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となりの国

Home > ブログ > 11、コロンビア

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とあるクリスチャンとソガモソ舞い戻り



6時に起きる。

が、自転車を見張るため2、3時間おきに外の様子を伺っていたので寝足りなく、2度寝してしまった。

そしてちゃんと起きたのが9時。

喉の痛みがひどくなってしまった。

この時間になっても、ここプラジャブランカには誰もいなかった。


めんどくさそうにテントを片付けて浜辺を出る。

昨日のうちにトタ湖をどっちまわりで帰るのか考えた。

アキタニアのほうから戻って帰るか、それともまだ行ったことのないトタの町から戻るのか。

地図で見るとトタから行ったほうが5kmほど近いらしい。


しかし5km程度だったら、むしろ距離よりも道の状態が重要だ。

下り坂が多いほうが楽に早く進めるし、砂利道があるとスピードが落ちるうえにスリップやパンクの危険性が付きまとう。

トタ方面はそういうダートが続きそうだとも思った。

だが、町がいくつかあることだし、苦難を承知で知らない道をいってみるのも一興か。

せっかくなのでそうすることに決めた。

昨日のラーメン作りで飲み水がなくなったので店を探しながら進む。

いきなりのぼり坂スタート。

その分、その先にはくだりが待っていると思おう。

店はあったが水が高かったので先へ。

あと3kmでトタに着くらしいので、そこまで我慢だ。

’トタ3km’看板のすぐそばで出会ったのは、家の工事をしている人と、その人と話をしているサイクリング服の年配男性。

彼らに手招きされ、生ジュースと乾パンをごちそうになる。

そしてそのサイクリストから一緒に行こうと誘われた。

しばらく一緒に走ることに。

「ここから、湖、バイバイ」

こちらがわかるように、簡単な単語だけで話してくれている。

こういう人は中南米にはなかなかいなくて、大抵は好き勝手に早くしゃべりたくる。

なかなか珍しいことだ。

この人は外国語を学んだことがあるか、あるいは多文化の考え方を理解できる頭のいい人かのどちらかだろう。

彼の話では、ここから湖は見えなくなってしまうらしい。

そして予想通り地面はボッコボコのグラベル、しかも道路工事をしていて通りにくい。


トタの町に着く前に、一緒に走っている彼、カルロスさんが言うには、

ここに私の父の家があるのだけど、寄っていってなにか食べない?

もちろんOKを出した。

朝食を食べていなかったのでこれは嬉しい誘いだ。

道を外れ、奥へ進むと一軒の家があった。

中へ通される。

広い通路があり、右手側にキッチンや茶の間の入口が並び、左手側の窓からは暖かい日が入り込んでいる。

この辺にしては結構高そうな家だ。




    ↑飼われている犬とネコ。かわいい



    ↑カルロスさん


中から修道服姿のおばあさんが出てきた。

この家は敬虔なカトリック教徒なのだという。

急遽簡単な食事を出してもらった。

チーズはここで作っているらしく、牛乳の強い香りがしていて噛むたびにキュッキュッと鳴る。

これにグアジャバという果実の砂糖漬けを乗せて一緒に食べるのがエネルギー補給にとてもいい、とカルロスさん。

それとロールパンとココア、それから細切りのピースケーキを出してくれた。


食べ終わると、今度は昼食に誘われる。

昼食を食べたら車でソガモソまで送ってくれるとまで言ってくれた。

なんか最近すごい。

こんなに多くの人にお世話になってしまっていいのだろうか。

他のチャリダーとかバックパッカーって普段からこんななの?

確かに旅のノンフィクションの本では「どこどこの誰々さん家に泊めてもらった」とか「工場を見学させてもらえてそのうえお土産の酒まで頂いた」なんて出来事をよく見たけど、

でもいままでこんなにたくさん支援を受けることはなかった。

あったとしても時々。

もしくは数日間のみ。

いや、それでもすごいことなのだが、このごろはその比ではない。

昼食まで家のまわりの農場を歩き回り野菜や牧草地の説明を受ける。


そして昼ご飯。

ちゃんと食べる前にお祈りしている。

ここまでちゃんとしたキリスト教徒というのは今まで会わなかったので新鮮だった。



    ↑羊毛かなにかを毛糸にしている様子。これがポンチョになるらしい



    ↑ネコに小屋を取られてしまっているパコくん



昼がすみ、自転車と荷物を車に積む。

家の人達からお土産にチョコレートとチーズ、そして実をたくさんもらった。




この実、クチュバという名前で、見た目はほおずきの中に入った小さなミニトマトのような形をしているが、味は酸っぱいイチゴに少し酸っぱいみかんを足したような感じだ。

酸味があるので、疲れたときに食べると良さそうだ。



    ↑これを10個くらいもろた

車の中では自分の荷物に囲まれ身動きができない。

体の締め付けと睡眠不足のせいで、すぐに車酔いになってしまった。

いつもだったらもう30分はもつのだが、今回は早かった。

町に入るたびに解説をしてくれるカルロスさんには申し訳ないが、眠ることにする。

でないと吐いてしまいそうだった。

それくらいかなりひどく酔ってしまった。

ソガモソだよ!

の声で目を覚ます。

まだ気持ちが悪い。

車から降りMongui(モンギ)までの道を教えてもらう。

自転車は大丈夫かと言われ調べてみると、タイヤがパンクしていた。

今度は前輪だ。

自分で直すから大丈夫、

と言ったのだが、自転車屋のほうが早いから、とそこまで乗せて行ってくれた。

カルロスさんの家があるドゥイタマまで行ったら電話して、

という言葉を残し、去っていった。



    ↑このときもらったキャップ


車を降りると酔いは急速に回復した。

自転車屋はパンクの他に、サボっていたチェーンに油を塗ってくれ、ハンドルのサスペンション(クッションになるところ)にもたっぷり油をさしてくれた。

そんな彼らとその客と少し立ち話。

モンギまでは自転車で3時間、この荷物だったら4時間はかかるだろうということだった。

今日目指すつもりだったが、もう3時をすぎていたのでホテルの話を聞く。

この辺は安くて20000ペソ(1000en)、交渉すれば15000ペソ(750en)まで下げられるよ、と教えてくれるが、スペイン語が話せないのでそれは難しいのではないか。

区切りのいいところで別れ、教えてもらったモンギへの道をたどりつつホテルを探す。

が、ない。

ホテルがあるかどうか聞きながら進んでいくと、ある一人のお父さんがその場所を教えてくれ、しかもそこへ向かう途中自転車で息子と追いかけてきてホテルまで案内してくれた。

そして値段交渉もしてくれる。

25000ペソ(1250en)だったのが22000ペソ(1100en)になり、「もう金がないんだよね」とか「これから食事に行く」などと言っていたら部屋代20000ペソ+夕食代5000ペソで手を打つことになった。

結局25000ペソ払うことにはなってしまったが、夕食つきだしここにはwi-fiがあり、しかも部屋もなかなかいいところだったので損はしていないだろう。

ちなみに、カルロスさんの話だとトタ湖の標高は3100m、ソガモソは2100m、モンギは2800mあるらしい。

やはりこの先のぼりが続くのか・・・

ただ、トタ湖よりは楽に行けると考えると、少しだけ気が楽だ。




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湖の浜辺でテント

山の中の宿を昼に出る。

この先すぐに村があり、その分かれ道を右に曲がると大きな湖、トタ湖が姿を現した。

高い位置から見るその湖は対岸が霞むほど広く、青い。

山を登りきった達成感もあいなり、その光景は自分の胸を打った。








他の観光客はみんなその広大な湖を眺め、そして手をYの字に掲げている。

何組もの人達がこれをやっていたのだが、なにか意味があるのだろうか。

なにかのCMの影響か、それとも”湖”と関係しているのか。

同じく高いところの眺めが素晴らしかった ペニョデグアタペ ではそんなことしている人は見なかったはずだ。

さて、トタ湖も見れたし、帰るか。

…と、いきたいところだが、

しかしここで終わらないのが自分の旅行だ。

昨日思い出したことがある。

トタ湖は湖なのに砂浜があると聞いたのだ。

そして前もってキャプチャしておいた地図を眺めると、そこにあったのはPlaja Blanca(プラジャブランカ = 白い砂浜)という名前。

そしてそこがあるのはちょうど真反対の対岸にある。

そこを目指して山を下り降りた。


       ↑ココ



湖の隣を走る。

このあたりは日本の田舎の景色となんら変わらない。

湖のそばなんだからてっきり平地なのだろうと思っていたが、丘陵の端っこがいくつも出っ張っていてそこを通らされ、一筋縄ではいかなかった。



    ↑奥に見えるあんなデコボコを走らされた


ちょうど真ん中あたりにあるAquitania(アキタニア)の町へ入る直前で、タイヤがパンク。

後輪のチューブに大きな切れ込みが入っていたので、新しいチューブに取り替える。

チューブストック残り1つ。

もうすぐ休止かもしれないこの旅で、替えのチューブを買い足すかどうか、悩むところだ。

時間をかけて準備は完了。

ばあさんに荷物をあさられそうになりながら、町へと入る。



街中には宿屋が何軒か見えた。

もしなにかあったらここで泊まることにしよう。




セントロ(中心部)にある教会を覗く。

ステンドグラスがたくさんあり、自分の好みである。

色彩が細かくてまるで絵のようだった。
















教会のすぐそばにインフォメーションと書かれたタープが立っていたので、そこでプラジャ・ブランカの情報をもらうことに。

ここから15kmほどで着くらしい。

一本道らしいが、念のため簡略化された地図の写真を撮らせてもらった。





いくつかの丘と少しの砂利道を通り越しながら、ようやく着いたのがここ。







湖に真っ白な浜があるなんて不思議な光景だ。

浜の入口で店を構えている人がニコニコと

おおいこっちだよ!

と教えてくれた。

急な下りを降りて下までつくとそこは紛れもなく砂浜。

自転車を押し押し入っていく。




 

するとそこの係員風の人が近づいてきて、なにも言わずともキャンプはどこですればいいのか教えてくれた。

こちらが理解できていないと知ると、今度は案内までしてくれる。

これでキャンプ代がタダなんだから、驚きである。

とりあえずテントを張る前に出店でコーヒーを頼む。

見た目は暖かそうだが、実はかなり寒い。

標高が高いためだ。

泳いでいる人や水着の人もチラホラ見えるが、あれ、絶対寒いと思うぞ。




コーヒーを飲みながらレストランの前(なんと、レストランもあるのだ!)で景色を眺めていると、男女がこちらへ来て話しかけてきた。

彼らも自転車を車に乗せて持ってきていた。

ここに来る途中、アキタニアでこちらを見かけたのだと言う。

彼らも来年には南米を自転車でまわる予定らしい。

そしてボゴタに来たら私たちの部屋にホットシャワーしにきてね、と言っていた。



ホットシャワーとは旅人向けの短期間ホームステイのようなもので、そのサイトに登録すると無料で泊まらせてもらえることができるらしい。

ホットシャワーは南米ではまあまあ登録者がいるらしく、ヨーロッパでも結構使えるという話だった。

以前にもメキシコ人のチャリダーからカウチサーフィン(内容はたぶん同じ)の話を聞いて似たようなことを書いた気がするが、

自分はこういうのにはあまり手を出したくない。

なぜならこういうのに登録している人は、おそらくなにか見返りを求めているだろうからだ。

つまり旅の話を聞きたい、そういうことだろう。

スペイン語もろくに話せず、英語も会話に不自由なくらいにしか話せないので、こういうのには向かない。

メキシカンチャリダーは「それでも別にいいんじゃない?」とは言っていたが、たぶんホストの人に「こんなはずじゃなかった」と思われながら別れるのが目に見えている。

話が聞きたいわけではなく、

以前旅をしていてその他の旅行者を支援したいから、とか、

その恩を返したい、

という人もいるだろう。



日本を自転車でまわったときもそういう人がたくさんいた。

だがどちらにしても自分は人と接するのがひどく苦手なので、結局いい結果にはならないと思う。

嫌な思い出を増やして辛い気持ちを引きづりながら旅をするなんてまっぴらごめんだ。



学生時代に日本を4/5周したころ(金と時間の問題で関東地方は行けなかった)、宮島でキャンプができそうなところを探しウロウロしていたときに、寂しげな顔をしたおじさんがこちらを見つけるや長話を始めたことがあった。

うちに泊まらせてあげたいけど、前に自転車乗り2人を泊まらせたときに金を盗まれてしまってね…

と話すおじさんの、こちらを見る目には、悲しみと憎しみが混じっていたのだった。

そんなことを毎度思い出しながら、そういうサイトに登録するのはまあまず無理だろう、と諦めているのであった。

サイトに登録はしないが、ただ彼らからはメールアドレスをもらったので、もしかしたらそっちから連絡するかもしれない。



テントをたててインスタントラーメンを作る。

暗くなる頃には、あんなに賑わっていた浜辺には誰一人いなくなった。

久しぶりに星空を見た気がする。








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トタ湖への受難

熱は下がったので、パイパの町から出て行くことにした。

後ろ髪を引かれる思いだが、先へ行かなくては。

ここでかなり金も時間も使ってしまった。

近くの店で水を買い込む。

袋詰めの水をアクアボトルに入れ替えていると店のおばさんがマンゴーを手に持ってやってきた。

くれるらしい。

ほとんど何を言っているのかわからなかったが、仏頂面な顔で

いい旅をしてね

という言葉とともに送り出してくれた。

やっぱりこの町はいいところだった。

途中カフェでエンパナーダ(餃子形の揚げ物、ここら辺のエンパナーダは味のしみ込んだ米がたくさん入っている)を2つ買い、食べながら走る。

今まであまり自転車を飛ばしながら物を食べることをしていなかったのだが、これはなかなかいい。

食べ物がおいしく感じる。

遠足で敷物を敷いて食べる弁当に通ずるところがある。

片手でしかハンドルを握れないのが欠点だろうか。

ここから先の道も軽い下り道がずっと続いた。

やはり咳き込んでしまうが、苦しく感じることもなく落ち着いて先へ進むことができた。

どんどん道が下がるので気温も上昇する。

後半はかなり暑かった。



    ↑途中のなにもないところに高速のサービスエリアらしき建物を発見。こっちにもあるんだね

パイパから走り出して1時間ほどでドゥイタマの町が見えた。


しかしほとんど距離を走っていないので、ここは無視。

本当はちょっと覗いて行こうかとも考えていたのだが、なんだかこのままタイヤを止めたくなくて、そのまま横を通り過ぎてしまった。



    ↑ドゥイタマ入口のモニュメント。帰りに寄ってこーっと

そこから小さなTibasosa(ティバソサ)という雰囲気のいい村をこれまたノンストップで通り過ぎ、着いたのはSogamoso(ソガモソ)という大きめの町。

この町から、次の目的地であるLago de Tota(ラゴデトタ=トタ湖)とMongui(モンギ)という村への分かれ道となる。

ソガモソはちょうど中間にあるというわけだ。

両方行く気なので、時刻は2時とまだ早いが今日はここで泊まり、どのようにまわるか作戦を練る。

こういう大きな町はあまり好きではないので、できれば滞在したくはないのだがしょうがない。

予想通りホテルの値段は高く、なんとか小さな部屋を20000ペソにしてもらい落ち着く。

少し町をまわってみる。

中心部にはテントが並んで建てられており、そこで日本人形のようなものやら怪しい薬やら本やらたくさんの雑貨が売られていた。

祭りではなさそうだが、なんだか変わったところだ。




    ↑右側に見えるのが日本人形風の置物。真ん中の金色のは招き猫



    ↑薬がたくさん。魔女が作った薬みたいな怪しいものもあったりする



    ↑大きくて目立った壁だったので何かと思ったら墓だった



    ↑感じがあしらわれたクッション。ここのホテルの毛布も漢字が書かれていた。はやっているのだろうか


 

    ↑
本当はここCocuy(コクイ)にも行きたかったのだが、ここから200km近くあって遠いし、標高5000mくらい登らなくてはいけないらしいのでやめた。


この大岩があるPulpito de Diabloではなく、少し離れた他のルートだともう少し簡単に登れるらしいのだが、さすがに、ね。


ちなみにこのコクイはコロンビアで2番目に高い山だそうだ。



さて、それではホテルの室内で作戦会議。

ここからどういう風にまわろうか。

目的地は2ヶ所。

モンギとトタ湖だ。

モンギへ先に行き、そこから帰ってきてそのままトタ湖を目指すのがいいのではないか。というのが第一の案。

トタ湖へ行くとおそらくキャンプになるだろう。

ただ体の調子から言ってキャンプはあとにしたほうがまだいいのではないか、そう考えたのだ。

そして第2の案、ここでもう1泊部屋をとり、荷物を置いて軽い状態の自転車を使い、一日でトタ湖を観光して戻ってきてからモンギへ向かうというもの。

こうすることによって、宿泊費はかかるが、わりかしスムーズに事が進むことになる。

これは予想だが、地図を見る限りモンギへの道もトタ湖への道ものぼり坂が続くのではないか。

そんな気がする。

そうなると荷物を抱えての走行はかなり辛いものがある。

体調のことも考え、できるだけ易しい方法で運行したい。

長い時間考えたが、これは第2案のほうがよさそうだ。

では明日ホテルの従業員にもう一泊すると伝えよう。



で、明日。

もう一泊する旨をを伝えると、

なんと! この日泊まると値段は30000ペソになるらしい。

この日は土曜日で+5000ペソ。

それとなんとか(何言ってんのかわからなかった)が付いてもう+5000ペソ。

ちょうどチェックアウトするおじさんが色々交渉してくれたようなのだが従業員の態度は変わらず、

こんな狭くて蚊も飛んでいてしかもネットが通じないところにそんな金出せるか!!!

との思いを胸にホテルを出て行った。

他はもっと高いよ

という従業員は無視。

だってホテルに泊まらんもん。

そう、ホテルを出た事で作戦は変わった。

先にトタ湖へ行こう。

土曜日でどこもホテルの値段が上がるのなら、今日はキャンプしてやりすごしたほうがいいではないか。

それで明日モンギへ向こうことにしよう。

そう決めてトタ湖方面へ走り出したのだった。

ちょうどこの日は雲ひとつない快晴だった。




    ↑トタ湖は25kmか。お、余裕じゃね?

トタ湖への道は予想通りののぼりだった。

いや、予想以上というべきだろう。

自転車に乗れないくらいの傾斜だ。

しかもずっと。

平な道もないし、ちょっとでも下がるところすらない。


  

  キツい分、景色は素晴らしい。

 


   ちょっとずつ登っていく。



    ↑野良犬が物欲しそうにこちらを見ている




水がなくなったところで運良く小さな店を発見。

朝食を軽くしか食べていなかったので、エンパナーダくらいあるだろうと聞いてみるが、チップスしかない。

それでもいいかと思ったが、そこの客達からこの先にレストランがあるという話を聞いたため、水のみ補給。

peaje(道の料金所。至る所にあり、ここを通る車は指定の料金を払わなくてはならない。自転車は無料)を通り越してさらにゆく。

が、腹が減ってもうだめだ。

力つきた。



ビールの名前とポスターが大々的に貼ってある小さな小屋を見つけた。

ここも店だろうと寄ってみると、そこにいたハットをかぶったじじいが突然何かわめき散らしながらその扉を閉めた。

ここは店じゃないのか

そう聞こうとしたが、もう疲れすぎていて声が出ないし、じじいの態度に次第に腹が立ってきたので、その腹いせに店の前にあったベンチに腰掛けて休む。

息がなかなか整わない。

じじい達がなにか言っているが、わからないので無視を決め込む。

だいたいこんなのに口聞きたくないではないか。

人がまわりに集まる中、ゆっくり休んでから出発。



その500mほど先にガソリンスタンド、それから宿泊施設つきのレストランが2軒見えた。

ここまで15km。

かかった時間、5時間。

今日はもうここで休もう。

きっとまだ湖まで10kmくらいあるんだろうから。

そう思っていました。

実は、坂をのぼった100m先に村があり、そこからトタ湖が見えることを

このときはまだしらない。



    ↑夕暮れ、ホテルから見える景色は黄金に輝いていました。





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不機嫌な町とやすらぎの町、パイパ

3泊ののち、いよいよトゥンハを出発。

風邪の調子は全然よくないが、ここにずっといるわけにもいかない。

街中をまっすぐ突き走り、先の町までの距離が書かれた看板が見えた。

予想していたより近いようだ。

できればDuitama(ドゥイタマ)まで行きたいが、この体調じゃ無理かもしれない。

そのときはPaipa(パイパ)で様子を見よう。

一瞬でそう計画した。

町を出ると、道の状態は意外とフラット。

もっとアップダウンの激しい山道になるかと思っていたが、緩い下りが続き風邪を引いている身としては助かる。

しかしそれでも喉に乾燥した空気がはりつき、咳こんでしまう。


    ↑途中で朝食と昼食をかねて頼んだアレパとコーヒー



    ↑ここのアレパもコーヒーも素晴らしくおいしかったし、シナモンまでテーブルに備え付けてあって嬉しかったが、他のところよりもちょっと高かった 



標高が下がってきているらしく、気温は少しずつ上がっていった。

空は曇っているが、それでも風の中に少し暖かいものを感じる。

豊かな自然のなか、ポツポツと家が現れては消え、隣には線路が並走している、と思ったら今度は細長い池の横を通る。

衝撃的な風景はないが、なかなか穏やかなおもしろさのある道だった。




    ↑この日は晴れ。景色がきれいに見える



    ↑こんなやさしい坂道を通った



    ↑線路が走る道

 

その細長い池の端につくと、道が右に分かれていて「PAIPA」の文字が書かれた門が現れた。

ここがパイパか。

観光に力を入れている、とようなスペイン語が書かれている。

ここには湖が奥にあるらしく、そこが見所のようだ。

時間は早いが喉と鼻の具合が酷くなってきたので、今日はここで休もう。

そう思い入口付近のホテルへ。

しかし宿泊を断られる。

ネットで外国人の番号を調べなきゃならないんだ。パスポートはないだろ?あるのか。でもだめだね。

というしっちゃかめっちゃかなことを言われた。

その先にあったホテルに入る。

25000ペソだと言われ、一応勧められるがまま部屋を見ながら諦めようかと思ったとき、バストイレ別でいいなら20000ペソで部屋があると言われた。

早くそれを言うんだよ!

不信げで感じの悪い女性のスタッフに案内され、なんとか部屋を確保。

中心部あたりをまわってみるが、なんだかここの人達はみんな感じが悪い。

明日さっさとここを出ようと決め、この日は休んだ。

が、次の日から熱が出てしまい、結局この町に一週間近くの泊まることとなる。


    ↑パイパの街並


第一印象は最悪だったこの町も、慣れてくるととてもいいところに変わった。

これまで雨雲がずっと続いていた日々がうそのように、熱が出た次の日から空は晴天。

窓から見えるうららかな陽光と田舎じみたその景色を見ていると、どうしても外へ出て行きたくなる。

そんな誘惑に負け、フラフラしながら町をまわった。

    ↑窓からこんな風景が見えるのだ

近くにある安めのレストランはこちらの顔を覚えてくれ日に日に態度が柔らかくなるし、ビタミン補給にフルーツを探しにかよったデザート屋では「明日イチゴクリーム作っておいとくから」と笑顔で言われる。

緑をまとった丘陵は美しくそびえ、湖までの道は広く清潔でのどかだった。




ロマネスク様式(で合ってる?)の荘厳な、でも見方によってはかわいらしい教会。

そのまわりの広場では人々がのんびりベンチに腰掛け、アイスクリームをほおばっている。









    ↑このアイスは800ペソ(40円)。とても安い


    ↑広場で売っていたマンゴーの細切り。
これまで何度かいろんな人に買ってもらったことがあるのだが、いつも塩とレモン汁だった。
ここで初めて甘いバージョンを食べたのだが、甘いソースとホワイトチョコソース(練乳かもしれない)がかけられていてこれはこれでおいしかった。
そのときの写真を撮っていなかったため、写真は塩こしょうレモンのやつ。
こっちのほうがマンゴーの香りが引き立つ。


ホテルのスタッフ達は、こちらが帰ってチャイムを押す度にはにかんだ笑顔を向けてくれるようになった。

一週間いる間にこの町が気に入ってしまった。

すてきなところじゃないか。



やはり、長く居てみないとわからないことがたくさんあるのだな。

でも3年も住めば嫌なところが見えてしまうかもしれないので、やっぱり一週間くらいがちょうどいいのかもしれない。

もう少しいたい、と思うところで引き下がるのがやっぱり一番いいのかもね。





通い慣れたレストランの料理。
安くておいしい。
初めは怪訝な顔をして注文を取ってきていたが、数日経つと笑いかけてくれるほどまでになった。


停電になった夜はろうそくを立ててくれた。








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