると書いていたが、実は繋がるのはメールとtwetterとfacebookとgoogle検索のみ。

他は有料だったらしい、というのを知るのはもう30分後のことである。

______________

翌日は晴れ。

くだり道を駆け下り、看板に書かれていたアルバンに入らずに右に曲がる。

道路工事で足止めをくいながら、そこからもずっとくだり道。

こりゃ楽だ。

そのままVilleta(ビジェータ)という町に入る。

ここでも寄り道して広場へ行ってみた。

ここの教会はあまり目立とうとしていなく、そのおかげで町を作り出している店や広場、露店などに目がいく。





    ↑町自体はそんなに大きくない

久しぶりに見たかき氷を買った。



    ↑とってもカラフルだ



    ↑中はこんな感じ



    ↑チョラオという名前らしい。今まで見たやつとは違う名前だ


ずっと坂を降りてきただけあり、ここは蒸し暑い。

ジメジメしていて気温も真夏という感じの暑さだ。

おかげで洗濯物も乾かない。

今日宿から出てきたときはかなり冷えていたので、秋から夏にいきなり飛んだ気分だ。

それにしてもここまで暑いのは久しぶりだ。

ここ数ヶ月高地の寒いところにいたので、この暖かさが懐かしい。

やっぱり季節の変化を感じられることはいいものだなぁ、

と、実際ビジェータは季節関係なくつねにこの温度なので少しズレた感想を持ちながら、ここに一泊することに決めた。

まだ昼の2時。

全然走れる時間帯である。




あれ? マジメに走るんじゃなかったの?

いやいや、たまには息抜きもね必要でしょうと。



そう言い訳を残しながら、やっぱり好きなときに好きなだけいられるのはいいことだなという思いに耽るのでした。

でもそれってやっぱり贅沢なのかなぁ。

ただ今回はここに泊まったことがかなり正解だったと次の日気づくのです。





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やっとこさ先へ進みます。



こうして、ボゴタのホテルを出た。



自転車と荷物をひきいて、ひと気の多い通りへ。

そこでもう一度オカリナを持った。

作戦というのはつまり、自転車と荷物を見せることで注目度を上げるというものだ。



最初の20分ほどは相変わらず音沙汰なし。

今日も無理か…と思ったころ、初めてコインを入れてくれる人が現れた。

それから数分後、女性二人がこちらに興味を持ったようで、しばらく話をしてあと写真を撮ってくれた。



それがスイッチになったように、次から次へと人が来ては帽子にお金が入れていってくれた。

同じ人が何度も来てはソンブレロにコインを入れてくれたり、お札を手渡してくれる人まで出てきた。

まわりには数人が足を止め、自分との間隔を多少あけながらオカリナの音色を聞いてくれていたのだが、
そんなに腕に自信がない自分には、それが少し怖くなってきたのでここで終了。

全体でおそらく30分くらい吹いたと思う。

時計がないので詳しい時間はわからないが、1時間もやっていなかったはずだ。

入っていたのは5200ペソ(260円)。

大体1食分の値段だ。

初めてもらったにしては十分すぎる。


    ↑こんなに入れてくれた。すごく嬉しい



ウハウハしながらササッと町をでる。

上機嫌で自転車を走らせた。

途中の横断歩道で日本通のおじさんに話しかけられたりして、ニコニコと対応しながら北西を目指した。



すぐ隣の町でホテルが目につく。

一応値段だけでも聞いてみようかとも思ったが、もっと先へ行くつもりなのでここは我慢。

値段を聞いてしまうと、そこそこ安い値段でも断りきれずにそのまま泊まる流れになってしまうことが多いからだ。

しかしそのあとすぐ、その街中で大雨が降ってきてしまった。

目に入ったエンパナーダ屋(三角形のコロッケのようなもの。中身は店や地域によって違う)で昼食をとりながら雨宿りする。


雨が落ち着いてきたあたりで安ホテルを探しまわるが、ここはどのホテルも高かったのでやめた。

雨が完全に止んだところで出発することに。



道路が濡れているため、泥はねがすさまじい。

おかげで自転車の荷物とズボンと靴が泥水がかかり、ひどい有様になってしまった。

こんな状態を見たらどのホテルも泊めたくはならないだろう。

無理に先へ行こうとしたのはやはり失敗だったか。


その先、Mosquera(モスケラ)の町の入口にあったホテルへ。

一応野宿も考えていたが、さすがにこんなべちゃべちゃな土の上でキャンプはしたくない。

ガソリンスタンドのところに立っていたホテルは17000ペソ(850円)と安く、ホテルの従業員は渋い顔をしながら泊めてくれた。



部屋を取ったあと、夕食を食べにモスケラの町の中へ。

疲れていたので町を見回るつもりはなかったのだが、この日は休日だったので開いている安い食堂がなく、結局奥まで見て回るかたちとなった。

ここでもエンパナーダ屋でエンパナーダを3つほど食べて済ませてしまった。

一つ700ペソ(35円)と、この辺では安いほうだ。

思えば今日はエンパナーダしか食べていない。


    ↑こっちの方のエンパナーダ屋はソースがたくさんあって楽しい。この中ではアボカドのソースとブラックベリーの甘酸っぱいソースが好き



モスケラというところは観光地ではないと思うが、なかなかしっかりした町づくりがされてあった。

中心広場は広く店もたくさん並んでいるし、レンガの学校らしきところも立派できれいで住みやすそうなところだった。




    ↑整頓された街並



    ↑ヤシの木がこの地域の暖かさを物語っている



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2度目のボゴタでの思い出と失敗



2度目のボゴタでは数人と会う約束をしていた。
しかし結局一人としか会うことができなかった。

ボゴタの家へ誘ってくれたトタ湖であった夫婦へ「コーヒーでも飲みましょう」と誘いのメールを送ったのだが、自分がホテルに泊まったと知るとメールの返信をやめてしまったようだ。

ボゴタに来るまで確認できなかったのだが、「家に泊まり来るなら7時以降にしてくれ」とメールに書かれていたので、おそらく二人の仕事の関係上時間があるのは夜のみなのだろう。

そうなると、会ってただ話だけするというのは難しい。

ボゴタの夜を出歩きたいとは思わない。

カルロスさんもちょうどここに来ていたようで、一緒に自転車の会に顔を出したり観光したりしようと誘ってくれたのだが、結局向こうの都合が合わなかったようで一度も会えなかった。


自転車の会はちょっと興味があったし、知らないところに連れて行ってくれるのはありがたかったのだが、残念だ。




前回もここで再会したイラストレーターのマリとは、今回2度も会いに行った。


一度目は夜に夕食をごちそうになり、これまでの旅行で撮った写真を眺めたり話をしたりしてすごした。

帰りが遅くなり、この日も夜遅くに自転車で町を通り抜けることになってしまったが、幸運にも危険なことは起きなかった。



    ↑料理を作るマリさん。ちなみにフランス人とのハーフです



    ↑メキシコのタコス風の料理が完成。料理名は忘れた



その数日後、彼女は数ヶ月ぶりの休みが取れたらしく、実家に帰るのを取りやめて一緒に公園に遊びにいくことにしてくれた。



大きい木がある彼女のお気に入りの場所で、絵を描いたりオカリナを吹いたり寝っ転がったりしてのんびり過ごす。

自転車に二人乗りをしながら代わる代わるこぐ人を交代して帰り、楽しい時間を過ごした。

ずっと研究所に座りっぱなしの彼女にもいい運動になっただろう。




    ↑休日だったためか、人がたくさんいた



    ↑池にはたくさんのボート。鯉もいたりして日本とそんなに変わらない



    ↑マリさんが持ってきていた鉛筆。7Bから6Hまで揃っている。さすがプロ



    ↑自分をモデルにアリクイの絵を描いてくれた


以下マリさんが撮ってくれた写真







馴染みの食堂にも行ってみた。

そこのおばさんはこちらの顔を覚えてくれたようで、いつもの不機嫌な顔から一転、やさしい笑顔で迎えてくれた。

店に物乞いが来たときにも、「この人日本人だから言葉がわからないよ。あなた日本語話せるの?じゃあダメだね、帰りな」と追い払ってくれた。



ホテルの室内でニコニコの生放送もやってみた。

が、回線が弱くプッツプツになってしまった。

もっといい環境を探さなくてはこれは難しそうだ。

こんな感じで、忙しくも暇な毎日を過ごした。

そして、ついに路上でバスキング(=路上パフォーマンス)。

オカリナとメキシコで買ったソンブレロをサブバックに入れ、人とパフォーマーでごった返している通りに立ちすくむ。

一応警官と近くの商人に確認してから、勇気を振り絞ってオカリナを吹いた。



結果は0ペソ。



子ども達が帽子の中にお金を入れる振りをしたくらいで、他には誰も立ち止まらない。


すぐ目の前を通るおじさん達は帽子の中をチラッと見て、なんにも成果がないのを確認してからそのまま去っていく。

かなりショックだった。

そうか。

だめか。

コイン一枚でも入っていたら、それで満足だったのに。




パナマシティで吹いたときは場所が悪かった。
そして今回はいい場所を取れたのだ。

しかし一銭も入らないということは、バスキングで少しでも生活費の足しにする方法は無になってしまったということだ。

それがとてもショックだった。
未来への希望の一筋がついえた。



しかしこれで諦める自分ではない。

勝負に勝つまで人を帰さないほど負けず嫌いの自分がここでやめるはずがなかった。



・・・そう、まだ作戦があったのだ。




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